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デジタル時代を生き抜く自己管理力~法律と倫理を味方にモラル意識を高める

デジタル技術の急速な発展と生成AIの登場により、私たちが知識や先人の知恵にアクセスするハードルが大きく下がりました。

また、変化のスピードが著しく、各組織とも、前例踏襲では生き残れない時代になっています。これにより、これまでの「上意下達」を基本としたピラミッド型組織から、個々人が自由に考え判断し行動できる「フラット型組織」へと、組織形態の変化が進んでいます。

フラット型組織では、メンバー一人ひとりが平等に情報を得て自律的に動くため、指示を待つのではなく自ら判断し行動することが求められます。そのため、従来以上に高い自己管理能力が不可欠となっています。

本コラムでは、デジタル時代に必要とされる自己管理能力と、その背景にある法律・倫理面の重要性を解説し、実際に意識すべきポイントをお伝えします。

デジタル時代に必要な自己管理能力の3つの要素

まずは、デジタル時代に求められる自己管理能力の主な要素を3つに分けて整理します。

1.法律知識と高いモラル意識によるコンプライアンス遵守

デジタル社会では、生成AIで作成したコンテンツが著作権を侵害したり、SNSを通じて個人情報が漏えいしたりといったリスクが増えています。これらのリスクを回避するには、法律に関する基礎知識と倫理観を持ち、情報を適切に扱う力が不可欠です。

2.責任や権限が明確でない仕事でも、自律的に対応できる力

フラット型組織では、業務の範囲や責任が明確でないこともあります。そんなときでも組織のパーパス(存在意義)を理解し、自分事として取り組む姿勢が求められます。

3.困難な状況でも自己効力感を持って乗り越える力

変化の激しい環境下で困難に直面した際、自分の能力に対する健全な自信を持ち、前向きに問題解決へ取り組めることが重要です。

なぜ法律知識と倫理観が特に重要か

特に注意したいのが「法律知識や倫理観に基づくコンプライアンス遵守」の力です。生成AIの活用が広まる中で、知らず知らずのうちに著作権や個人情報保護法に抵触する可能性があります。例えば、AIが作成した画像や文章が他者の権利を侵害してしまうケースも報告されています。

また、SNSでの情報発信は迅速かつ広範囲に拡散されるため、一度のミスが企業や個人の信用に大きなダメージを与えることもあります。そのため、日頃からデジタル関連の法律や規則を理解し、倫理観を持って情報発信や共有を行うことが求められます。

自己管理力向上のための具体的な実施事項

ここからは、日々の業務や自己研鑽の中で取り組みやすい自己管理向上のための具体的な行動例をご紹介します。

法律・倫理の理解と意識向上

  • 最新の情報セキュリティや個人情報保護に関する法令を定期的に学ぶ
  • 社内規定やコンプライアンスに関する研修を積極的に受講する
  • SNSやデジタルツールの利用に際しては、慎重に発言や投稿内容を確認する

自律的な行動力の強化

  • 業務範囲が不明確な課題にも積極的に取り組み、組織の目的に照らして判断をする習慣をつける
  • 定期的に自身の役割や目標を見直し、自ら設定・調整を行う
  • チームメンバーや上司と積極的にコミュニケーションを取り、情報共有や協力を図る

困難を乗り越える自己効力感の醸成

  • 過去の成功体験を振り返り、自信を持つ材料とする
  • 小さな成功体験を積み重ね、自己効力感を育てるための目標を設定する
  • 課題に直面した際は、一人で抱え込まず適切に相談・支援を求める

デジタル時代の組織は変化の速度が速く、これまでのような指示待ちの働き方では通用しません。法律や倫理観に基づきコンプライアンスを遵守しつつ、自律的に考え行動できる自己管理能力は、個人の成長だけでなく、組織の持続的な成長にもつながります。

これからの時代を勝ち抜くために、まずは今回ご紹介したポイントを日々の業務に取り入れてみてはいかがでしょうか。

(半日研修)デジタル時代のモラル意識醸成研修~倫理的・法的・社会的観点から考える

デジタル時代において、改めて個人や組織のモラルの在り方が問われています。

モラルに欠ける言動をとった場合、どのような影響があるのか、ELSI(新しい技術を社会に導入する際に生じるあらゆる課題を含み、倫理的・法的・社会的課題)の観点から考えます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • ソーシャルメディアによる炎上が不安である
  • コンプライアンス違反による自身や組織への影響を再認識してほしい
  • 情報モラルの意識を高め、組織のコンプライアンス強化につなげたい

本研修の目標

  • SNSやデジタル情報を扱ううえでのモラルと法律について再確認する
  • 組織人としての倫理的な判断基準を習得する
  • コンプライアンス違反による組織へのリスクや社会的影響を理解する

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情報セキュリティ研修~身近な事例から社内リスクを抑制する

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本研修は経済産業省のDXリテラシー標準におけるHow(データ・技術の活用)の学習項目「セキュリティ」に準拠し、身近なところからセキュリティ対策ができるよう企画しました。

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