2023年10月02日
リスキリングは、新たな事業や成長分野に必要なスキルの習得を指しています。これからの時代に、企業は従業員一人一人の価値を高め、社会との競争力を高めていく必要があるため、リスキリングが注目されています。
この記事では、企業がリスキリングを導入するメリットや、効果的な進め方について解説します。
リスキリングとは、能力を再開発することを意味しています。新しい職業に就くためや、現職場において必要とされるスキルの変化に適応するために、スキルを再取得する、あるいは取得させることです。とくにデジタル化に適応するためのスキルを習得する意味合いが強く、日本政府もリスキリングを推奨しています。
目まぐるしく変化する社会に適応していくには、従業員も新しいスキルを再習得しなければなりません。リスキリングが注目されるようになった背景をみていきます。
労働人口の減少が加速
労働人口の減少が加速し問題視されていますが、その解決策とされているのが、業務の多様化や効率化です。従業員が新たにスキルを保有することで、新しい業務を担うことができ、労働力不足の問題を緩和できます。
コロナ禍で働き方が変化
コロナ禍によって、リモートワークやオンライン会議など、働き方が大きく変わったことも影響しています。これまで当たり前だった紙媒体での資料のやりとりや領収書の提出など、手動での業務を非効率的に感じるようになり、DX化の必要が迫られるようになったこともひとつの理由です。
政府がリスキリング支援を開始
リスキリングは日本政府によっても推進が図られており、助成金により支援する制度もあります。企業が新事業を立ち上げる際に、必要となる知識のために従業員の学習を実施した場合、その訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
リスキリングを導入することでの企業のメリットをご紹介します。
従業員のスキルアップにつながる
既存の従業員がスキルアップすることで、一人一人の人材価値が高まり、アイデアの創出力や問題解決能力などが高い従業員を育成することが期待できます。従業員の能力が上がり、連動して評価や待遇も向上すれば、従業員のモチベーションにもつながるでしょう。
業務効率化につながる
業務のデジタル化が促進され、業務効率につながります。従業員の中には、デジタルスキルがなく従来の手法から変更することに抵抗があると感じている方も多くいます。リスキリングによりスキルアップすることで、デジタル化への理解が深まり必要性を認識することができます。
DX人材の確保につながる
労働人口も減少しており、必要とされる人材は他企業との競争率が高くなり人件費も高騰、採用活動が難航することが予想されます。リスキリングを導入すれば、既存の従業員のスキルアップを図り、DX人材の育成・確保につながります。
リスキングで学ぶべきスキルは主に下記が挙げられます。
・ITスキル
デジタル化やオンライン化の進化に適応するためには、基本となるIT知識は持っておいたほうがよいでしょう。専門の技術者の育成とは別に、従業員全体の知識レベルが上がることで、必要性への理解が深まります。
・プログラミングスキル
従業員が、プログラミング技術を習得できれば自社開発もできるようになり、顧客ニーズに対応しやすくなります。外注に依頼するよりも時間を短縮でき、社内にノウハウを蓄積できるようになります。
・データ分析スキル
AIやIT技術が進歩し、膨大なデータを収集することが可能となりました。データを扱うには分析スキルが必要となります。経営や営業、人事業務などにデータを活用できれば、課題解決や新たなアイデア創出などに役立ちます。
・マーケティングスキル
マーケティングには、顧客ニーズや市場動向の把握、企画立案やプレゼンテーションなどさまざまなスキルが求められます。近年ではとくにデジタルマーケティングの領域が重視され、スキルアップによって効果的な戦略などの考案につながります。
リスキリングは必要なスキルを習得し、実践で役立てることが目的です。リスキリングの効果的な進め方について解説します。
自社の現状を把握する
まずは自社の現状を把握することが大切です。企業ビジョンや市場などから、企業が目指す方向性やそれに伴う必要なスキルを抽出します。
社員のスキルを可視化・共有する
リスキリングの効果的な進め方では、従業員が各自保有するスキルを把握することも大切です。自社の現状を把握し、従業員のスキルを照らし合わせることで、足りないスキルが明確になります。
学習のテーマを決定する
自社の現状と、従業員の保有スキルのレベルを比較し、プログラミング力やデータ分析力など、足りないスキルを補うための学習テーマを決定させます。
学習環境を整える
リスキリングは働きながら学習していくため、従業員の負担を軽減し効率よく学べるような学習環境が必要です。学習時間の管理や、教材ツールの導入など企業側もバックアップします。テーマに沿って効率よく学べるよう、社内での勉強会やOJT、講師を招いての講習会実施や外部研修への参加、eラーニングや書籍などでの独学などさまざまな方法を検討します。
学習後の実践の場を設ける
リスキリングにて習得したスキルや知識を、業務で活用できるよう実践の場を設けます。新事業でのトライアルや成果物の作成などを行い、効果を確認しましょう。
リスキリングを導入する際の注意点について解説します。
目標の設定と評価を行う
従業員自ら目標を設定し、適正な評価を行う仕組み作りが必要です。適性や意思などをもとに自ら望んで学習することでモチベーションもアップし、結果につながりやすいです。リスキリングはやらされ感があると効果は少ないでしょう。
企業が主体になり取り組む
業務時間内にリスキリングの時間を確保する、チーム全体で学習の機会を設けるなど、企業が主体となり取り組み、従業員を全面的にバックアップしていく必要があります。
継続して取り組める仕組みを築く
リスキリングは継続して学び続けることで、従業員と企業の成長につながります。評価制度や社内ルール、従業員のケアなど、仕組みを築いて継続できる体制が必要不可欠です。リスキリングを導入するには、従業員の教育にかかる経費はもちろん、学習時間の確保のために生産性が一時的に落ちる可能性もあるため、問題なく学習に取り組めるようフォローする必要があります。長期的な予算計画が必要になるでしょう。
リスキリングが重要視される理由は、社会環境や市場ニーズの変化が大きく、企業が適応して競争の優位性を持つ必要があるからです。また企業だけでなく、従業員側も企業から必要とされる人材になるために学習し続ける必要があります。リスキリングは企業と従業員の双方にとって、重要な要素となるでしょう。
配信元:日本人材ニュース
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