ロジカルに書く・話す技術で説得力を向上する~適切な思考法と表現の型で、「伝わらない」を克服
ビジネスシーンにおいて、「結局何が言いたいのか分からない」と上司やお客さまから言われた経験はありませんか。その場では「申し訳ありません」と謝っても、何かしら改善をしなければまた同じことの繰り返しになってしまいます。
この課題は、適切な思考法と表現の「型」を習得することで、誰でも克服し、飛躍的に能力を向上させることが可能です。
本コラムでは、効果的なビジネスコミュニケーションを実現するために、ロジカルシンキング・分かりやすい文書・分かりやすい説明の3つの要素について、今日から実践できる具体的なステップを踏まえ、ご紹介いたします。
筋道の通った論理的な思考法を見につけ、相手に口頭や文書で分かりやすく伝えるためのポイントを学ぶことで、説得力のあるビジネスコミュニケーションを実現できます。
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思考の整理と全体像の把握
ビジネスにおける「ロジカルである」とは、単に筋道が通っているだけでなく、矛盾がなく、さらに相手の立場に立った分かりやすいコミュニケーションを指します。あいまいな表現を避け、情報を体系的に整理する力こそが、説得力のあるコミュニケーションの強固な土台となります。
具体的な実践ポイントとして、以下の要素を意識し、日々の業務に取り入れてみましょう。
ロジカルシンキングの基本のステップ
- 情報のモレなくダブりなく整理する(MECE)を意識する
問題や情報を洗い出す際、抜け漏れがなく、かつ重複がない状態を目指すことが重要です。これにより、物事の全体像を正確に把握し、網羅的な視点で思考を進めることが可能になります。複雑な課題も、この考え方で分類することで、シンプルに整理できるでしょう。特に、根拠となるデータ作成において、モレやダブりがないかを確認する意識が重要です。 - 「だから何(So what)」「どうして(Why so)」で論理をつなぐ
自分の主張に対して根拠が伴っているか、また根拠から主張が論理的に導かれるかを確認するための問いかけです 。この関係性を意識することで、話の筋道を論理的に繋ぎ、聞く側を納得させられる説得力を持たせることができます。 - 演繹法と帰納法を使いこなす
演繹法は、一般的なルールや事実(大前提)から個別の結論を導き出す思考法です。例えば、三段論法のように、普遍的な原則から具体的な状況を説明する際に有効です。
帰納法は、複数の具体的な事実や事例から共通のパターンを見つけ出し、一般的な結論や法則を導き出す思考法です。多様なケースを読み解き、そこから推論を導く際に役立ちます。
これらの推論方法を業務の問題点分析に活用し、「なぜそう考えたのか・なぜその結論に行きついたのか」を具体的に表せるようにしましょう。
ロジカルシンキングの応用
仮説思考やフレームワーク思考を活用することで、より論理的思考力が養われます。仮説を立ててそれを検証するプロセスは、問題解決の精度とスピードを高めます。また、フレームワークは、思考を整理し、必要な要素を網羅的に検討するための有効な枠組みです。普段頭の中で考えていることを、フレームに落とし込んで可視化することで、業務上の問題点を効率的に見つけたり、主張の根拠を見つけたりすることに繋がります。
「ロジカル(論理的)である」ということは、筋道が通っていて、矛盾がないことを指します。あいまいな表現を避け、相手の立場に立ったわかりやすいコミュニケーションをすることはビジネスにおいて非常に重要です。
本研修では、ロジカルシンキングのフレームを学ぶだけでなく、思考法を実際にビジネスの現場で使えるようになっていただきます。また、ワークは具体的かつ身近なテーマで構成されており、研修が進むにつれて無理なくロジカルシンキングを身につけることができます。
説得力ある文書を書く
「何が言いたいのか分からない」「結局ポイントは何ですか」と指摘される文書は、その後のビジネス展開に大きな影響を与えかねません。読み手が求める情報を明確にし、簡潔かつ論理的に組み立てることで、文書の説得力は格段に向上します。
文書作成実践のポイント
- 読み手の立場を徹底的に考える
文書を作成する際、最も重要なのは「自分が何を書きたいか」ではなく、「読み手が何を知りたいか」「どのような情報を必要としているか」を常に意識することです。
例えば報告書であれば、忙しい上司がすぐに概要を把握できるよう、結論から述べる構成が求められます。読み手の疑問や関心を先読みし、それに答える形で情報を提示することで、読み手にとって価値のある文書になります。 - 簡潔な要約を心がける
文書作成においては、多くの情報の中から本当に必要な部分だけを取捨選択し、短い言葉でまとめるスキルが非常に重要です。冗長な説明は読み手の集中力を奪い、肝心なメッセージが伝わりにくくなってしまいます。
例えば、長い文章やプレゼン資料では、各章や段落の冒頭でその内容を端的に示すことで、読み手は文書全体の構成を理解しやすくなります。短い言葉で情報を伝える訓練をすることで、効率的で分かりやすい文書が作成できます。 - ピラミッド構造で情報を整理する
読み手が文書の内容をスムーズに理解できるよう、情報はピラミッド構造で整理することを強くおすすめします。これは、まず最も伝えたい主張(結論)を提示し、次にその主張を裏付ける複数の根拠を述べ、さらにその根拠を補強する具体的な事実やデータを提示する階層的な構成です。
例えば、「売上が向上しました(主張)。なぜなら、新製品が市場に受け入れられたからです(根拠)。特に、若年層からの支持が厚く、データを見ると...(事実)」といった形で情報を整理することで、説得力のある文書になります。 - 論理を補佐する接続詞を適切に使う
文書における接続詞は、論理の「道しるべ」となる重要な役割を担います。
例えば、「したがって」「しかし」「なぜならば」「さらに」「一方で」といった接続詞を効果的に用いることで、文と文、段落と段落の論理的なつながりを明確にし、読み手がスムーズに理解できる文章になります。接続詞の使い方が不適切だと、文書全体が分かりにくくなったり、論理が飛躍しているように感じられたりするため、一つ一つの接続詞が持つ意味を理解し、適切に使いこなすことが重要です。
本研修では、論理的な文章の書き方を学んでいただきます。読み手が必要とする情報を明確にし、分かりやすい文章の組み立て方を演習に取り組みながら習得していただきます。なお、研修内に文書を手書きで作成いただくワークが複数ございます。
ビジネス文書には型があり、まずは型を覚えることが上達の近道です。また、構造化という視点で文書を分解、組み立てていくことで、文書の骨子がはっきりとした論理立てた文書を書くことができます。
相手に伝わるコミュニケーション術
口頭での説明は、会議や報告、顧客対応など、日々の業務で避けては通れないものです。説明が長くなったり、要点が伝わりにくかったりすると、業務の停滞や誤解を招くことがあります。相手に「伝わった」「納得した」と感じてもらうための話し方には、明確な型と技術が存在します。
分かりやすいと感じる説明
- 目的・意図を明確にする
説明を始める前に、まずは「何を伝えたいのか」そして「相手にどうしてほしいのか」という、説明の「核」となる目的や意図を徹底的に整理しましょう。この段階で目的が曖昧だと、説明全体がぶれてしまい、結果的に相手に何も伝わらないという事態になりかねません。 - 相手の立場に立った構成を考える
どんなに良い内容でも、相手が理解しにくい順序で提示されては意味がありません。説明を聞く相手の知識レベル、関心、そして聞く姿勢を考慮し、最もスムーズに情報を「飲み込める」ような構成を工夫しましょう。 - 話の構造を考える
説明する個々の要素がただ羅列されているだけでは、相手は混乱してしまいます。それぞれの情報がどのように関連し合っているのか、どのような論理的な繋がりがあるのかを明確にすることで、話全体に意味が通るようになります。 - 話の展開を考える
説明の「展開の仕方」は、相手の読解度や集中力を大きく左右します。不適切な展開方法は、相手に「分かりにくさ」を与え、途中で興味を失わせてしまうことにも繋がりかねません。
相手を惹きつける話の展開を考える
話の準備ができた上で、いかに相手に効果的に伝えるかが、分かりやすさを左右します。話の展開方法を知ることで、聞き手を飽きさせず、スムーズに理解へと導くことができます。また、声のトーンや話すスピード、間(沈黙)の取り方、姿勢や表情といった非言語コミュニケーションの重要性まで、細かいですが実践的なスキルを磨きます。
【公開講座】分かりやすい説明の仕方研修~言いたいことを簡潔に伝える
分かりやすい話し方には、型があります。分かりやすくなる構造を理解すれば、誰でも「言いたいことを簡潔に、相手に分かりやすく説明する」ことができます。
本研修ではまず論理的思考を鍛え、話す内容を整理できるようになっていただきます。また、話の構造を視覚化することにより、「分かりにくい話」と「分かりやすい話」の違いを理解していただきます。学んだスキルをワークで実践しながら、説明力を高めていただけます。
「ロジカルに書く・話す技術」が、伝わるコミュニケーションの土台となる
ここまで、ロジカルシンキング、論理的で分かりやすい文書の書き方、そして分かりやすい説明の仕方の各要素における具体的な実践ポイントをご紹介してまいりました。これらはそれぞれ独立したスキルではありますが、密接に連携し、ビジネスコミュニケーション全体の質を飛躍的に高めるための重要な要素です。
思考を整理する「ロジカルシンキング」は、文書や説明の「内容」を形作る土台となります。その内容を効果的に「書く」ためのスキルが「論理的で分かりやすい文書の書き方」であり、そして、その内容を「話す」ためのスキルが「分かりやすい説明の仕方」です。これらのスキルは、上司への報告、後輩への指導、顧客への提案、社内外の打ち合わせなど、あらゆるビジネスシーンで役立ちます。
論理的アウトプット強化プラン~論理的に「書く」「話す」力を強化する
このように、「ロジカルシンキング」「分かりやすい文書」「分かりやすい説明」という3つの視点から、段階的かつ実践的にスキルを高めていくことが可能です。そして、これらを一貫して体系的に学べるのが、インソースの公開講座セットプラン 「論理的アウトプット強化プラン~論理的に「書く」「話す」力を強化する」 です。
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