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ロジカルシンキング研修を語る

2022/12/22更新

ロジカルシンキング研修を語る

全社会人の必須スキル「ロジカルシンキング」

―昨今、ビジネスシーンで頻繁に耳にする「ロジカルシンキング」、日本語ですと「論理的思考」となりますが、こちらの研修ではどのようなことを学べるのでしょうか。

「ロジカルシンキング」というと、何となく難しいイメージがあるかもしれませんが、実は内容は非常にシンプルです。自分の意見や考えを、相手に正しく伝えて理解してもらう、そのために必要なスキルがロジカルシンキングで、そのスキルを身につけていただける研修内容となっております。

―考えを相手に伝えるシーンは、普段の仕事の中でもよくありますが、あまり考えずに話している気がします。

そうですね、多くの方は意識しないで活用しているスキルです。しかし、改めてそのプロセスを分解し、ステップを踏んで理解することで、確実にロジカルシンキングが身につけられるようになります。

―ロジカルシンキングに関する研修は、インソースのウェブサイトに数種類あるようですが、この研修はその中でどういった立ち位置になりますでしょうか。

今回取り上げているこの研修は、ロジカルシンキングを学ぶ最も標準的なプログラムとなっていまして、どなたにも学んでいただける内容だとお考えください。このほかにも実務レベルに特化した研修や、若手の方を対象にした研修など、いくつかのバリエーションがございます。

―最もスタンダードなロジカルシンキング研修ということですね。近年、ロジカルシンキングはとても注目されているキーワードですが、求められる理由はどういう点だと言えますでしょうか。

社会人に限ったことではありませんが、他者に自分の意見を述べたり提案を行ったりする際には、何を言いたいのかという「結論」と、どうしてその結論になるのかという「根拠」を明確にする必要があります。特に、ビジネスの世界では、当然身につけていなければならないスキルです。

しかしながら、人によっては、長々と話していて何を言いたいのか分からない、あるいは結論はわかったが、なぜその結論に至ったのか根拠が分からないなど、コミュニケーションに時間を使ってしまい、業務効率や生産性を阻害する要因にもなります。聞いている人の精神衛生上もよろしくないですよね。こうした方へ向けて、自分の考えや情報を整理し、相手に納得してもらえる意見や提案としてまとめられるベーシックなスキルがロジカルシンキングであり、そのフレームを学んでもらうのがこの研修です。

あなたは「相手の立場」を考えて話していますか?

―受講者は、どのような年代や役職の方が多いのでしょうか。

ターゲットとしましては、幅広い層を設定しており、若手社員の方から中堅層まで、管理職であれば初級クラスあたりまでが対象となります。実務経験のない新入社員の方には、より分かりやすくした、新入社員向けのロジカルシンキング研修も取り揃えています。

―皆さん、どのような理由でお申込みになるのでしょうか。

例えば、ご自身の考えや意見を伝えるにあたり、頭の中で整理するのが苦手な方ですとか、比較的若手の方であれば、社会人として必要なベーシックスキルとして修得したいという目的の方もいらっしゃいます。

また、中堅社員や管理職においては、上司や役員に対して、提案内容を論理的にプレゼンしなくてはいけないという理由で受講される方や、部下に対する指導育成に活かしたい方もいらっしゃいますので、自身のステップアップのためのスキル修得が理由となります。

―業種に関しては、どういった方面の方が多いのでしょうか。

これは本当に様々です。なぜなら、ロジカルシンキングは、あらゆる仕事の基本となるスキルですので、どのような職種や業種であっても、全員が必要になるものです。

―具体的には、どのような知識やスキルが身につくのでしょうか。

インタビューの冒頭で、自分の意見や考えを、相手に正しく伝えて理解してもらう、そのために必要なスキルがロジカルシンキングですとお話いたしましたが、具体的には、何を言いたいのかという「結論」と、どうしてその結論になるのかという「根拠」を明確にするために必要なスキルが身につきます。

つまり、「論理性」が求められるのですが、実はそれは方法論であって、最も大切なことは、"相手に正しく伝えて理解してもらう"ということです。

受講後に行っているアンケートに、「主観的に話をするのではなく、相手の立場を考えて話をすることの大切さを知りました」というものや、「論理的に話をすることで、より相手に納得してもらえる」という声があるのは、そうした理由からです。

その他、「説明する際、過不足なくスムーズに話が進められれば、業務の生産性が向上する」という気づきを得られた方もいらっしゃいますし、営業の方であれば「商談の進捗状況を上司に報告する際、矛盾や確認漏れがないようにできる」など、皆さんご自身の業務に落とし込んで効果をイメージしていただいているようです。

―相手の立場になって考える。それはすべてのコミュニケーションに不可欠ですね。

はい、それは上司やお客さまだけでなく、部下に対しても言えます。管理職が部下に仕事を指示する際、仕事の内容を説明し、きちんと理解し納得してもらうことが必要になりますので、一方的ではない、説得性の高い情報発信によって組織が一丸となり、仕事に向き合えるので、会社にとってもメリットは大きいですね。

第一章、最初に理解のための仕掛けがあります

―この研修は七つの章から成り、さらにたくさんの項目やワークが設けられています。その中で最も肝になる部分や、特徴的な部分というと、どのあたりでしょうか?

最も特徴的なのは、プログラムの構成です。まず、最初にお話をする第一章がこの研修でお伝えするロジカルシンキングの全体像といいますか、結論となります。言わば、この研修の肝に当たります。この冒頭部分で「ロジカルシンキングとは何ぞや」ということを認識していただき、それ以降の章立てで、プロセスとして分解した内容を、ステップを踏んで理解し、身につけられる構成となっているのです。

つまり、最初に結論があり、それを理解するための解説やワークが以降続き、最後の章で、ロジカルシンキングをどれだけ理解できているかという位置づけで総合演習があるという構成になっています。

―研修のプログラム自体がロジカルなのですね。とても理解しやすいと思いました。しかし、考え方を学ぶプログラムというのは、とらえ方に個人差があったり、曖昧になりやすかったりする部分もあるかと思います。開発するに当たり、難しかった点も多かったのではないでしょうか。

いま申し上げました構成に関しては、工夫した部分です。この研修では、ロジカルシンキングの肝である、全体像と筋道をまず理解してもらう必要がありますので、それを冒頭に掲げ、この全体像と筋道を成り立たせるために必要な、一つひとつのスキルや考え方の要素を分解し、前半の基本編と後半の応用編に分けて学ぶことによって、いかにわかりやすく理解していただけるかに注力しました。

―最初の全体像、基本編三項目、応用編二項目、最後に総合演習の計七章ですね。論理的思考を学ぶにふさわしい、非常にわかりやすい流れです。

最終章「総合演習」はロジカル思考の腕試し

―では、具体的な研修の中身をお伺いしたいと思います。どれも興味深い見出しがついていますが、この中で特に効果が高いワークや、特徴のあるワークがあればお教えください。

各章でそれぞれ理解を深めるためにワークを行いますが、最後に行う「総合演習」は、全体の総決算となる最も重要なワークと言えます。ここで受講者が「どれだけ理解しているか」「ビジネスの場で活用できるか」ということを確認します。

―具体的にはどのようなワークなのでしょうか。

とある企業の紹介文を読んで、なぜその企業が成功しているのかを、ロジカルシンキングの手法を用いて説明してもらうワークです。この紹介文というのが、非常に長くて情報量が多い文書になっていますので、それを整理して、簡潔に伝えなければなりません。こうした整理のためには、それまでに学んだ考え方やスキルを総動員して、伝えるべき全体像と筋道を導き出さなくてはいけません。

―まさに、集大成ですね。ロジカルシンキングというと、自分の頭にある情報を整理してアウトプットする印象がありましたが、取り込んだ情報を整理して伝えることも、実際のビジネスシーンでは多いですよね。

そうですね。例えば、他者が書いた提案書や企画書に対して「あなたはどう思うか」と意見を求められた時など、そのスキルを活用して考えをまとめることが必要です。
主張したいことは何なのか、それを構成する根拠は何なのか、それらを整理することと、基本的に同じです。

―このほかにも、特徴的なワークはございますか。

第二章で取り上げている「MECE(ミッシー)」は、普段意識していないことを改めて考えてみるという点で、わかりやすく役立つワークであると考えます。MECEとはロジカルシンキングの基礎となる概念で、Mutually(相互に)、Exclusive(排他的)、Collectively(集合的に)、Exhaustive(余すところがない)の頭文字を並べた言葉です。

考え方としては「モレなくダブりなく」ということになります。つまり結論に対して根拠を整理する際に、根拠が重なり合っていたり、足りなかったりすると、その結論に対する筋道が通らなくなります。その際にとても重要になる考え方ですので、研修では視覚的にも理解できるよう、図を用いて例を解説します。

―基本編①の項目ですね。図があると理解しやすいと思います。そして応用編になると、少し複雑な言葉も出て来ます。第四章「演繹(えんえき)法と帰納(きのう)法」などは、ちょっと難しそうですね。

字面は難しそうですが、実はこれらも日常的に無意識で使っているものです。演繹法はいわゆる三段論法と言われるもので、一般的で普遍的な法則から、個別の結論を導き出す推論方法です。帰納法はその逆で、個別の事象から一般的で普遍的な法則を導き出します。

このパートにつきましても、講義だけではなく、演繹法と帰納法をそれぞれ活用した意見が述べられた事例を読んで、どこに問題点があるかを考えるワークによって理解を深める工夫をしています。個人によって「ここはおかしい」という指摘ポイントが異なり、それらのさまざまな考え方を共有することによって、自分ひとりで考えるよりも理解の幅を広げることができます。

受講者からは、こんな気づきの声が聞かれます

―研修を受けた後は、皆さんさまざまな気づきがあると思いますが、受講後に聞かれる声で、最も代表的なものはどのようなことでしょうか。

先ほどアンケート内容でお伝えしたように、多くの方が「相手のことを考えていなかった」という感想を持たれます。ロジカルシンキングは、ただ論理的に整理ができていればいいということではなく、相手に理解してもらってこそ意味を成します。つまり、相手に正しく理解してもらうためには、論理的でなくてはならないが、論理的はあくまで手段だということです。これがこの研修の一番のポイントと言えます。

―自分では「伝わっている」と思っていても、相手にとって意味不明だったらどうしようもないですよね。独りよがりにならない伝達は、常に心がけたいと思います。

相手目線で考えることは大事ですね。第二章、モレやダブりなくという「MECE」なども、厳密にモレやダブリがないようにすることが目的ではなくて、その先にあるのは相手の理解ですから、相手にわかってもらえるかというところが大切なポイントです。

―逆に、相手目線になれなかったり、論理的な思考ができなかったりする場合、どういうトラブルを招いてしまうでしょうか。意外と気づかずにやっている人が多いかもしれません。

誰にも経験があることだと思いますが、伝えたい情報がたくさんある場合、「報告しなければ」と焦って、情報が整理されないまま話を聴かされたことはありませんか。そうなると、何が結論であるのかわかりませんし、また混乱した情報の中では、事実なのかそれともその人の意見なのかも聞き分けられませんから、結局は「何が言いたいのか」ということになってしまいます。

―それは自分もやったことがあります。上司に「結論から話せ」と言われることが何度かありました。

忙しい時だと「まとめてから言ってくれ」となりますね。伝える相手がお客さまであればなおさらです。そういうことは日常茶飯事として起こりがちだと思いますので、ロジカルシンキングを活用することで、お互いの時間を無駄にせず正確な伝達ができるようになります。

―実務にもすぐに生かせるスキルですね。

そうですね。また、相手に伝えるだけでなく、「自分自身の考えを整理することができ、仕事がスムーズに進められる」という、自身にとっても役に立つというお声もいただいております。

他の研修と組み合わせることで効果がグーンとアップ

―こちらのロジカルシンキング研修は、他の研修の一部にも取り入れられているそうですね。それだけベーシックなスキルだということでしょうか。

はい、例として「クリティカルシンキング」の研修では、カリキュラムの項目にロジカルシンキングが組み込まれています。これは、クリティカルシンキングにはロジカルシンキングが必要だからです。また、この2つのシンキングに、「ラテラルシンキング(水平思考)」を加え、3つの研修をセットにした「トリプルシンキング」は公開講座としてご用意しております。

※「トリプルシンキング実践研修~クリティカル・ラテラル・ロジカルシンキングを応用する(2日間)」

―フルコースですね。これらは同時に学ぶことで、さらに思考の幅が広がると考えてよろしいですか。

はい、組み合わせやすい内容ですし、相乗効果が期待できます。講師派遣の場合ですと、これらを目的に合わせて組み合わせるなど、業種やお客さまのニーズに応じて様々なカスタマイズも可能です。課題は企業によって異なると思いますので、リクエストしていただければ最適なプログラムをご提供できます。

―業種や役職によっては、カスタマイズはありがたいですね。まず「基本的なロジカルシンキングを一通り学びたい」という方にはこちらの研修を受けていただき、理解が進んだところでクリティカルシンキングやラテラルシンキングにトライしてみると、さらにスキルに磨きがかかりそうです。

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