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「絵に描いた餅」で終わらせない!形骸化しないスキルマップと研修計画を作るなら、社員の本音を聞け!

人的資本経営が重視される中で、企業の教育体系について関心が高まっています。そして、教育体系を見直す際の基盤として「研修計画」が注目されています。

しかし、企業の研修ご担当者様の前にそびえたつ壁の一つとして、「研修計画が絵に描いた餅になっている」ことが挙げられ、その大きな原因として、現場の声が正しく反映されていないことが課題になっています。

研修計画を現場に寄り添ったものに改善をするためには、「スキルマップ」の活用がオススメです。スキルマップを使うことで、職種・階層別に求められる能力を可視化することができます。

スキルマップを形骸化させず、実効性あるものに改善するには、「現場の実情をどれだけ正確に把握できているか」にかかっています。そのためには、社員アンケートによって「社員の本音」を引き出し、分析をすることが必要不可欠です。本記事では、アンケートを起点としたスキルマップ作成の流れと、その活用方法についてご紹介します。

社員の声を反映しないスキルマップは機能しない

抽象的なスキルマップの形骸化

スキルマップは、業務に必要なスキルや知識を整理し、従業員ごとの習得度を「見える化」するためのツールです。しかし、「作ること」が目的化してしまい、作成に多くの時間をかけたにもかかわらず、現場で活用されないという声も少なくありません。

その背景には、「現場の業務内容が不明瞭」「何を指標に研修の選定をすれば良いかわからない」といった声が挙げられ、作成者の情報不足が大きく影響しています。その結果、抽象的で現場の実態とかけ離れたスキルマップになり、活用することが難しくなります。

たとえば「コミュニケーション力」や「問題解決力」といった課題がよく挙げられますが、それが現場でどのように求められているのかが曖昧なままでは、目指すべき育成の方向性が定まりません。

スキルマップ作成の鍵は「社員の共感」

スキルマップを現場で活用するためには、まず、スキルマップの信頼性を高める必要があります。スキルマップの信頼性を高めるには、実際にそのスキルを使う当事者、つまり現場の社員の共感を得ることが大切です。

社員が感じている課題や、仕事をするうえで不足を感じるスキルの把握ができれば、マップ上に反映すべき項目や優先順位が明確になります。その出発点となるのが社員アンケートの実施と活用です。

社員アンケートを「スキルマップ作成の出発点」へ

前述した通り、現場で有効活用されるスキルマップ作成するには、社員アンケートによる「現場の声」の収集が必要不可欠です。例えば、以下のような項目を設けることで、スキルギャップや職場の課題をより明確に洗い出すことができます。

  • 現在の業務で「難しい」「時間がかかる」と感じている作業
  • 今後、強化したい・必要だと考えているスキル
  • 日常業務で不足を感じている知識や対応力
  • 上司や部下に対するスキルギャップの印象

こうした「主観的な声」をもとに社員自身の感覚に基づく「業務のリアル」を引き出すことが、育成の方向性を定めるためのヒントになります。

アンケート結果を最大限に生かす

アンケートは、満足度調査ではない

アンケートを実施しただけでは、スキルマップ作成にはつながりません。重要なのは、アンケートを構造的に読み解き、結果をスキル項目ごとに整理・分析する視点です。インソースでは、例えば以下のような切り口で分類します。

  • コンピテンシー領域(行動特性):主体性、リーダーシップ、協働性など
  • 業務スキル領域:業務手順、専門知識、マニュアル理解度など
  • ヒューマンスキル領域:コミュニケーション、説明力、報連相など

これにより、「どの領域で課題が集中しているか」が見える化できます。加えて、役職別・年代別でクロス集計することで、取得スキルの優先順位が明確になります。

定量と定性の両面で分析

集まったアンケート結果は、数値で傾向をつかむ定量分析だけでなく、自由記述欄などに表れる定性的な声を丁寧に読み取る力が求められます。

たとえば「報連相がうまくいかない」という声が多い場合、それは単なる技術的課題だけではなく、上下関係の心理的距離や世代間ギャップ、文化的な問題が背景にあることも考えられます。

こうした内情を踏まえ、落とし込むことで、他の企業と似通った汎用性の高いスキルマップではなく、より自組織の風土に合わせたスキルマップの作成ができます。

スキルマップと組み合わせて研修計画を立案

社員の声を反映させたスキルマップを作成することで、より現実に寄り添った研修計画を考案できます。アンケートとスキルマップを往復するプロセスが、研修計画の実効性を高めるポイントです。

まとめ:現場の声から「意味のある人材育成」へ

形骸化されたスキルマップでは、人材育成はうまくいきません。現場の声を収集し、それを具体的なスキル項目に落とし込むことで、現場の実態との差異を減らすことに成功することができれば「現場で活用される育成ツール」へと生まれ変わります。

そしてそれを実現するためには、社員アンケートをどのように読み解き、いかに現場の情報収集をすることができるかにかかっています。属人的な判断や形式的なスキル定義ではなく、社員一人ひとりの声を反映した研修計画こそが、組織の力を最大限に引き出す近道となります。

なお、インソースでは、研修ご担当者様のスキルマップの作成や人材研修計画をサポートします。「社員の声を活かした研修計画をしたい」「スキルマップを見直したい」と感じた方は、ぜひインソースまでご相談ください。

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研修後のアンケート回答データはWEBinsource内でのみ閲覧可能であり、外部への情報流出リスクを避けながら、安心してデータ活用ができます。

〈アンケートの活用支援事例〉

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従業員に体系化された教育施策を施していこうと考えるならば、まず、その基盤となる「スキルマップ」の作成が必要です。スキルマップを使うことで、会社で階層別に求められる能力を可視化することができます。

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