研修を語る
2024/07/18更新
Python学院~Excel操作自動化編を語る
「非エンジニア」に特化したプログラミング研修
―Python(パイソン)というプログラミング言語は、耳慣れない方が多いかもしれません。C言語などと比べて初心者でも理解しやすいため、世界2位(※)の人気とのことですが、この研修では何を学べるのでしょうか
※参考:GitHub調査 https://octoverse.github.com/#geographical-distribution-of-active-users 最終アクセス 2022年6月2日
ひとことで申し上げますと、「非エンジニアの方に向けた、1日でプログラミングの初歩を学ぶ研修」です。通常のエンジニアになるためのプログラミング学習とは、性質の違う種類のものだと思っていただいてよいと思います。
―インソースには、プログラミングが業務でない非エンジニア職種を対象とした 「Python学院」 という同名の研修が複数あるようですが、その中でこの1日間の研修は、どのような立ち位置になるのですか
1日間研修がPython学院の中で最も日数の短いコースです。通常のプログラミング研修ですと1週間以上の長期間を想定される方が多いと思いますが、こちらは非エンジニアの方の最初のステップにしていただけるよう、気軽にトライできることを優先したカリキュラム構成です。
弊社が企画するPython学院には、2日間と5日間、応用編2日間、3カ月のスクール、そして新入社員向け2コースという、豊富なバリエーションがございます。その中でこの1日間研修は、事務職や営業職などプログラミングに無関係な仕事をされている方々が「プログラミングの勉強をしたこともないし知識もないけれど、基礎的なPythonを学んでみたい」という方を対象にしています。
―1日であれば、忙しい方でも参加しやすいですね。ちなみに、皆さんどんなきっかけで、この講座を受けてみようと思われるのですか
ご自身でスキルアップや興味のためにお申込みいただくこともありますが、多くの方は組織のDX推進活動がきっかけです。会社自体でIT活用をすすめていこうとしたとき、担当になる方がやはりある程度プログラミングの概念を理解しておかないといけないのではと、と思われ、勉強のために参加されるケースが多いです。
また、身の回りの業務を効率化したいという思いから、定型業務の自動化のために参加される方もいらっしゃいます。
Excelで関数が使えるなら、理解できるレベル
―受講者の企業規模や職種、階層などに共通点はありますでしょうか。年齢的にはやはり若い方のほうがITに強そうなイメージですが...
弊社のほうで受講の条件というものは特別設定しておりませんが、DX・業務の自動化を目指す企業であれば、ある程度の従業員数を抱えている状況であることがほとんどです。そのため、受講されるのも100名以上の企業規模の方が中心です。
職種に関しては、プログラミングの研修ですので、パソコンを用いてお仕事を行っている部署の方であれば、全般が対象となります。年齢はおっしゃる通り、ITやパソコンの操作に慣れ親しんだ、若い世代が比較的多い印象ですね。
―パソコン操作のレベルはどの程度が求められるでしょうか。プログラミングは未経験でも大丈夫とのことでしたが、それでも基本操作にはある程度慣れている必要がありますよね
そうですね、基本的なExcelの操作ができる方を対象としております。単純に入力するだけでなく、普段からご自身で簡単な関数などを組んでお使いになっていたり、会社で標準的に使用しているMicrosoft officeなど以外に、ご自分で動画編集などのソフトを活用なさったり、といったレベルを想定いただけるとよろしいかと思います。
1日という短い時間ですので、その間に目指しているゴールまで達していただかないといけません。そのため、基本操作がわからないという場合、途中で理解の差が出てくるので、研修中だけでかなり頑張っていただかないといけない感じになると思われます。現在は似た内容をゆっくり学んでいただく2日間の研修や動画もご用意しておりますので、ご不安な方にはこちらがおすすめです。
―事前準備も必要ですね。ガイドを理解して自分でソフトをインストールできるくらいのレベルでないと、難しいかなと感じました。もし全くパソコンが初心者の場合は、初級OAの研修などから始められた方がよいでしょうね
昨今はほとんどの方がExcelやWordといった基本的なビジネス用ソフトをお使いですから、そう問題はないかと思います。後はPythonの他に、Jupyter NotebookなどをインストールしたPC端末が必要になりますが、そこだけクリアしていただければ大丈夫です。
初級プログラミングとIT活用の知識を習得できる
―この1日間の研修を受けた後、どのようなスキルや知識が身につくのかを教えてください。非エンジニアが日々の業務で実践できる、プログラミングの活用法に興味があります
大きく分けて2つあります。まずはスキル的な部分で、この研修のメインテーマであるExcelの自動操作が一番に挙げられます。具体的には、Pythonによる初歩プログラミングで代表的な「Excelの転記」でしょうか。 PythonでExcelのデータを読み込み、それを別のExcelに書き写すことができます。こちらを使いこなせるとかなり便利で、業務が楽になります。
―手動でコツコツとデータのコピー&ペーストをやっているような方であれば、救いの神みたいな便利さですね
ふたつ目は、ITを活用する知識です。プログラミングを実際に体験してみることで「システムはこのように動いているのか」を理解していただけ、それが様々な場面で活用されていくのです。
特に、企業でDXを実行するための担当者であるならば、自身でプログラムを作るか作らないにかかわらず、社内のエンジニアや外注のベンダーと話す機会が増えてきます。そのような際に、プログラミングに関する意思の疎通がスムーズになることだけでも、プラスになるのではないでしょうか。
―初歩のプログラミングはもちろん、エンジニアとコミュニケーションが取りやすくなるのは助かります。その他に、この研修におけるインソースの強みがあるとしたら、どの辺りになりますか
世の中には多くのIT系スキル向上の研修がありますが、そのほとんどがエンジニアや、これから本格的にプログラミングを学びたい人たちのために設計されています。その点、私どもが企画するPython学院の1日間研修は、非エンジニア対象に特化したプログラムであり、受講後にプログラミング以外の業務でも学んだことを活用できるようにということを想定しているのが他社コンテンツにはない魅力だと自負しています。
もちろん、長期間を費やす本格的なプログラミング研修を、DX担当者が受講してもいいのですが、その場合にゴール地点が見えない状況に陥ることがしばしばあります。エンジニアとして働くのであれば、修得した内容を業務でいくらでも使えますが、非エンジニアの場合は「これを何にどのように使うのか」がわからなくなることが多いからです。
―それは納得です。頑張って高度なスキルを身につけても、自分の業務に活かしどころがないですよね。一般的な職種なら、かえって「Pythonで少し便利になった」くらいのほうが現場で役立つ気がします
そうですよね。ですからこの研修ではExcelの自動化やデータの転記など、事務や営業の方が身の周りの業務で活かせるスキルを、1日で覚えて帰っていただけるボリュームに絞り込んでいます。「プログラミングはこういう仕組みでできている、日々着手しているExcelでの業務はこんな風に改善できる」ということを、しっかり理解していただけます。
―時間的にも、何週間もかけて勉強する時間がない人が多いと思いますので、必要なところだけ教えてもらえるほうが都合がいいですね
はい、本気でエンジニアになるつもりでないから、目の前にある業務が便利になる、必要なポイントだけ習えば十分という方がほとんどです。この研修では、現場で困らないための「エラー解決」もワークに組み入れていますので、実用性はとても高いと思っています。
―エラー解決も、プログラミングをするうえでは重要なのでしょうか
エンジニアの場合は周囲もみんなITの専門ですから、エラーや不明点は同僚に聞けますが、普通のオフィスで働く非エンジニアだと自力で解決するよりほかありません。しかしその方法を探し出せなければ、「分からないからもういいや」と諦めてしまいます。そうならないために、現場で出くわすであろうエラーを想定して、ワークで解決にトライいただくのです。
学ぶだけでなく、「活用する」ことがゴール
―この研修で、最も重きを置いている部分はどこでしょうか
実際に作業をしていただくという点から考えると、第4章のExcel自動操作になるかと思います。そこまでの講義で学んだアルゴリズムの知識やプログラミングの基本操作を活かして、実業務に近い事例を学んでいただく部分です。また、ワークの中にはプログラムに潜んだエラーを探し出すものもあります。
―実業務に近い事例とは、実践編で取り上げられている「顧客名簿に載っている顧客へのはがきDM自動作成」や「複数ファイルに散らばっているデータを1つのファイルにまとめる」などですね。確かにどこの組織でもあり得る、実用的な例だと思います。この第4章をしっかり理解できると、組織全体の業務効率化が大幅に進みそうです
そして第5章と第6章では、第4章の内容に加えて、Excelの自動操作以外にもPythonを用いるとこんなこともできるという、多様な事例や使い方をご紹介しています。それらも今後の業務改善のヒントとして、参考にしていただけるのではないでしょうか。
―この研修にはたくさんのワークが盛り込まれていますが、その中で最も「これは実務に役立つ」という演習がありましたら教えてください
第7章は、現場でPythonを活用するためにというテーマです。自組織内で自動化できそうな業務の洗い出しとPythonの活用プランを作成するという、ふたつのワークに取り組んでいただきます。ここでは自組織で有効に活用できるアイデアを出してもらいますが、それらは実際の業務改善に直結しますので、効果が高いと思います。
また、先ほどご紹介した「プログラムに潜んだエラーを探し出す」ワークも独自性が高く、現場で活用できるスキルが身につきます。繰り返しになりますが、この講座は学んで終わりではなく、職場での具体的なアクションプランまで考えられるようになることを目指しています。
―活用までをサポートしてもらえるのは心強いです。ところでほとんどの方はプログラミングが初体験だと思いますが、1日でどれくらい、所属組織での業務で「使える」レベルに到達できるものでしょうか
1日だけの研修ですから、プログラミングのスキルが本職並みに身につくわけではありません。DX担当者となる方がこの研修を受けた後、最も役立つのは自動化のイメージを具体的に持てるようになることだと思います。
例えば、それまでは自分たちの人力でやるしかないと思っていた業務に「これは自動化できるのでは?」と気づいて、アイデアとして出せるようになるだけでも、会社全体の効率化を一気にスピードアップできます。
―アイデアまでたどり着ければ、プログラミングの部分に関してはプロの方に任せることもできますね
その通りです。実際、エンジニアの方もゼロからシステムを作ることは稀で、サンプルを下敷きにしてオリジナルを作っていくわけですから、「これをこんなふうにアレンジして欲しい」という発注ができるようになれば十分だと思います。
また、ご自身でプログラミングをするにしても、この研修で習得したものを元に、ご自分の環境で動くように少し手を加えるなどで活用いただけているようです。
「意外とカンタンでした」というお声が圧倒的に多い
―研修が終わった後に、受講者からはどんな感想が聞かれますか
「早速やってみました」というご報告をよくお聞きし、とても嬉しいです。経理業務の効率化ですとか、時間がかかっていた業務をPythonで自動化された方もいらっしゃいます。しかし、多く寄せられるお声はITに対する考え方についてです。これは自動化できそうだということを、業務の中から拾い出して、DXを推進しておられる方が大半だと思います。
―研修の最終目的である「活用する」が実現した形ですね。たった1日の研修で、それが達成できるのは素晴らしいです
この他、弊社では新入社員向けのPython研修もご用意しています。こちらも非エンジニア向けで、営業や事務の方を対象にしていますが、課題解決に対するスキルが向上すると好評です。プログラミングは順序立てて情報の抜けがないように構築していく作業ですから、実業務で同様の考えが求められる部分をシミュレーションできる絶好の機会になるのではないでしょうか。
―プログラミング初体験で腰が退けていた方も、きっと受けてよかったと思っていらっしゃるのではないでしょうか
はい、「思ったよりカンタンでした」という感想をうかがうことが大変多いです。プログラミングは難しい、理系人材がやるものというイメージが払拭できたという方も少なくないので、安心して受講いただきたいと思います。
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