SEのコミュニケーションに必要な「想像力・伝える力・導く力」~技術✕伝達力で選ばれるエンジニアになる

「説明したつもりなのに、なぜか伝わっていなかった」「何気なく送ったメールが、思わぬ受け取られ方をしていた」こうしたすれ違いを経験したエンジニアは少なくありません。
エンジニア自身は「伝えた」と思っていても、専門知識のある側は相手との知識差を無意識に見落としがちです。ユーザーは言葉の意味が分からずにモヤモヤし、エンジニアはなぜ伝わらないのか気づかないまま。そのすれ違いが、信頼の損失につながっていきます。
【想像力】で相手の意図を読み取る
伝わるコミュニケーションは、ユーザーの言葉の奥にある背景や状況を読み取ることから始まります。ユーザーの発言には、状況や前提が含まれており、表面の言葉だけを受け取ると、ズレが生じやすくなります。例えば、ユーザーからこんな相談を受けたとします。
ユーザー:ここ1週間ほどシステムの画面表示が遅いんです。
エンジニア:時間帯によって変わりますか?
一見シンプルな質問ですが、エンジニアの頭の中では仮説が動いています。
- 朝なら、アクセス集中の可能性
- 常になら、設計やクエリの問題
- たまになら、ネットワークの影響
このように仮説を持って質問を重ねることで、やり取りの精度は大きく変わります。早合点せず、時間帯や利用状況といった背景ごと丁寧に聞くことが、ユーザーの言葉の裏にある文脈を読み取る出発点になります。
【伝える力】で知識の差を補う
ユーザーの意図を正確につかんでも、それを専門用語のまま伝えてしまえば、相手には届きません。知識の差は埋まらなくても、言葉の選び方で差はカバーできます。
①結論から伝える
ユーザーが知りたいのは、「自分にどんな影響があるのか」です。先に結論を伝え、次に必要な理由や仕組みを補足することで、理解は大きく進みます。例えば、システム処理について説明する場合でも、「裏側で自動的に処理されますので、みなさんの方で必要な操作はありません。」と伝えるだけで、ユーザーは状況をイメージしやすくなります。
②専門用語は翻訳して伝える
専門用語はそのまま使うのではなく、ユーザーが普段使っている言葉に言い換える意識が大切です。「説明する」のではなく「翻訳する」という感覚で、エンジニア視点からユーザーの視点へ言葉を変換することで、知識の差は埋まります。
【導く力】で相手を安心させる
エンジニアとユーザーのやり取りはチャットやメールが中心になりがちで、テキストだけのコミュニケーションは無機質になりやすいという課題があります。情報は届いても、温度が伝わらない。それが「なんとなく不安」という感覚を残します。たとえば、画面表示の遅さへの対応を伝える場面で、
エンジニア: まずアクセス集中の影響を確認し、それでも改善しなければ設計やネットワークを調査します。こちらで確認のうえご連絡します。その後、再度接続をお試しください。
と伝えたうえで、
エンジニア: お待たせして申し訳ございません。○時頃までには解決できる予定です。もう少々お待ちください。
と添えることで、ユーザーは状況と次の行動を理解し、安心して待つことができます。次のアクションを明確にしながら、ユーザーの感情に寄り添う一言を加える。チャットやメールでも、この意識が信頼の積み上げにつながります。
伝達力は、AIには代替できない強みになる
AI活用が急速に進む中、エンジニアの仕事のあり方も変わりつつあります。定型的な作業の自動化が進む一方で、相手の言葉の裏を読み、ユーザー自身も気づいていないニーズを引き出し、安心して判断できる状態をつくる力は、AIには担えない領域です。
想像力・伝える力・導く力。これらは特別なスキルではなく、日々のやり取りの中で磨かれる力です。伝え方を変えることで、コミュニケーションの質も、仕事の成果も確実に変わっていきます。
SE向けコミュニケーション研修~技術と伝達力で選ばれるエンジニアになる
SEが顧客と接するうえで必要なコミュニケーションスキルを体系的に学ぶ研修です。言語化されていないニーズを汲み取るための視点や考え方を理解し、ワークを通して顧客から必要な情報を引き出すためのきく力を鍛えます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 技術的な内容を顧客にうまく説明できない
- テキストやチャットでのやり取りで誤解が生じてしまうことが多い
- 顧客の要望を正確に把握し、手戻りが発生しないようにしたい
本研修の目標
- 仮説思考を用いて問題や要望の本質を見出せるようになる
- 専門技術を顧客にわかりやすく伝える力を身につける
- メール・チャットを書く際のポイントを理解する
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