もう手作業には戻れない~プログラミング未経験でもPythonでExcel業務を自動化できます
業務の自動化はエンジニアしかできないと思っていませんか。プログラミング未経験の私も、「プログラムは難しそう」「今から勉強しても覚えられるとは思えない」と考えていました。
しかし、実際にPythonを学んでみると、たった1か月で、自力で自動化プログラムを作成することができました。
この経験を通じて実感したのは、プログラミング未経験でも、最初の段階でしっかりと基礎を学べば、自力で業務を自動化できるということです。初心者がつまずきやすいポイントや効率的なエラー解決方法を学ぶことで、スタートダッシュを切ることができ、学習のスピードがぐんと加速します。
私の体験が、かつての私と同じように「自分には無理かも」と感じている方の支えになればと思います。
Pythonでできること~繰り返し作業の自動化
当時、私は売上の分析業務をしていました。売上情報は1日ごとに分かれていたため、月間の売上を集計・分析するには、それらのデータを1つにまとめる必要がありました。
手作業でも集約できますが、時間がかかりますし、ミスがあればやり直しになります。そして何より退屈でした。
この単純な繰り返し作業を自動化できないか、そう思った時にPythonでExcelの転記作業を自動化できるということを知りました。
<「退屈な作業」こそ、「自動化」の大きなチャンス>
日々の業務における繰り返し作業の中には、Pythonで解決できる大きなヒントが隠されています。それは、単なる時間短縮に留まらず、業務の精度向上や、精神的な負担の軽減といった多角的な価値を生み出す可能性を秘めています。
プログラミング初心者が抱えるPythonへの期待と不安
初めは本当に自動化プログラムを作成できるのか不安でした。加えて、自作のプログラムに予期せぬエラーが発生し、大事なデータを消してしまわないかという恐怖もありました。しかし、業務を自動化するためにはやるしかないと思い、第一歩を踏み出しました。
まずは基本文法から
最初は四則演算やif文のような、Excelでもできる処理から勉強しました。使い慣れているExcelと似ているので、すっと頭に入ってきました。Excelのあの関数と同じことがPythonでもできるのだろうか、そんなことを考えているうちにPythonへの不安は徐々に薄れていきました。
<既存の知識と結びつけてみる>
プログラミング学習は、既に習得している知識や経験と関連付けることで、新たな分野への導入が格段に容易になります。身近なExcelとの共通点を探すことは、学習のハードルを下げる有効な手段です。
次はExcel自動操作に必要な知識の習得
基本文法が書けるようになってきたら、次は繰り返し処理やExcelの読み取り、書き込みなど、Excelを自動操作するために必要な知識を身につけていきました。
今まで繰り返し処理は1+1+1+......のようにずっと計算し続けることを指すものだと思っていました。そのため、どうやったらこの処理が自動化につながるのかイメージが湧いていませんでした。
しかし、実際にはもっと汎用的なもので、「次の行を読み取る」「次のファイルを開く」のように、特定の操作を繰り返すためのものだということが分かりました。この考え方を知ったことで、もしかしたらあの業務も自動化できるかもしれない、と考えられるようになっていきました。
<「構文」だけでなく「考え方」を理解する>
プログラミングは、単にコードの書き方を覚えるだけでなく、問題を順序立てて解決する論理的な思考(アルゴリズム)を身につけることが重要です。特に「繰り返し」の概念は、多くの業務自動化の核となります。具体的な業務フローに当てはめて考えることで、その応用力が理解できます。
いざ自動化
自動化に必要な知識を身につけたので、いよいよ目標だったExcelファイル集約プログラムに挑戦です。習った知識を総動員してプログラムを書き、実行してみると、恐れていた事態が発生します。エラーメッセージが表示されたのです。
一瞬ドキッとしましたが、冷静になってエラーメッセージを確認し、修正します。再度実行すると、またエラーが発生。その後、何度も何度もトライ&エラーを繰り返し、挫折しそうになりながらも、なんとかプログラムが完成させることができました。
手作業で1時間以上かかっていた集約作業が、ボタンを1つクリックしただけで、わずか数秒で完了しました。
<「エラー」は成長のための「ヒント」>
プログラミングにおけるエラーは、決して失敗ではありません。それは、プログラムの改善点や、あなたが学ぶべき新たな知識を教えてくれる「ヒント」のようなものです。エラーメッセージを読み解き、自力で解決を試みる力こそが、現場で本当に役立つ「問題解決能力」へと繋がり、プログラミングだけでなく、あらゆる業務におけるあなたの新たな武器となるでしょう。
もっと早く知りたかった~効率良い勉強方法
私の目標であるExcel操作の自動化は無事達成できました。しかし、1つだけ心残りがあります。それは、もっと早くPythonを使えるようになっていれば、もっと仕事を効率的に進められたのではないかということです。手作業で行っていた作業を1日でも早く減らし、他の業務に時間を割くことができたと思います。
私はエラー解決に苦戦し、完成まで1か月かかりました。プログラムが途中で止まってしまうたびに、何が原因か分からず、本を読み返しては何度も試行錯誤を繰り返しました。単純なタイプミスによるエラーで1週間悩んでしまったこともありました。
この経験から断言できます。プログラミング学習は、最初の段階で「つまずきやすいポイント」と「効率的なエラー解決方法」を知っているかどうかで、学習のスピードが格段に変わると。独学で時間をかけるよりも、要点を押さえた質の高い学びの場が、いかに重要であるかを痛感しました。
(初心者向け)Python学院~Excel自動化入門編(2日間)
Pythonを熟知している講師と一緒に、基本文法からExcel操作の自動化までを2日間で学べます。初心者がつまずきやすいポイントや、効率のいいエラー解決の方法を学べるので、Python学習の最初の2日間で受講しておくことで、今後のプログラム開発が段違いに早くなります。
さらに、20を超えるワークに取り組むことで、学んだ内容を徹底的にアウトプットし、業務でも活用できるレベルまで理解を深めることができます。
今からでも遅くはありません。私と同じように、単純な繰り返し作業から解放されるためにPythonを学んでみませんか。
受講者の声
- 稼働率の集計のみならず、収益予測分析等にも活用できそうだと思いました。プログラミングの基礎について改めて学ぶことが出来てよかったです。
- 業務においてプログラミングを活用し効率化につなげる。様々なExcelからデータを収集し集計表を作成したい。
セットでおすすめの研修・サービス
(半日研修)スクレイピング研修~Pythonによる情報収集とブラウザ操作
WEBブラウザを自動で操作するスクレイピングと、Excel操作自動化を組み合わせることで、PCのほとんどの作業を自動化できます。
定期的にWEBサイトにアクセスして競合他社の情報を調査してExcelに転記したり、Excelの情報を自社システムに入力したりしている方におすすめです。
(2時間研修)モダンExcel研修~操作実演でPower Query、Power Pivot、ダッシュボードを理解する
コラムではPythonを用いたExcel課題の解決方法をご紹介しましたが、実はExcelの新機能を活用することで、たとえば「日別に保存された売上ファイルを月単位に自動集計する」などの処理も、手軽に実現することが可能です。
現在ご利用中の「レガシーExcel」から、「モダンExcel」への移行を、この機会にご検討されてはいかがでしょうか。