2019年12月04日
民間企業の雇用者の賃金収入は3年ぶりに減少傾向になっていることが、連合総研(連合総合生活開発研究所)が実施した「勤労者短観調査」で明らかとなった。
1年前と比べた自身の賃金収入の増減D.I.値が、全体でマイナス0.4と3年ぶりにマイナスとなった。4月の前回調査では1.0、2018年10月の前々回調査では1.2となっており、減少傾向が続いている。
正社員、非正社員別にみると、正社員は前回調査から1.6減少して1.6、非正社員は0.8減少してマイナス4.5と、ともに前回調査から賃金収入の動きが悪化した。正社員は、3期連続で悪化している。
1年後の賃金収入増減の見通しについて、「増える」とする割合は、2割程度(19.6%)で、前回調査(19.5%)とほぼ横ばいになっている。賃金が「増える」とする割合は、非正社員よりも正社員、労働組合「なし」よりも「あり」の方が高い。
1年前と比べた正社員の賃金収入増減実績D.I.値を業種別にみると、非製造業はプラス3.0となっている一方、製造業ではマイナス2.9となった。
従業員規模別にみると、従業員規模99人以下では製造業でマイナス4.5、非製造業で1.6、100~999人では製造業で2.4、非製造業で4.2、1000人以上では製造業でマイナス6.4、非製造業で4.7となった。従業員規模100~999人以外はマイナスとなっており、特に1000人以上でマイナス6.4と、前回調査(プラス8.9)から大きく減少した。
1年後の賃金収入見通しD.I.値は、正社員、非正社員ともにマイナスとなっている。
1週間あたりの平均実労働時間は正社員(男性)で45.5時間、正社員(女性)で38.5時間、非正社員(男性)で33.6時間、非正社員(女性)で26.6時間となった。平均実労働時間を経年でみると、ゆるやかながら減少傾向にある。
2011年と比べると、男性正社員2.7時間、女性正社員3.2時間、男性非正社員4.0時間、女性非正社員1.1時間と、すべての属性で減少している。前年と比較すると、女性正社員、男性非正社員が減少しているが、男性正社員は横ばいとなった。
9月に所定外労働(残業および休日出勤)を行ったとする割合は36.8%で、その平均所定外労働時間は35.4時間となった。男性正社員は、51.6%が所定外労働を行い、所定外労働時間の平均は43.1時間となった。前回調査(2018年10月:39.3時間)、前々回調査(2017年10月:42.3時間)と比較すると平均所定外労働時間は増えている。
調査は、2019年10月1日~5日、首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と関西圏(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)に居住する20~64歳の民間企業に雇用されている男女を対象に実施し、2000人の回答を抽出した。
※D.I.={「かなり増えた」×1+「やや増えた」×0.5+「変わらない」×0+「やや減った」×(-0.5)+「かなり減った」×(-1)}÷回答数(「わからない」を除く)×100
配信元:日本人材ニュース
■関連記事一覧
更新
ジョブ型雇用を形骸化させない人事実務と設計の要点~制度を根付かせるための4つの観点
ジョブ型雇用を導入しても、実際の運用でつまずく企業が増えています。本記事では、日本企業で起こりやすい失敗の構造と、制度を機能させるための実務的ステップを整理します。評価や報酬、育成との連動まで踏み込み、現場が動き出す仕組みづくりを具体的に解説します。
更新
「つながらない権利」~2026年法改正を見据えて人事が今すぐ準備すべき、勤務時間外連絡のガバナンス
「つながらない権利」が注目されています。人事は、業務上必要な連絡の定義づけ、ハラスメントとなる不適切な連絡の線引き、制度づくりと運用ルールの整理を進める必要があります。
更新
【人事評価制度への不満3】評価面談が苦手はただの言い訳。イケてない上司を脱却するマインドセットと準備
上司が評価面談から逃げようとしている様子は残念ながら部下にも伝わり、「自分は正当に見てもらえていない」「こんな人に評価されたくない」「こんな人を昇格させている組織に長く居てはいけない」とエンゲージメントを下げる要因になり得ます。
更新
【人事評価制度への不満2】通常業務ができないくらい面倒!真面目になんてやってられない
評価記録は何を使ってまわしていけばいいの?表計算ソフト、クラウド型評価システム、日報等のコメントフィードバックツール...それぞれを用いた場合のメリット・デメリットを解説します。
更新
「やる気が出ない」とはもう言わせない~部下のモチベーションを高める目標管理術
数値化した目標を部下が自分で立てられるように導きます。明日から使える目標管理スキルが身につきます。
更新
評価のブレを防ぎ信頼を築く!期末に押さえるべき人事評価6つのポイント
期末評価で陥りがちな心理的エラーを避け、公正で納得感のある評価を行うための6つのポイントと、評価の質を高める実践的な方法を解説します。
更新
評価の不満を解消する3つの解決策~人事評価制度の本当の役割は「人材育成」
人事評価に対する上司・部下からの不満には、主に3つの原因があります。これらを解消し、納得感のある公正な評価の仕方を学ぶ「評価者研修~公正な評価のポイントを学び、納得感のある評価を行う」を紹介します。
更新
360度評価
350度評価とは、アメリカにおいて能力開発のツールとして開発された考え方です。
更新
無理して働く疾病就業「プレゼンティーイズム」とは?〜疲弊する現場のケアで休職連鎖を防ぐ
職場内で相次ぐメンタルヘルス不調者の発症を防ぎ、人員不足や職場の士気低下を起こさないための人員管理術、職場環境の改善施策について解説していきます。
■関連研修シリーズ
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ

登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
人事のお役立ちニュース