管理職

管理職が知っておくべき、仕事の配分

管理職に求められる役割の一つとして、仕事の配分があります。組織の目標を達成するため、または部下の育成のため、あるいはチーム編成の変更があった場合など、管理職として部下の仕事の割り振りを見直し、適宜変更することが必要です。つい経験豊富な中堅・ベテランに仕事を多く割り振る方が安心だと思いがちですが、新人やアルバイト社員に任せるべき仕事まで回していませんか?


今回は、組織マネジメントなどのコンサルティング業務に携わってきた弊社のエグゼクティブ・アドバイザーがこれまでの経験から培ってきた、ベストな「仕事の配分」をご紹介します。また、業務に不慣れな非熟練者のパフォーマンスを引き上げるために、管理職・リーダーがやるべきこともお伝えします。貴組織マネジメントの参考にしていただければ幸いです。

目次

業務の8割はルーティンワーク?

組織の業種・職種・人員などによって異なりますが、私が長年多くの組織を見てきたなかで言えるのは、組織の業務の80%は通常業務(ルーティンワーク)であるということです。安定した成長を続ける組織においては、およそ以下の割合で仕事が配分されています。


  • ●8%の業務・・・・管理職、リーダーでなくてはできない非定型業務、管理業務
  • ●12%の業務・・・中堅やベテランがしっかりやらなければならない業務
  • ●80%の業務・・・新人やアルバイトなど非熟練者でもできる通常業務

管理職やリーダーが関わるべき業務は全体の8%しかありません。しかし、数が少ないように見えても、部署としての方針策定やメンバーの業績評価など、部下に任せてはいけない責任重大な業務ばかりであり、ミスをすることは組織として致命傷となります。また、役職者が行う承認や押印を部下に任せることも、ガバナンスの観点から適切ではありません。
中堅やベテランがやるべき12%の業務とは、非熟練者へのきめ細かいフォローや管理、ルーティンワークの中でもイレギュラーが発生した時の対応となります。イレギュラー案件についてさらに上の人の判断を仰ぐべきレベルかどうかの判断や、管理職・リーダーを補佐することも求められるでしょう。

非熟練者に回す仕事を洗い出し、マニュアルを作る

組織の成果を最大にするためには、非熟練者でもできるような通常業務に管理職やベテランのリソースを使ってはいけません。8割の業務は非熟練者に回せると心得て、仕事の配分を決めましょう。そのためにまず管理職・リーダーがやるべき仕事は、中堅・ベテラン層からヒアリングをして個々の業務やタスクを整理し、非熟練者に回す仕事を徹底的に洗い出すことです。
また、誰にでも業務を行えるようルールを策定したり、マニュアルを準備することで、業務品質の向上やスピードアップにつながり、非熟練者でも不安なく、前向きに行動することができます。以下に使いやすい業務マニュアルのポイントを列記しましたので、参考になさってください。


【使いやすい業務マニュアルの6つのポイント】
①仕事の全体像が俯瞰(ふかん)できる
②考え方の軸(仕事の判断基準)が示されている
③到達目標が数値や明白な行動レベルで示されている
④実務の確認点が「チェックリスト」で示されている
⑤用語の意味、ノウハウ・コツなども記載されている
⑥クレーム・トラブルなどが「見える化」されている

非熟練者をねぎらう言葉がけと、心理的安全性の高い職場づくり

具体的な業務の指示や日々のフォローは中堅~ベテラン層が行いますが、「新人の〇〇さんは仕事を覚えるのが早い」といった報告を受けた時や、現場で頑張っているアルバイト社員の姿を見かけた時には、管理職・リーダーからも直接ほめ言葉やねぎらいの言葉をかけましょう!
また、誰もが安心して働けるよう、管理者・リーダーが率先して職場の心理的安全性を高めることも大切です。以下4つのポイントを押さえ、取り組みを実践しましょう。

【心理的安全性を高める4つのポイント】
①コミュニケーションが円滑な明るい職場にする
②ハラスメントを許さない環境・風土をつくる
③失敗が許容されチャレンジできる居場所をつくる
④チームの方針、メンバーへの役割期待を明確にする

8割もの業務を任せる非熟練者の自発的な貢献意欲を引き出し、彼らのパフォーマンスを最大限引き上げることができれば、必然的に組織全体として得られる成果も大きくなります。

変化に強い組織をつくり、持続的に成長する

上記の通り、業務の適切な配分を知り、非熟練者でもできる仕事を増やすことは、組織の成果の最大化につながります。仕事の属人化を防ぎ、組織的な対応ができるようにもなるので、メンバーが急に異動になったり、長期休暇を取ったりすることになっても安心です。
どんな変化にも強い組織をつくり、持続的な成長につなげることこそ、管理職・リーダーが真に果たすべき役割と言えます。

【インソースが提供する関連講座の紹介】

関連記事

前の記事

一覧

次の記事

最新作・ニュース

新卒採用募集中

新卒採用に関するお知らせ オンライン・全国で会社説明会開催中