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 【日本的人事システムの先進性】

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日本版ダイバーシティ・マネジメント

日本的人事システムの先進性 【8】

日本版ダイバーシティ・マネジメント

◇上林 憲雄氏(Norio Kambayashi)◇

  英国ウォーリック大学経営大学院ドクタープログラム修了後、
2005年神戸大学大学院経営学研究科教授、経営学博士。
専攻は人的資源管理、経営組織。

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■ベンチャーや外資系企業では

付言しておきますと,これまでの説明は,単純化のために日本企業を一括したうえで議論してきました。但し,いうまでもなく,一概に日本企業の人的資源管理といっても,業種や組織規模,企業文化によってかなりバラツキがあることは事実です。

伝統的な製造企業の場合には上記の説明が比較的よく当てはまるケースが多いですが,例えば技術革新やグローバリゼーション,金融化(finanicialization)が進展する中,とりわけベンチャー企業や外資系企業においては,上記とはかなり様相を異にしていたり,アメリカ企業の方にむしろ近いマネジメント・スタイルをとっていたりする企業もあるはずです。

その意味では,従前のように「日本的経営」というひとくくりにできた時代とは違い,人的資源管理の時代には,個々の状況に応じて多種多様な日本型モデルが出現しているとまとめることができるかも知れません。


■日本版ダイバーシティ・マネジメント

人事労務管理の時代の日本的経営のもとで暗黙のうちに了解されていた人間モデルは,その是非はさておくとして,「長期間,同一企業で働き続け,組織忠誠心の高い男性正社員,とりわけブルーカラー作業員」でした。かつて「日本的経営」という用語が使われていたのは,殆どの場合,ホワイトカラーではなく工場で働くブルーカラーの有能性を指す言葉でした。

今後,人的資源管理の時代の日本的経営は,この人間モデルにそぐわない従業員が多数出現しています。女性社員やホワイトカラーはもちろんのこと,パートタイマー,派遣・契約社員,短時間労働者,組織忠誠心が高くない若年勤労者,等々の勤労者です。これらの多種多様な人材をいかにうまく個別にマネジメントし,組織全体として整合性をとっていくかという点,いわば"日本版ダイバーシティ・マネジメント"が,今後の日本企業における人的資源管理上の喫緊の課題となっています。

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