今、渇望される「ネオゼネラリスト」とは~AIがもたらした専門知識の民主化の先にあるもの

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近年、「育てたい人材像」が大きく変化している
近年、お客さまとお話しする中で、「育てたい人材像」が大きく変化していることを実感しています。数年前まで、多くの企業が「デジタル人材」や「データサイエンティスト」といった専門性の高い人材の獲得・育成に注力されていました。しかし、ここ1~2年で潮目が変わり、再び「ゼネラリスト」を求める声が高まってきています。
ただし、それは従来型の「何でもできる人」のイメージではなく、幅広いスキルをもって新たな価値を構想できる「ネオゼネラリスト」とも呼ぶべき人材です。本コラムでは、この変化の背景と、ネオゼネラリストを育成するための具体的なアプローチについて解説します。
専門知識の民主化がもたらした人材育成の転換点
スペシャリスト志向からゼネラリスト志向への回帰。この背景には、生成AIの急速な浸透による、「専門知識の民主化」があると考えられます。
かつて、高度な専門知識やスキルは一部の人材だけが持つ貴重な資産でした。しかし、生成AIの登場により、専門的なコーディング、データ分析、文書作成、さらには企画立案に至るまで、誰もが一定レベルのアウトプットを出せるようになりました。つまり、専門知識そのものの希少価値が相対的に低下し、ある意味で「陳腐化」が進んでいるのです。
こうした環境変化の中で、企業が真に必要としているのは、単一領域の深い専門性よりも、複数の領域を横断し、異なるリソースを組み合わせて新たな価値を生み出せる人材です。専門領域については生成AIに任せられることが増えた今、人間に求められるのは、「何を実現するか」を構想する力なのです。
従来型ゼネラリストとネオゼネラリストの違い
では、従来型のゼネラリストと、今求められているネオゼネラリストでは何が違うのでしょうか。
従来型のゼネラリストは、「何でもそこそこできる便利な人材」というイメージでした。様々な部署を経験し、社内調整に長け、組織運営の潤滑油として機能する。確かに重要な役割ですが、既存の枠組みの中で物事を進めることを前提とした役回りでした。
一方、ネオゼネラリストは「幅広いスキルをもって構想できる人材」です。イメージとしては「商社マン」が近いかもしれません。既存事業の延長線上に成長を探るのではなく、プロデューサー視点で異なる業界、異なる技術、異なる組織のリソースを組み合わせ、まったく新しいスキームを作り上げる。そこには、深い洞察力、幅広い知識、行動力、そして何より「新しいものを生み出そう」という創造的姿勢が求められます。
| 比較軸 | 従来型ゼネラリスト | ネオゼネラリスト |
|---|---|---|
| 役割のイメージ | 何でもそこそこできる「便利な人材」 | 幅広いスキルで価値を創る「構想する人材」 |
| 組織での機能 | 組織運営の潤滑油、社内調整 | 新しいスキームのプロデューサー |
| 活動領域 | 既存の枠組み・事業の延長線上 | 異なる業界・技術・組織の掛け合わせ |
| マインドセット | 受動的・管理重視 | 創造的・変革重視 |
ネオゼネラリスト育成の具体的アプローチ
ネオゼネラリストを育てるには、学習機会の設計から経験の積ませ方まで、組織的な取り組みが欠かせません。
幅広い知識・スキルの習得と経験の振り幅を広げる
ネオゼネラリスト育成の基本は、従来よりも大きく振り幅を広げた学習と経験の機会を提供することです。
具体的には、ビジネススキルだけでなく、リベラルアーツ(哲学、歴史、芸術など)を学ぶ機会を設けることが有効です。一見、業務と関係のないように思える教養も、物事を多角的に捉え、本質を見抜く力を養うことにつながります。また、自社と全くカルチャーの違う組織での業務経験も重要です。出向、副業、プロボノ活動などを通じて、異なる価値観や意思決定プロセスに触れることで、固定観念から抜け出し、柔軟な発想ができるようになります。
さらに、社外のネットワーク構築も欠かせません。異業種交流会、勉強会、業界団体への参加などを奨励し、多様な人脈を形成する機会を意図的に作り出すことが求められます。
リモートワーク時代の逆を行くコミュニケーション力の強化
ネオゼネラリストには、高度なコミュニケーション力も不可欠です。ただし、ここで求められるのは、リモートワーク時代の真逆とも言える生身のコミュニケーションです。
新しい価値を創造するには、実際に「動いて」、「会って」、「一緒に体験する」ことが欠かせません。現場に足を運び、相手の表情や空気感を肌で感じ取り、偶然の出会いや発見から新たなアイデアを生みます。こうした泥臭いコミュニケーションを通じて、信頼関係が構築され、異なるステークホルダーを巻き込んだプロジェクトが実現します。
組織としての継続的な支援体制
ネオゼネラリスト育成は、研修などの教育の提供だけで完結するものではありません。長期的な視点で、計画的に多様な経験を積ませる人事制度の設計も不可欠となります。この時、いわゆる「ジョブ型雇用制度」は、やや厄介なものとなってきます。まったく異なる職務を半強制的に体験させることが難しくなるからです。
一方、「メンバーシップ型雇用」であれば、例えば、3~5年スパンでのキャリアパスを描き、異なる部門や役割を経験させることができます。各配属先では明確なミッションを設定し、任期後には振り返りの機会を設けることで、経験を確実に学びへと変えられます。社外学習や副業支援、メンター制度の導入も効果的です。上司や先輩がロールモデルとして関わることで、育成文化が組織に根づきます。

自社の未来を担う人材を育てるために
生成AI時代の人材育成は、特定の分野に特化してスキルを詰め込むことから、多様なスキルを繋ぎ合わせて「構想」する力を磨くことへとシフトしています。自社の未来を託せるネオゼネラリストの育成は、一朝一夕には成し遂げられません。
しかし、学習機会の拡大や多様な経験の提供、対面でのコミュニケーション促進など、企業が取り組める施策は多くあります。自社の未来を担う人材を育てるためにも、今から育成環境を整え、長期的な視点で支援を進めてください。
構想力強化研修~アイデアを実現するまでのプロセスを学ぶ
本研修では、これからのビジネスパーソンに求められる能力として挙げられる「構想力」を5つの要素に分解し、そのポイントを解説します。
- 大局観~今起きていることを大きな視点で捉え判断を導き出す
- 想像力~相手目線に立って三手先までイメージする
- 編集力~集めた情報の中から本質をつかみとり、再構成する
- 主観力~夢や問題意識、使命感を起点に自分事として考える
- 実行力~まわりを巻き込み、継続させる方法を企てる
また、実際に優れた構想の中でどのようにそれが生かされているのかを確認し、研修の後半では事例をもとに実際に構想案を立てます。
本研修のゴール
- 「構想力」とは何かを理解する
- 「構想力」を構成している具体的なスキルが分かる
- 発想を形にしていく(=構想する)ための具体的ステップが分かる
よくあるお悩み・ニーズ
- いい企画やアイデアは出せるのに、それを実現することがなかなかできない
- 上司や先輩などから「視野が狭い」「視座が低い」と言われたことがある
- 本社に異動になり、全社的な視点で業務に携わることが求められている
セットでおすすめの研修・サービス
変化の時代の仕事の進め方研修~アジャイルに働くコミュニケーション術
アジャイルな働き方とは、ひとことで言えば、走りながら考えるということです。社会では需要の変化や新技術にも対応しつつ、目標を達成できる人材が求められていますが、実践するとなると難しいものです。本研修では、社内プロジェクトのキックオフ時に、誰にどのようなコミュニケーションを取るべきか考えるケーススタディや、意思決定をスムーズにするための試作品作成を実践します。周囲と協力してスピーディに仕事を進めていくための手法を身につけます。
【偉人に学ぶ】志を立て、運命を開拓する~渋沢栄一の生き様から考える仕事の向き合い方
本研修では、幕末期から昭和初期という激動の時代を生き抜いた渋沢栄一の生き様から、働くうえで大切にしたいことを学んでいただきます。渋沢栄一は、全体の利益を考え正しいことを普段から実践することを大切にしており、その考え方は100年経った今でも勉強になるものばかりです。渋沢栄一の言葉を借りれば、「知恵が運命を作る」ものです。
研修を通して、普段の自分の仕事の向き合い方を振り返っていただくとともに渋沢栄一の考えを学び、自分の志を考えていただくワークなどを通して、変化の多い今の時代を乗り越えるヒントを得ていただきます。
AI時代のトリプルスキル研修~問いを立て、評価し、決断を下す力を磨く
生成AIの活用があらゆる業務に浸透する中で、人に求められる役割は大きく変化しています。情報収集や分析、案の作成といった作業はAIに担わせることができる一方で、何を考えるべきかを定める「問いを立てる力」、AIのアウトプットを鵜呑みにしない「妥当性を評価する力」、そして不確実性を引き受けて方向性を定める「決断を下す力」は、今後も人が担い続ける重要な能力です。本研修では、これら3つの力(=「トリプルスキル」)を個別のスキルとしてではなく、実務において連動して発揮される一連の思考プロセスとして整理します。生成AIを有効なパートナーとして活用しながら、成果につながる判断と行動を生み出すための基本的な考え方と視点を体系的に学んでいただきます。









