「もっと広い視野で」「もっと高い視座で」を実現するには~批判的思考・バイアス排除・俯瞰で物事の本質を捉える

日々業務に取り組む中で、上司から「もっと広い視野を持ってほしい」「もっと高い視座で、上の人の目線で物事を考えてほしい」と言われたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

この「視野」「視座」といった課題の根底には、いくつかの思考力の不足が関係しています。

本コラムでは、「クリティカルシンキング」「アンコンシャス・バイアス」そして「俯瞰力」の3つの要素に焦点を当て、より本質的な問題解決や意思決定を可能にする具体的な方法をご紹介します。批判的思考で本質を見抜き、無意識の思い込みを洗い出し・排除することで、より物事の全体を俯瞰して捉えやすくなるという流れを解説していきます。

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物事の本質を見抜く「クリティカルシンキング」を実践する

クリティカルシンキングとは、物事をありのまま受け入れるのではなく、「本当にそうなのか」「これでいいのか」と現状を「疑う」視点のことを指します。

この「疑う」力は、単なる批判ではなく、物事の本質を捉え、日常に潜む問題を発見するために不可欠な思考方法です。

クリティカルシンキングを実践することで、以下のようなスキルが身につくとされています。

  • 物事を鵜呑みにしない視点
  • 情報を正しく取捨選択する分析力
  • 多面的に物事を見て、日常に潜む様々な「ムダ」を発見する力
  • 前例や固定観念に縛られず、新しい仕事の仕方や考え方を生み出す力

クリティカルシンキングの3つのステップ

クリティカルシンキングは、以下の3つの手順で進めます。

  1. 疑問(疑ってみる): まずは現状や情報に対して「なぜ、どうして、本当にそうなのか」と問いかけ、疑問点を見つけ出します。例えば、会議資料を読んだ際に、記載されている内容の前提や根拠に疑問を抱いてみることから始めます。
  2. 分析(視点を変えて物事を捉えてみる): 洗い出した疑問点について、さまざまな視点から情報を整理し、深く掘り下げて考えます。別の角度から物事を見ることで、新たな発見や理解が生まれることがあります。
  3. 再構築(新しい主張・見解を出してみる): 分析によって得られた洞察をもとに、最も優先順位の高い解決策や、より良い新しい主張、見解を導き出します。この際、その見解に対する理由や根拠を明確にすることが重要です。

この思考方法を身につけることで、効果の高いアプローチで、効率的に、最適な結論にたどり着くことができるようになります。

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クリティカルシンキングを身につけることで、物事を鵜呑みにしない視点や、情報を正しく取捨選択する分析力など、必須スキルのレベルアップにつながります。

本研修では、クリティカルシンキングの基本的な考え方と手順を学び、物事をありのまま受け入れるのではなく、現状を「疑う」思考方法を、演習を通じて実践していきます。

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無意識の決めつけを打破する「アンコンシャス・バイアス」への気づき

クリティカルシンキングで物事を「疑う」際に、私たち自身の「無意識の決めつけ」や「思い込み」が障壁となることがあります。これが「アンコンシャス・バイアス」です。

たとえば、「男性はこうあるべき」「新入社員はこうあるはず」といった固定観念や、「ビジネスではこれが常識だ」といった考え方も、アンコンシャス・バイアスの一種です。

アンコンシャス・バイアス自体は、その人がこれまでの経験や学びから得た統計結果や経験の蓄積であり、必ずしも悪いものではありません。しかし、多様性が求められる現代において、これが問題となる場面が増えています。自身のバイアス(偏見)に気づき、考え方や価値観を変化させることは、より本質的なものの見方を身につける上で不可欠です。

アンコンシャス・バイアスを乗り越えるためにすべきこと

  1. 自身のバイアスを自覚する: まずは、日常生活や職場において、自分がどのような「決めつけ」や「思い込み」を持っているかを意識的に振り返ります。過去の成功体験や周囲の「常識」の中に、無意識のバイアスの種が潜んでいる可能性があります。
  2. 多様な意見に耳を傾ける: 「自分とは異なる視点」があることを認識し、積極的に他者の意見に耳を傾けます。特に、新人メンバーや異なる背景を持つ人からの意見は、自分が見えていない現実や事実に気づかせてくれる貴重なものです。
  3. 「本当か?」と自問する: クリティカルシンキングの考え方を活用し、自分の考えや他者の発言に対して「本当にそうなのか」と問いかける習慣をつけます。これにより、無意識の決めつけにとらわれずに物事を客観的に見つめ直すことができます。

自身のバイアスを自覚し、必要に応じて改善を提案・提言できるようになることで、多面的かつ多様な視点で物事を見られるようになります。これにより、固定観念にとらわれない柔軟な思考が可能となり、より良い職場環境を築くことにもつながります。

【公開講座】(半日研修)アンコンシャス・バイアス研修~無意識の決めつけ・思いこみを打破し、 改めて職場風土を考える

多様性が謳われる今、また、あらゆるビジネスシーンで"常識"を見直す必要性が高まる今、自身のバイアスに気づき、考え方や価値観を変える必要性が増しています。

本研修ではケーススタディやワークを通じて、固定観念ゆえに自分には見えていない現実・事実があることに気づき、より多様な視点をもつことの重要性やメリットについて学んでいただきます。

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大局的に物事を捉える「俯瞰力」を鍛える

クリティカルシンキングで目の前の事象を深く分析し、アンコンシャス・バイアスに気づいて視野を広げたなら、次はいよいよ「俯瞰力」です。

俯瞰力とは、言い換えれば物事を大局的な視点から全体を見渡す力、通称「メタ思考」です。特にリーダーやマネージャー層には、責任を伴う判断が増える中で、この高い視座が求められます。

俯瞰力は、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどをある程度習得している方が、さらに深く考えるスキルとして注目されています。これは、自分の視点を意識的に他者に移し、客観的な視点で物事を捉えることで実現できます。

俯瞰的思考(メタ思考)で考える3つのステップ

俯瞰的思考を身につけるためには、以下の3つのステップを意識的に実践することが有効です。

  1. STEP1: メタ思考を「始める」: 自分の視点や立場だけでなく、経営層、部長、課長など、上位者がどのような視点で物事を見ているかを想像します。また、案件に関わる様々なステークホルダー(関係者)が何を考え、何を期待しているのかを意識的に洗い出すことから始めます。
  2. STEP2: メタ思考を「深める」: 主観的な視点と客観的な視点を明確に区別し、意図的に客観的な視点に切り替えて物事を捉える訓練を行います。この際、クリティカルシンキングの「疑問」と「分析」の手順を活用し、批判的思考をもって深く掘り下げることが有効です。
  3. STEP3: メタ思考を「広げる」: 一つの問題に対して、できるだけ複数の視点や解決策を検討し、思考の幅を広げます。自分自身の経験や知識だけにとらわれず、様々な立場から物事を考えることで、より本質的な課題や最適なアプローチが見えてきます。

この「俯瞰力」を習慣化することで、業務の全体像を捉え、多角的な視点から思考し、さらにその先の視座を考えることができるようになります。

【公開講座】俯瞰力強化研修~多面的に考え、全体を見渡すメタ思考力を鍛える

本研修は、リーダーやマネージャーに求められる「俯瞰的に物事を考える力(メタ思考)」を醸成し、大局的な視点で物事を考えられるようになることを目指す研修です。

まずは俯瞰的思考を持つ人の立場や考えを理解したうえで自分の視点を実際に他者にうつし、客観的な視点で物事を考えるコツをお伝えします。より思考を主観から客観に切り替えるための批判的思考(クリティカルシンキング)の考え方や、俯瞰的に考える手順を学びます。実際に現場で活用していくには、メタ思考を習慣化することが大切です。

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3つの思考力を統合し、「本質思考」でビジネスに取り組む

クリティカルシンキングで物事の「本質」を見抜き、アンコンシャス・バイアスを学び「多様な視点」を取り入れ、そして俯瞰力で「全体像」を捉える。これらの思考力はそれぞれが独立しているだけでなく、相互に深く関連し、補完し合うことで、より高度な問題解決能力や意思決定力を養うことができます。

これらの思考力を総合的に習得することで、表面的な課題解決ではなく、抜本的な業務改善や新しい価値創造に貢献し、変化の激しいビジネス環境で求められる素早い判断と戦略的な行動を可能にします。

本質思考・俯瞰思考徹底強化プラン~無意識のバイアスを排除し多面的な視点で考える

物事を批判的に捉え、思い込みを打破することは、仕事における判断力を強化します。批判的思考を鍛えるには、偏った見方や固定観念を払拭することが必要です。

「批判的思考×思い込みの打破」の組み合わせにより、意思決定のスピードと正確性が向上し、より深い洞察力が得られます。質の高い意思決定力を発揮すれば、周囲からの評価も上がること間違いなしです。

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