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会議を時間の無駄にしない方法～上手いファシリテーターは、結論に向かう筋道を共有する
あるプロジェクトの方向性を議論するために会議が開かれました。活発な意見交換が期待されていましたが、実際には話があちらこちらに飛び、結論の見えないまま時間だけが過ぎていきました。
誰が何を言っていたのか、どの意見が採用されたのかも不明瞭で、結論はもはや迷子です。会議後には「結局、あの話はどうなったの？」という言葉が飛び交い、参加者の多くが疲労感だけを持ち帰りました。このような経験、お持ちではないでしょうか。
会議に必要なのは、結論に向かう筋道を共有すること
会議が混乱する原因は、意見の中身そのものよりも「議論の筋道」がないことにあります。意見を整理するときの基本は、筋道を立てることです。前提・根拠・結論を意識しながら思考を進めるロジカルシンキング（論理的思考）と同じです。
会議で出た意見を構造化し、結論までの筋道を立てる作業を参加者と共有できれば、結論が迷子になることはありません。参加者が話についていけなくなったり、思い違いをしたりすることも防げます。飛び交うさまざまな意見をわかりやすく整理し、合意へと導くことができる「上手い」ファシリテーターは、この「筋道を共有する」スキルが高いのです。
マトリックスを活用すると議論の筋道を見える化できる
参加者全員に結論までの筋道をわかりやすくする作業は、ホワイトボードや模造紙を使って「見える化」しながら進めるのがおすすめです。
構造化の基本的な手法の１つが「マトリックス」の活用です。マトリックスとは、２つの切り口で軸を立て、分析対象をそれぞれの軸に該当する位置に置き、配置図として示したものです。
マトリックスを使うと、さまざまな特徴のある情報を軸に沿って整理し、全体像をわかりやすく構造化することができます。参加者も「自分の意見がどこに位置付けられるか」を視覚的に理解できます。
マトリックス活用のポイント
マトリックス活用のポイントは、会議の目的に基づいた軸を設定すること。たとえば、競合他社との商品比較であれば「機能性」「デザイン性」「価格」など、リスク管理の優先順付けであれば「発生の可能性」「影響の大きさ」など、新規事業案の評価なら「収益性」「市場規模」「リスクの低さ」などが適切な評価軸になります。軸をきちんと定めたら、あとは意見をポジショニングするだけで、会議の目的に沿って議論を構造化できます。軸を基準にした優劣（強弱）の中に各項目を位置づけるので、優先順位もつけやすくなります。
例：競合他社のポジショニングマップ
例：リスクのマトリックス
参加者の「腹落ち」は、時に結論よりも大事
結論が出ても、参加者が納得していなければ会議の後にモヤモヤが残ります。こうなると、参加者は会議に意味を感じられなくなってしまいます。こうして、時に結論よりも大事になるのが参加者の「腹落ち」です。「腹落ち」とは、理屈だけでなく感情的にも納得できている状態のことです。
ファシリテーターは、結論について参加者が腹落ちし、モヤモヤを残さない状態をゴールとして意識する必要があります。たとえば、「この選択肢のリスクは何か？」「なぜこの意見に違和感があるのか？」といった問いかけを通じて論点を可視化します。参加者とともに議論全体の筋道を整えていくことで、「なるほど、だからこの結論なんだ」と皆が思える合意形成にたどり着くことができるのです。
ロジカル・ファシリテーション研修～会議中の意見をわかりやすく整理する
議論の筋道を立てながら会議を進行するロジカル・ファシリテーションのスキルは、研修で身につけることができます。インソースのロジカル・ファシリテーション研修では、議論のシーン別に、ロジカルシンキングで活用されるフレームワークを会議や議論の場にどう取り入れるのかを演習形式で学びます。
よくあるお悩み・ニーズ
- ついつい、議論が脱線してしまう
- 意見が拡散するばかりで、結論が曖昧になる
- 話すうちに問題の本質が見えなくなり、議論が空回りする
本研修の目標
- 会議の場に論理性が必要な理由を理解する
- 会議の場でのフレームワークの使い方を身につける
セットでおすすめの研修・サービス
ロジカルシンキング研修～納得を引き出す論理的な伝え方（２日間）
２日間にわたってロジカルシンキングの基本と活用法を習得する研修です。１日目はロジカルシンキングの基本概念と使い方を学びます。２日目はビジネスにおいてロジカルな伝え方が必要な場面を想定し、相手の納得を引き出す伝え方を身につけます。
ワークでは、文字情報をわかりやすく図解化する、ＰＲＥＰ法を使って１分間で説明するなど、仕事に役立つ技術を磨きます。
会議ファシリテーションおまかせパック
お客さまの会社の重要な会議にプロファシリテーターを派遣し、生産性が高く質の高いアウトプットを生み出す会議のデザイン・ファシリテーションを行います。
プロファシリテーターは、意見や関心がバラバラな多様な人たちに中立な立場で関わり、会議の場を促進することで、実りあるアウトプットを生み出す、ファシリテーションの専門家です。プロファシリテーターが合意形成の場に加わることで、質の高いコミュニケーションを実現し、参加者にとって、納得感と質の高いアウトプットを実現することができます。
