インソース マーケティング&デザイン室

初心者でもできるコンサル資料の作り方~情報収集テクニック・顧客視点のコツ・失敗回避方法の実践ガイド

  • 顧客の現場を理解するための情報が不足し、提案の軸が定まらない
  • ヒアリング対象が限られ、意思決定の背景が見えずに不安になる
  • 短期間で説得力ある資料を仕上げる方法がわからず、手が止まってしまう

新人のコンサルタントが資料作成に不安を抱える場面は多くあります。求められるのは、顧客の現状を正しく捉え、短期間で説得力のある提案に仕上げることです。

この記事では、最初の1~2週間で進めるべき情報収集、顧客と一体化するための思考手順、やってはいけないことの回避法まで、実務に直結する具体策を示します。読み進めるだけで、案件で使える手順がわかるよう整理しました。

最初の1~2週間でやる情報収集3ステップ

顧客の実態を正しく把握するためには、最初の1~2週間での情報収集が鍵となります。特にヒアリングは、視点の偏りを避けるために役割を分けて行うことが重要です。

1.顧客ヒアリングは最低5名、役割を分けて聞く

最初の1~2週間は、顧客の現場に触れることを最優先にします。最低5名を目安に、役割が異なる方へ意見を求めます。意思決定者、実務担当、周辺部門、バックオフィス、外部顧客対応など、視点が重ならないよう設計します。目的は不満の列挙ではなく、現状の業務の流れ、意思決定の基準、制約条件、成功時のパターンを抽出することです。

2.公表資料は「定義」「基準」「過去推移」の3点を押さえる

公表資料からは、定義、基準、過去推移の3点を押さえます。定義は社内用語と照合し、不一致があれば早期に調整します。基準は法令やガイドラインに紐付け、提案根拠に活用します。過去推移は3年程度のトレンドを確認し、季節性や外部要因を見極めます。数字は必ず元出典に遡り、算出方法を明示します。二次情報だけで結論を出さないことが重要です。

3.ニュースと一次情報のトラッキング方法

関連するニュースと一次情報を継続的に追います。頻度は毎日が理想です。変更可能性が高い項目を監視対象に設定し、影響範囲をメモします。顧客の決定に直結するシステム障害、規制改定、主要取引先の動向は即時に共有します。重要度の低い話題は週次で整理し、資料の脚注に留めます。

顧客と一体化するための思考フレーム

顧客に響く提案を作るためには、数字や事実だけでなく、顧客の価値観や判断基準を理解することが欠かせません。そのために有効なのが、顧客の思考を整理するフレームです。

顧客の「重要」「不安」「誇り」「常識」を言語化する

顧客が重要と考える指標、不安の源、誇りの根拠、現場の常識を短文で定義します。抽象語ではなく具体語で記述し、誰が読んでも同じ意味に解釈できるようにします。優先順位を付け、提案の焦点をぶらさないことが大切です。

資料の提出先が上司に誉められる状態を定義する

提出先が上司から評価される場面を、できるだけ具体的に想像します。たとえば、次のような言葉を上司からかけられる状況を思い浮かべてください。

  • 「なぜ収益やコストが削減できるのか、その理由を明確に示してくれてありがとう」
  • 「短期間に、当社の収益を拡大し、コストを削減する行動計画を作ってくれた。助かるよ」
  • 「こんなに簡単な手段で実現できるとは思わなかった。ありがとう」
  • 「説明が非常にわかりやすく、すぐ理解できたよ。感謝する」
  • 「この案なら社内を説得できる。既存のロジックを大きく変えなくて済むのがいい」

このような評価を得るためには、資料の構成に次の要素を必ず盛り込みます。

  • 収益やコスト改善の理由を因果で説明する
  • 短期間で実行可能な計画を時系列で示す
  • 手段は簡潔で再現性があることを明記する
  • 説明は誰が読んでも理解できるレベルに整理する
  • 社内ロジックとの整合性を担保し、反論への回答を含める

こうした基準を先に定義しておくことで、資料の軸がぶれず、顧客が「この提案なら社内で通る」と確信できる内容に仕上がります。

資料作成で避けるべき3つの落とし穴と回避法

資料作成で失敗しないためには、避けるべき落とし穴を知っておくことが重要です。特に新人のうちは、時間をかけた努力やテンプレートの使い方が逆効果になることがあります。

落とし穴1:同じ内容のテンプレートで済ませてしまう

現状分析が不足した資料は価値がありません。必ず顧客固有の制約と優先順位を反映し、汎用表現を削ります。テンプレートは骨組みに留めます。

落とし穴2:自分の評価を過度に意識してしまう

評価を気にしすぎると顧客視点を失います。提出先の評価基準を先に定義し、それに合致する構成に集中します。過度な調査の量で安心しないことが重要です。

落とし穴3:努力に執着して汗を中心に据えてしまう

投入した手数を成果の中心に置かないよう注意します。効果が高い施策を選び、不要な作業は排除します。手段の見直しを定期的に行い、執着を避けます。

落とし穴を回避し、成果を早めるレビューの段取り

最初のドラフトを5営業日以内に作成し、提出先の期待と差分を確認します。レビューは3回を上限に設定し、各回で修正範囲を明確にします。決裁者の閲覧タイミングを早期に確保し、承認のリードタイムを逆算します。メールよりも短時間の打合せを組み、論点を絞って議論します。

【コンサルタント養成シリーズ】「資料化する力」養成研修

顧客の課題解決はもちろんのこと、社内の業務改善や新規事業開発などのプロジェクトに関わる際にもコンサルティングスキルが求められます。中でも資料作成スキルは基本中の基本として必要不可欠であり、コンサルタントの仕事の実に8割に及ぶといわれるほどです。

研修では、PowerPointを使い、図・表・グラフを活用してわかりやすい資料を作ることに焦点を当ててお伝えします。

本研修のゴール

  1. PowerPointでの資料構成のポイントを理解する
  2. 適切に表やグラフの形式を選択し、作成することができる
  3. 矢印やブロックなどの図解をどのように使い分けたらよいかわかる

よくあるお悩み・ニーズ

  • 目的に合わせてどのように資料を構成すればいいか知りたい
  • 表やグラフの適切な使い方がわからない
  • 図解の効果的な使い方を知りたい

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セットでおすすめの研修・サービス

情報活用力養成研修~情報の収集・整理・分析編

本研修は、現在抱えている課題について対策を考える時に、情報をどのように活用すれば良いのか、が分かる研修です。

まず仮説を立てることの重要性を認識していただきます。そのうえで、その仮説に沿って必要な情報を収集し、集めた情報を精査・分析する方法を学びます。最後に、分析結果をもとにした対策の立案ができるようになっていただきます。

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(若手向け)ロジカルシンキング研修~情報を整理し、結論を導く

時間や人員が限られる中、若手には早期に自主的に行動することが求められています。自主的に行動することは、指示された内容や情報を整理し、自身で意見や結論をまとめ、相手にわかりやすく伝えること(=論理的思考力の習得)を指します。

本研修では、論理的思考力を鍛えるべく、ロジカルシンキングのフレームを用い、「いつ・どのように考えるべきなのか」を理解していただきます。若手でもわかりやすいよう、具体的な仕事の場面のケースに沿って、考えていただきます。

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【コンサルタント養成シリーズ】「調査する力」養成研修

顧客の課題解決はもちろんのこと、社内の業務改善や新規事業開発などのプロジェクトにかかわる際にもコンサルティングスキルが求められます。

コンサルティングの初期段階、現状把握のプロセスで不可欠な調査に関するスキルを身につけていただく研修です。本研修では、実施頻度の高い「ヒアリング」と「アンケート調査」に焦点を当てて、準備の進め方や実施に当たっての留意点などを学んでいただきます。

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