パワークエリでできること~Excelの面倒な繰り返し作業を自動化して時短する
Excelを使った業務で、次のような経験はありませんか?
「毎回同じ手順でデータを整形している」
「CSVファイルを加工して報告資料を作るのに時間がかかる」
「複数のデータをまとめる作業にミスが多い」
フィルタをかけ、列を削除し、結合して...日々の業務でこうした作業が繰り返されているケースは多く見られます。
そうしたデータの「整形」や「結合」を自動化し、Excel業務の生産性と正確性を飛躍的に高めてくれるのがパワークエリです。パワークエリを使いこなせば、これまで何時間もかかっていた作業が格段に効率化されます。
パワークエリがExcel作業を劇的に効率化する理由
パワークエリは、日々のExcel業務におけるデータ処理の悩みを解決するための強力なツールです。具体的にどのようなことができるのか、業務にどう活かせるのかを紹介します。
複数ファイルの一括処理や、異なるデータソースの統合も自在
パワークエリの最大の強みの一つは、複数ファイルの一括処理や異なるデータソースの統合が可能な点です。
・フォルダ内の複数ファイルの一括読み込み・統合
例えば、毎月届く売上データが日付ごとに別々のファイルになっている場合でも、それらを一つずつ開いてコピー&ペーストする手間がなくなります。パワークエリを使えば、指定したフォルダ内のファイルを一括で読み込み、自動的に結合してくれます。
・異なる形式のデータを統合処理
CSVファイル、Excelブック、Webサイト上のデータ、データベースなど、形式の異なるデータをパワークエリ上で統合し、必要な形に加工できます。これにより、これまでバラバラだった情報をまとめて分析できるようになります。
繰り返しのデータ整形作業の自動化
手作業で行っていた「不要な列の削除」「データのフィルタリング」「複数テーブルの結合」などのデータ整形作業も、パワークエリで自動化できます。一度処理の手順を設定すれば、その手順は「クエリ」として保存されます。
これにより、手作業で数時間かかるようなデータ加工作業でも、わずか数秒で完了するようになります。
最新情報の自動更新で「手直し」を不要に
パワークエリで作成したクエリは、データソースが更新されるたびに「更新」ボタンを押すだけで、最新の情報に自動的に適用されます。
例えば、新しい月の売上データが追加された場合でも、手作業で加工し直す必要はありません。パワークエリが自動的に最新のデータを取り込み、設定した整形処理を再現してくれるため、常に最新の状態を維持できます。
分析・グラフ作成までがスムーズに
パワークエリで整えたデータは、すぐにピボットテーブルやグラフに反映できる形式になっているため、分析や可視化のステップにそのまま進むことができます。
これまで、
「データを整える」→「コピー&ペースト」→「ピボットで集計」→「グラフで見せる」
といったように、複数の手作業を重ねていた工程が、1度クエリを作るだけで「ボタン1つの業務」になります。
たとえば、売上データの整形から部門別グラフの作成までが一気にできるようになり、報告資料づくりのスピードと精度が格段に向上します。ミスや手戻りも減り、空いた時間を「分析や意思決定」に使えるようになるのは、業務の質を高めるうえでも大きなポイントです。
パワークエリのデメリット~便利な反面、こんな落とし穴も
パワークエリは非常に強力なツールですが、誰にでも直感的に使いこなせるとは限りません。
- UIが他のExcel機能と異なるため、最初は戸惑いやすい
- 「ステップの順序」や「リレーション」など、考え方にクセがある
- 作業内容が自動化される反面、「なぜそうなるのか」が見えにくくなる
結果として、「使ってみたけれど、うまく動かない」「間違った処理に気づきにくい」という声も少なくありません。独学でやろうとして途中で挫折した、というケースも多々あるかと思います。
だからこそ、最初に基本をしっかり学ぶことが大切です。パワークエリの仕組みや操作のコツをつかめば、Excel作業はもっとラクに、もっと正確にできるようになります。
また、パワークエリは1人だけで使うよりも、組織内でシェア・横展開することでさらなる効果を発揮します。そのためチーム内に数名、パワークエリを理解している方がいる状態を目指すことが理想です。
速習!中級者向けExcel研修~パワークエリを用いたデータの取込みと整形編(半日研修)
本研修では、実際にExcelを操作しながら、パワークエリの基本的な使い方と、リレーショナルデータベースの基礎を学びます。
データを読む力はビジネスパーソンにとって必須のものですが、これからは自分で「データを扱い、整える力」がより重要になってきます。この研修では、単なる機能解説だけでなく、実務での活用場面をイメージしやすく解説していきます。
<実務への活用例>
- VLOOKUP関数で整形していたデータをクエリで作業することで、データ容量の軽減、作業の効率化につなげる
- 多様なデータの集計にマクロやピボットを使っていたが、パワークエリを使うことで、貼りつけミスなどの事務リスクを削減し、チェック作業の省力化が可能になる
受講者の声
- フォルダ内のファイルを一括してマージするやり方は何かに使えそうだと思いました。普段多数の数値情報を扱っているため、データ処理をする際にうまく活用していきます
- データをまとめたいときに積極的に使用していきたいと思います。KPIなどを作成するにあたり、積みあげていくデータを作成するのが楽になりそうです
- 複数のデータベースからダウンロードしたデータをExcelでまとめる作業をしているため、まさに知りたい内容の研修でした。今回、基本的な使い方を学んだので、今後は日々の業務に応用していきたいと思います
- すでに構築されているパワークエリを使用したことはありましたが、自分で構築をしたことはなかったため、体系立てて基礎から学べたことは有意義でした
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モダンExcel研修~操作実演でPower Query、Power Pivot、ダッシュボードを理解する(2時間研修)
本研修では、「モダンExcel」と呼ばれる、パワークエリとパワーピボットを用いたExcelでできることを2時間で学びます。組織内のデータを扱う立場の方や、その方々に指示を出す上席の方におすすめの研修です。
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本研修では、羅列された数字・事象を、手軽に意味ある情報に変換できる「ピボットテーブル」の使い方を学ぶ研修です。データの加工、分析スキルを習得し、社内にあるデータを「情報」として活用できるようになることを目指します。
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