インソース DX支援部

中小企業支援担当は必読!1,300以上の自治体の実績から見えた教育事例5選と研修運営で失敗しない3つのコツ

各自治体では、中小企業向けに教育機会の提供が行われていますが、民間企業がどんな教育を必要としているか、実施する教育テーマに悩む声を多く聞きます。

多くの自治体が直面している課題は、競争力の強化、人手不足、他の自治体との差別化、そして企業業績向上による税収増加です。昨今では、自治体の抱える課題と民間企業のニーズを両方満たす解決策として、民間企業に人気の高いデジタル人材育成の必要性が高まっています。

現在、既に多くの自治体がデジタル人材育成に向けたDX教育を開始しており、中小企業向けの教育機会の提供は、各自治体にとって急務となっています。

教育テーマで人気なのがDX教育であるのはなぜか~走り出しを支援してほしい

「手探り状態」「内製化が難しい」...走り出しを支援して欲しい企業は多い

民間企業の間でDX教育の人気が高まっている背景には、研修担当者から以下のような悩みの声が多くあります。

  • 今ある業務に手一杯で、業務効率化まで考える時間がなかなか取れない
  • DXに明るい社員が組織内にいない関係で、どうにも進まず手探り状態が続いている
  • 既存の方法を踏襲する文化が根強く、内製だけではなかなかアナログな体制が変わらない

DX教育の重要性は分かっているものの、手が回らないという悩みを持つ企業は非常に多いです。この悩みを解決することに加え、自治体内における企業の業績アップや競争力の強化を課題感に持つ自治体では、DX教育が最適であるとして年々人気が高まっています。

「DXが分からないから主催できない」時代ではない

人気とはいえ、よく自治体の担当者の方から、「DXはわからないから、闇雲に主催はできない」との声を聞きます。担当者目線からするとDX教育の経験がないことや、知見に不安があることで、実施になかなか踏み切れないといった場合もあるかと思います。

しかし、担当者に必要なスキルは、DXの知識が豊富であることよりも、自治体内の企業が必要としている教育をキャッチすることです。DXや教育のノウハウは、外部の情報を活用することで、最新の情報を手に入れられます。担当者は中小企業への教育提供を考える立場であるからこそ、各自治体と民間企業の課題に対して、最も理解力の高い存在です。

全国の自治体・民間企業を支援して見えてきたDX教育のトレンド~主要5パターンの事例を紹介

DX教育といっても、一体どんな教育が各企業に合っているのか、教育方法を探るのは大変です。弊社が1,300を超える自治体担当者の悩みを聞き、教育方針を提案する中で、いくつかの教育トレンドが見えてきました。今回は特に多い主要5パターンの教育事例をご紹介します。

「どんなツールが自社に合っているのか分からない」を解決!~自社で扱いやすいツールを選定する

昨今、組織のDXを実現するためのツールは多種多様です。生成AIなど豊富にツールがある一方で、どれがいいのか選べないという悩みが増加しています。ツールの種類を知り、自社の業務に合ったツールを発見できる研修は、これからDXを進めたい企業の一歩目として人気が高いテーマです。組織の体制によっては、全社単位よりも部署単位などで合うツールを見つけ、業務効率化の方法を考えることも必要です。

>ITツールによる業務改善ワークショップ

>IT初心者のためのDXスタート講座

「眠っている膨大な社内データをどうにかしたい」を解決!~今あるデータを有効活用する

社内にデータは豊富にあるものの、使い方がわからない人は意外に多く、ただただ蓄積して終わっているケースがあります。特に経営者層やIT推進担当は、現状から意思決定を行う力が求められる機会が多いため、各組織で最も身近なデジタルツールであるExcelから、即実践に活きるデータ処理の方法を学びたいという声は多いです。

>ビジネスデータの分析研修~職場で活かせる統計の基礎とデータ活用法を学ぶ

「生成AIを導入したけど利用率が上がらない」を解決!~手元の作業を短縮する

数あるデジタルツールの中で、生成AIは最も人気の高いツールです。しかし、民間企業の研修担当者からは、「導入したはいいものの、利用率が低い」「誰がどのくらい使ってくれているのか分からない」といった利用率の悩みをよく聞きます。

この悩みは総務省の調査でも明らかとなっています。総務省が調査した、企業における生成AIの活用方針策定状況の調査結果では、回答のうち上位3つは組織内に導入を始めている企業で、全体の約70%が「業務で使用中(効果は出ている)」「業務で使用中(効果は測定中または不明)」「トライアル中」と回答しています。このうち「業務で使用中(効果は出ている)」と回答した組織は18.6%で、導入を始めている組織のうちの1/4ほどしか満たしません。つまり、生成AIの導入を始めている企業のうち3/4は、生成AIの効果を明確には見出せていない状況であると言えます。

出所:「令和6年版 情報通信白書|企業向けアンケート」(総務省)(最終アクセス:2025/11/06) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd151120.html

こういった利用率の低迷が起こる原因は「活用方法が分からない」「リスクが怖い」といった教育機会の不足による場合がほとんどです。生成AIは文書作成、Excelなどの事務作業の補助によく使われています。組織に特化した社内AIでも、ChatGPTやCopilotなど外部のサービスを利用した生成AIであっても、生成AIの基本的な使い方に大きな変化はないため、一度学べばどの生成AIも手軽に使えるようになります。

>ChatGPT理解研修~導入事例やリスクを知り、組織での活用方法を検討する

>業務効率化のためのChatGPT活用研修

>ChatGPT×Excel研修~知識ゼロからマクロを作る

「業務改善したいけど、何から始めればいいかわからない」を解決!~RPAで業務の見える化から効率化まで一気通貫

業務改善をしたいと思っている企業は多数あります。しかし、その企業のほとんどは「具体的な方法が分からない」「着手までの方針を決める作業に時間が取れない」といった背景があるため、進捗が停滞気味になっています。そこで、RPAと呼ばれる業務自動化ツール「Power Automate」や、アプリ開発ツール「Power Apps」の活用が注目されています。

これらのツールは、業務の見える化から業務効率化の実現までまるごと行うことができます。研修では、ツール活用の技術だけでなく、業務自動化の発想から学ぶことで、現場主導の継続的な改善ができます。特に、「Power Automate」はMicrosoft365に標準搭載されているため、Microsoft365を日常使いしていることの多い中小企業には、追加コストをかけず手軽に取り入れやすいツールとして、人気が高いです。

>Power Automate研修~Microsoft365活用の幅を広げる

>Power Apps基礎研修~ローコードで業務効率化アプリを開発する

「エンジニアを確保したい」を解決!~文系かつ未経験でもエンジニアになれる

民間企業では、DXを進めるためにデジタル人材の確保が急がれています。しかし、エンジニアとしてのスキルがある人材には人数に限りがあるため、今いる人材をエンジニアにする教育がトレンドとなっています。昨今では、文系出身のプログラミング未経験者であっても、Pythonなどのプログラミング言語やローコードノーコードのツールを使いこなす人材が増えています。また、生成AIを使って、プログラミングを代わりに書いてもらう方法も学習コストが最小限にできるため人気です。

>(初心者向け)Python学院~Excel自動化入門編(2日間)

>はじめての業務自動化研修~生成AIとPythonで1日1時間を生みだす

>kintone(キントーン)の使い方研修~1つのアプリを自身で作り上げる

中小企業向けDX教育を成功させる3つのコツ

このような事例から分かるように、DX・デジタル・生成AIの教育ニーズは年々高まっています。ただ、実際にDX教育を行う場合はツールの手配などの研修準備の面で、一般的なビジネススキル教育とは違う部分もあります。ここでは、DX・デジタル・生成AIの教育を何度も実施してきた研修会社の視点から、主催者として満足度を向上させるためのコツを3つお伝えします。

コツその1:研修の満足度は集客方法で決まる~研修のレベルを明示してミスマッチを無くす

研修の実施日が決まったら、事前にWebやチラシなどを用いて、広く集客を行う必要があります。このWebやチラシに掲載する情報として最も重要なのは、研修のレベル・ゴール・受講環境を明示することです。特にデジタルがテーマの場合、レベルが合っていないとミスマッチが起こり、満足度が下がるというケースが起きがちです。それを防ぐために、「初心者向け」「○○ができるようになる」「○○のアカウント必須」など、求められるITリテラシーのレベルや必要な環境を明示する、研修を受講してできるようになるこを示すことが必要です。弊社のWebページでは、全研修にこの必須項目を書いています。

参考:ChatGPTを活用したマクロ作成研修

コツその2:即実践に移せる研修でなければ意味がない~デジタルツールはとにかく触ることで使えるようになる

有益なデジタルツール研修にするには、「帰ってすぐ使えそうだ!」と思ってもらうことが重要です。座学だけの研修の場合、頭では理解できても、いざ使おうとするとどうすればいいのか分からず、これまでの業務内容を継続する方向に逆戻りしてしまい、「あの研修、あんまり役に立たなかったかも」と、受けただけになってしまうことがあります。そのために、すぐに実践できるような、とにかくツールを触って実践していく形式が望ましいです。実際に触る経験に加え、自分の業務と照らし合わせて活用場面を考え発表する機会を設けるなど、実務を見据えた形式での研修は満足度が高いです。

コツその3:受講者フォローがスキル定着の鍵!~DX教育にありがちな「レベル差による離脱」をサブ講師・相談会などで乗り越える

どれだけ集客の仕方を徹底しても受講生のITリテラシーや職場に戻った後の実践環境は少なからずバラつきが出てしまうものです。この影響を最小限にするために、研修中、研修後のフォロー体制が重要です。デジタル系のテーマでは、特にレベル差によって研修の進行から置いていかれる受講者、事前準備が出来ないまま当日参加してしまう受講者が出やすいです。そこで「15~20名に1人はサブ講師を付ける」「事前の環境準備に困ったとき頼れるヘルプデスクを設ける」「研修後に個別相談会を設ける」など主催者・受講者の両者が安心して研修を実施できる環境を整えることが重要です。

研修の悩み・人材教育をまるごと任せられるインソース~研修業務委託サービス

ここまですべてを網羅した研修準備にはかなりの労力がかかります。インソースでは、研修の企画から実施まで、これら全てをワンストップで支援する研修業務委託サービスを承っております。

多数の支援実績に加え、お客さまのご状況によって、当社にお任せいただく業務が選べるよう、3つの基本プランをご用意しております。もちろん、カスタマイズにてご提案させていただくことも可能です。

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