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リスクマネジメント

リスクマネジメントとは、企業経営の運営継続に悪影響を及ぼすもの(=リスク)を想定して事前に対策を講じ、危機の回避または損失の最小化を果たすための経営管理プロセスをいいます。リスクの予測と評価をしたうえで、リスクが顕在化しないための仕組みづくりと顕在化した時の対応を考えるのが、組織におけるリスクマネジメントの基本です。

■リスクの種類

リスクには2つの種類があります。ひとつは企業経営に損失のみを与える「純粋リスク」、もうひとつは損失だけでなく利益を生む可能性もある「投機的リスク」です。これまでは、リスクマネジメントで対策を講じる必要があるのは純粋リスクのみと考えられていました。しかし近年では、利益追求のために投機的リスクを取り、マイナスの影響を押さえつつリターンの最大化を図るための活動もリスクマネジメントに含まれるようになっています。

■企業経営に損失を与えるリスクと、その対応策とは

企業経営に大きな損失を与えるリスクの事例には、以下のようなものがあります。
・モノ、環境等に関する災害リスク(地震、不適切な工場廃液処理等)
・情報システムに関するリスク(セキュリティの不具合による情報漏えい等)
・商品の品質に関するリスク(不良品の発生・流通等)
・コンプライアンスに関するリスク(法令違反等)
・財務報告に関するリスク(粉飾決算等)

※参考 出典:中小企業庁 中小企業白書2016年版「稼ぐ力を支えるリスクマネジメント」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf
(最終アクセス:2022年4月25日)

これらのリスクを漏れなく洗い出したうえで、顕在化する可能性と影響力の大きさから優先して対応すべきリスクを評価することが、リスクマネジメントの第一歩です。そして、リスクの低減(例:設備の導入、手順の標準化など)・回避(例:事業の中止など)・共有(例:他社へのアウトソーシングなど)・保有(特に戦略を打たない)の4つの方向性から、対応策を具体的に考えていきます。

■近年特に注意を要するリスクとは

近年、特に注目されているのが人権侵害に関するリスクです。例えば、古い価値観を持つ人がジェンダー差別につながる発言を不用意に行うと、すぐにSNS上で炎上し、企業イメージの毀損につながります。また、企業活動のグローバル化やサプライチェーンの強化により、自社と直接関わりのない地域の住民の生活に悪影響を与えていたり、取引先企業が人権侵害を行っていたりする場合も、自社の責任を厳しく追及されるようになっています。

人権問題を抱えることで、企業イメージの低下・不買運動といった「レピュテーションリスク」や、従業員による業務ボイコットなどの「人的リスク」などが生じる可能性が高まります。人権侵害に関するリスクを評価するために、人権デューデリジェンスの仕組みを導入する企業も増えています。

リスクマネジメントの本質はリスク顕在化の予防ですが、顕在化した際の対応策(クライシスマネジメント)を事前に検討しておくことも必要です。有事の際には、全従業員がその対応策に従い正しく、迅速に対処できるようにしておくことで、被害を最小限にとどめ、早期の復旧につなげることができます。
環境変化に応じて、常に最新のリスクマネジメントが行えるよう準備をしておくことが肝要です。

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