2025年11月28日

４０．０人以上の民間企業の障害者法定雇用率は２．５％、令和８年３７．５人以上２．７％を目指す

＜目次＞
■　法定雇用率の段階的引き上げ
■　除外率の引き下げ
■　障害者雇用における障害者の算定方法が変更
■　障害者雇用のための事業主支援を強化（令和６年４月以降）

全ての事業者に法定雇用率以上の障害者雇用の義務があるが、令和６年４月厚生労働省「改正障害者雇用促進法」が施行され、段階的に法定雇用率の引き上げ・支援策強化が求められる。

法定雇用率の段階的引き上げ

厚生労働省では障害者雇用義務のある事業主には、毎年６月１日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告を義務づけ、雇用促進と継続のための「障害者雇用推進者」の選任を努力義務としている。
令和６年以降、対象事業主の範囲を４０．０人以上の民間企業とし、法定雇用率は２．５％とした。令和８年７月には、３７．５人以上の企業に２．７％の雇用を義務づける予定である。

除外率の引き下げ

各業種により障害者雇用義務を軽減する除外率が設定されているが、令和７年４月１日から、以下のように変わった。また、これまで除外率が１０％以下であった業種は除外率制度の対象外、つまり除外なしで雇用義務が生じることになる。

除外率
５％・非鉄金属第一次製錬・精製業・貨物運送取扱業（集配利用運送業を除く）
１０％・建設業・鉄鋼業・道路貨物運送業・郵便業（信書便事業を含む）
１５％・港湾運送業・警備業
２０％・鉄道業・医療業・高等教育機関・介護老人保健施設・介護医療院
２５％・林業（狩猟業を除く）
３０％・金属鉱業・児童福祉事業
３５％・特別支援学校（専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く）
４０％・石炭・亜炭鉱業
４５％・道路旅客運送業・小学校
５０％・幼稚園・幼保連携型認定こども園
７０％・船員等による船舶運航等

と事業除外率が引き下げられた。

障害者雇用における障害者の算定方法が変更

令和５年４月から精神障害者の算定特例が延長され、週所定労働時間が２０時間以上３０時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率上、雇入れからの期間等に関係なく１カウントとして算定できるようになった。
令和６年４月から一部の週所定労働時間２０時間未満の方の雇用率への算定が変更され、週所定労働時間が１０時間以上２０時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、０．５カウントとして算定できるようになった。

障害者雇用のための事業主支援を強化（令和６年４月以降）

・「障害者雇用相談援助事業」が始まり、障害者雇用に関する相談援助を行う事業者から、原則無料で雇入れやその雇用継続を図るために必要な一連の雇用管理に関する相談援助を受けることができるようになった。
・雇用関係の助成金を拡充・新設し、加齢により職場への適応が難しくなった方に、職務転換のための能力開発・業務の遂行に必要な者の配置や、設備・施設の設置等を行った場合に、助成が受けられるようになった。
・障害者介助等助成金を拡充（障害者の雇用管理のための専門職や能力開発担当者の配置、介助者等の能力開発への経費助成の追加）し、職場適応援助者助成金の拡充（助成単価や支給上限額、利用回数の改善等）の他、職場実習・見学の受入れ助成を新設した。

なお、障害者雇用納付金については、令和６年度分の障害者雇用納付金は申告期間令和７年４月１日から同年５月１５日までの間新しい法定雇用率（２．５％）で算定する。令和８年度分の障害者雇用納付金は、申告期間令和９年４月１日から同年５月１７日までの間、令和８年６月以前については２．５％、令和８年７月以降については２．７％で算定することとなる。