2018年6月22日
管理職を対象にした調査によると、約7割の企業で副業・複業が禁止されていることが、人材サービスのアデコ(東京・港、川崎健一郎社長)が実施した「副業・複業に関する調査」で明らかとなった。禁止の理由は、長時間労働に対する懸念と情報漏洩のリスクという声が多くあがった。
自分の勤め先で副業・複業を認めているかを聞くと、管理職の66.3%が「禁止している」と回答した。その理由としてもっとも多く挙げられたのは、「社員の長時間労働や過重労働を助長してしまうから」(29.9%)、次が「情報漏えいのリスクがあるから」(27.8%)だった。
【勤務先で副業・複業を禁止している理由 トップ5】
1位 社員の長時間労働や過重労働を助長してしまうから 29.9%
2位 情報漏えいのリスクがあるから 27.8%
3位 労働時間の把握や管理が困難だから 27.5%
4位 競業となるリスクや利益相反につながるから 27.5%
5位 労働災害が起きた時に本業との区別が困難だから 18.9%
勤務先で、自社の社員に対する副業・複業を「禁止している」と回答した人に対し、将来的に社員に副業・複業を認めることを検討しているかと聞くと、「認める方向で検討中」が0.6%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」も8.6%のみとなった。
一方、一般社員500人に対し副業・複業の経験の有無を聞くと、76.2%が「過去も現在もしたことがない」と回答した。
副業・複業の経験がないと回答した一般社員に対し、今後、副業・複業をしてみたいと思うか聞くと、55.1%が「副業・複業をしてみたい」と回答した。
副業・複業をしてみたい理由の、トップは「収入を増やしたいから」(81.4%)となった。次いで「空いた時間を活用したいから」(38.1%)、「本業だけでは将来が不安だから」(31.4%)などが続いた。
管理職に対し、個人的な見解として副業・複業を認めたほうが良いと思うか聞くと、「認めたほうが良い」が33.5%、「条件付きで認めたほうが良い」が50.6%となった。
その理由のトップは「従業員の収入増につながるから」(35.7%)。次いで「本人のスキルアップにつながるから」(34.9%)、「社外の人脈形成につながるから」(21.8%)となった。
また、管理職に対し、今後、副業・複業が広がると思うかを聞くと、「広がると思う」が25.7%、「どちらかというと、広がると思う」が44.1%で、約7割の管理職が今後、日本で副業・複業が広がると見ていた。
一般社員に対し、今後、副業・複業が広働き方の主流になることについて考えを聞くと、「賛成」が33.4%、「どちらかというと賛成」が48.8%となった。
管理職が副業・複業時代に必要だと思うスキルの第1位は「コミュニケーション能力」(38.6%)、次が「専門性・スキル」(34.1%)となった。
【管理職が副業・複業時代に必要だと思うスキル トップ5】
1位 コミュニケーション能力 38.6%
2位 専門性・スキル 34.1%
3位 時間管理能力 33.1%
4位 柔軟性 29.8%
5位 人脈・ネットワークを構築するスキル 29.2%
※調査では、副業を「本業の合間に行うサブ的な仕事」、複業を「複数の仕事をすべて本業として行うこと(兼業)」と定義した。
管理職調査は、2018年5月17日~20日、全国の上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510人を対象にインターネットで実施し、510のサンプルを得た。
一般社員調査は、2018年5月17日~20日、20・30代の一般社員を対象にインターネットで実施し、500のサンプルを得た。
配信元:日本人材ニュース
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