採用の精度を上げる3つの視点~履歴書では見抜けない「働き方の癖」をどう読むか

履歴書を見て「この人はきっと活躍してくれる」と期待したものの、入社してみると想定と違った。採用や配属に関わる方なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
スキルや学歴は判断材料のひとつですが、それだけでは人の「働き方の癖」や「向き不向き」は見えてきません。新人の離職を防ぐ鍵は、できることよりもチームに合う人かを見極めることにあります。
ミスマッチを防ぐ採用の原則~どんな環境で力を発揮するかを軸に考える
近年、多くの企業が早期離職に悩まされています。原因を探っていくと、「スキルの不足」よりも「職場や仕事との相性」に行き着くことが少なくありません。
面接の好き嫌いを排除する~データで見る働き方の癖
人は無意識に「自分に似たタイプ」に好感を持ちやすいと言われます。面接で「話しやすかった」「感じが良かった」と思う人が必ずしも、職場に合うとは限りません。採用・配属の判断を感覚だけに頼らないためには、客観的なデータを組み合わせることが重要です。
適性を可視化できれば、「この人はどんな職場でストレスを感じやすいか」「どんな上司との相性が良いか」といった具体的な示唆が得られます。
例えば、指示が明確な環境で力を発揮するタイプの人が、裁量の大きい現場に配属されれば戸惑います。逆に、自分の考えで進めたいタイプの人が、マニュアル重視の環境に入ると息苦しさを感じます。つまり、採用や配属の精度を高めるには、「何ができるか」よりも「どんな環境で力を発揮するか」を知る必要があるのです。
性格ではなく行動パターンを見る~配属後に伸びる人の共通点
「適性を知る」というと、性格診断を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、仕事の場面で求められるのは「性格」よりも「行動パターン」です。
たとえば同じ「社交的」でも、
- 人との交流でエネルギーを得るタイプ
- 相手に合わせようと努力するタイプ
では、配属先でのパフォーマンスがまったく異なります。適性を見極めるとは、「どんな行動を自然に取る人なのか」を理解すること。そして、その人が安心して力を発揮できる環境を整えることなのです。
配属後もその適正情報をもとにフォローを続けることで、早期離職を防ぐことができます。挑戦意欲が高い人には目標を与え、慎重な人には段階的に学べるステップを設けるなど、「その人らしい育て方」を意識することが、定着につながります。
採用・配属時に確認するべき3つの要素~適性・動機・耐性の読み方
新人の適性を見極めるには、次の3つの視点を持つと効果的です。
- 性格・行動特性
几帳面か大らかか、論理的か感覚的かなど、日常の行動特性を把握することで、チームや上司との相性を予測できます。 - モチベーションの源泉
「成果を出したい」「人の役に立ちたい」「安定して働きたい」など、何を原動力にしているかを理解することで、モチベーション維持のための関わり方が見えてきます。 - ストレス耐性・職場適応力
新しい環境での変化にどの程度柔軟に対応できるかを知ることで、フォローの必要な場面を事前に想定できます。
活躍人材の傾向を知る~自社データで合う人材を定義する
より確実に合う人を見つけるには、欲しい人材の傾向に目を向けるだけでなく、実際に組織内で活躍している人がどのようなタイプなのかを知っておくことも大切です。もちろん組織は様々な人材が協働することで発展しますが、組織全体で調査してみるとある程度の傾向が見えてきます。
例えばインソースでは、「エネルギー」「完遂力」「曖昧性への耐性」のある人材が多く活躍しており、採用決定時の重要項目としています。結果として、24年10月に厚生労働省が発表した報道(※)では、新規大卒就職者のうち就職後3年以内の離職率は34.9%であるのに対し、当社は7.6%と低い水準となっています(2024年12月時点)。
※出典:「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」 厚生労働省(最終アクセス:2025/11/18)
採用成功の鍵は「組織に合う人」を見極める3つの視点にある
採用難と言われている昨今、採用に必要なのは組織に合う人材を見つけること。そのためには「性格・行動特性」「モチベーションの源泉」「ストレス耐性・職場適応力」の3つの視点を意識し客観的に組織全体の傾向を理解したうえで面接対象と向き合うことが未来の人材確保を握る鍵となります。
一人ひとりの特性と組織全体の傾向を「見える化」giraffeアセスメント
オンラインで114問の設問に回答いただくことで一人ひとりの特性や個性を見える化するアセスメントツールです。
giraffeをお使いいただくことで、社内で活躍する社員の分析、集合体としての組織の分析、自組織にとって今後必要となる人材像・人物像の分析が可能となります。
セットでおすすめの研修・サービス
新人8大スキルアセスメント~新人に求められる8大スキルを分析・可視化するサービス
インソースの新入社員研修は、受講者数が年間6万人を超えます。新人8大スキルアセスメントは、新人が潜在的に持っている課題を、当社の知見から以下の8つのスキルに分けて評価するサービスです。
入社時や配属後、2年目を迎える手前などに受検をすることで、自己学習や個別指導、研修企画に活用できます。
【ラインナップ】新入社員研修
新入社員研修・新人研修のカリキュラム一覧です。近年の新人の傾向を踏まえた内容となっており、新入社員の主体性や相手目線で考える姿勢の醸成を重視しています。オンライン、eラーニングにも対応しています。
【オンライン面接対応】採用面接研修~自社で活躍できる人材を見抜く
採用面接活動に関わる1次面接者向けの、採用面接の基本を学ぶ研修です。オンライン実施ならではの面接の事前準備のポイントと、応募者が話しやすい雰囲気づくりを身につけます。
採用面接における判断基準の持ち方や、自社の人材要件と一致しているかをはかるための質問の投げかけ方を、実践を想定したロールプレイングでつかむプログラム構成です。






