2019年10月30日
東京商工リサーチの調査によると、2019年度上半期(4~9月)の負債額1000万円以上の企業倒産件数は4256件で、前年同期に比べ3.2%増加した。一方、負債総額は前年同期比28.9%減と大幅に減少し、年度上半期として過去30年間で最少となった。
2019年度上半期(4~9月)の企業倒産件数は、上半期としては2年ぶりに前年同期を上回ったが、過去30年間では2017年度(4220件)に次ぐ5番目に少ない水準にとどまった。
近年の推移について東京商工リサーチでは「年度上半期では、リーマン・ショック直後の2009年度(7736件)以降、2016年度(4216件)まで8年連続で減少した。2017年度から増加と減少を繰り返し、底打ちから増勢への気配をみせている」と分析している。
負債総額は5948億7200万円。前年同期に比べ28.9%減、2426億9700万円減と大幅に減少し、年度上半期として過去30年間で最少を記録した。
これは前年同期に1件発生した負債1000億円以上の倒産がなかったほか、同10億円以上の大型倒産が87件(前年同期98件)と2年連続で100件を下回ったことが大きな要因となっている。
産業別に見ると、倒産件数は10産業のうち6産業で前年同期を上回った。
件数の最多は飲食業などを含むサービス業他の1301件(前年同期比5.6%増)で、年度上半期としては4年連続で前年同期を上回った。サービス業他のうち、飲食業(381→411件)、生活関連サービス業,娯楽業(176→201件)、医療,福祉業(149→162件)などで増加が目立った。
また、小売業が647件(前年同期比13.3%増)で、年度上半期としては2年連続で増加した。
一方、建設業は731件(同0.2%減)で、年度上半期では11年連続で前年同期を下回った。このほか、卸売業579件(同6.7%減)は7年連続、情報通信業166件(同7.2%減)は3年ぶり、金融・保険業14件(同12.5%減)は2年連続で、それぞれ減少した。
倒産件数を地域別に見ると、全国9地区のうち北海道と中部を除く7地区で前年同期を上回った。
増加したのは、東北が222件(前年同期比12.6%増)、北陸が116件(同20.8%増)、中国が176件(同9.3%増)、四国が91件(同15.1%増)、九州が355件(同7.2%増)で、2年連続で増加した。関東1596件(同2.6%増)、近畿1064件(同4.2%増)は2年ぶりに前年同期を上回った。
北陸は3県全県で増加し、建築材料,鉱物・金属材料等や飲食料品など卸売業(4→15件)で増加が目立った。四国は飲食料品製造、繊維工業、印刷・同関連業などの製造業(9→22件)で増加。九州は小売業(53→73件)、建設業(48→68件)、不動産業(4→14件)の増加が顕著で件数を押し上げた。
一方、北海道は111件(前年同期比3.4%減)となり7年連続、中部は525件(同7.7%減)となり、2年ぶりにそれぞれ減少に転じた。
上半期の負債額上位の倒産は次の通り(金額は負債額)
1.上海国際(東京、貿易仲介)200億円
2.ワイ・ケイ・ジャパン(東京、ゴルフ場経営)162億4200万円
3.土高興業(東京、パチンコホール、ホテル経営)110億円
4.おおぞら管理(福井、液晶テレビ・電子回路ほか製造販売)100億2900万円
5.サンヒット(埼玉、クラフト用品・裁縫用品企画販売)82億4300万円
配信元:日本人材ニュース
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