「それ、もう魅力です」~人事担当者が気づいていない、採用を成功させるための「自社らしさ」の見つけ方

採用活動において「自社の魅力がうまく伝えられない」と悩む人事担当者は少なくありません。しかし、実は「魅力がない」のではなく、「気づいていないだけ」というケースが多くあります。求職者が本当に知りたいのは、キラキラした理想像ではなく、「この会社で働く自分が想像できるリアル」です。
本記事では、企業が見落としがちなアピールポイントをどう発見し、どう求職者に伝えるかを解説します。そのヒントは、制度やスローガンではなく、日常の何気ない一コマの中に眠っています。
「何を自社の魅力として伝えればいいんだろう?」
採用に関わる人事担当者であれば、一度はこう悩んだことがあるのではないでしょうか。求人票を作るとき、カジュアル面談をするとき、採用ページを刷新するとき。「うちの会社って、結局どこが魅力なんだろう?」と。
福利厚生も平均的、事業内容も派手ではない。他社と比べて、特別な強みが見当たらない。そう感じた瞬間から、人は無意識に正解っぽい魅力を探し始めます。「仲が良い職場」「成長できる環境」「風通しの良さ」。もちろん、これらは間違いではありません。ただし、それだけではどの会社とも見分けがつかないのです。
では、どうすればいいのか。その答えは、「自社らしさ」を、評価や演出ではなく、観察から見つけることにあります。
「リアル」を伝えると、採用はうまくいく
たとえば、昼休み。採用広報でよく目にするのは、「社員同士仲が良く、ランチにもよく行きます」という表現です。けれど、少し立ち止まって考えてみてください。本当に、それは自社を最もよく表す言葉でしょうか。
ある企業では、昼になると自席で静かに食べる人もいれば、2〜3人で外に出る人もいます。毎日決まったメンバーで行動するわけではありませんが、かといって関係性が希薄なわけでもない。必要なときには声をかけ合い、仕事では自然に連携が生まれている。この光景を、私たちはつい「普通」「どこにでもある」と片付けてしまいがちです。
しかし見方を変えると、これは立派な「らしさ」です。「個人のペースを尊重する文化がある」「無理に群れないが、孤立もしない」「仕事を軸にした、心地よい距離感が保たれている」。こうした価値観は、制度には書かれていなくても、日常の行動に確実に表れています。
大げさな魅力を語らなくても、「リアル」が伝わることで、ミスマッチは減り、結果として採用は前に進むのです。
「正解」ではなく、「実際にどうか」を言語化する
「正解」を探し始めた瞬間に、言葉は嘘っぽくなります。
人事はつい考えてしまいます。「仲が良い会社の方がウケるのでは」「楽しそうな雰囲気を出した方が応募が増えるのでは」。しかし、それは本当に御社の姿でしょうか。
御社の魅力は、「他社と比べて優れている点」ではなく、「御社が自然体で大切にしている価値観」に宿ります。
求職者もまた、自己分析の途中にいます。彼らは「どんな会社が良いか」を探しているのではなく、「自分に合う場所はどこか」を探しています。そのとき、曖昧で整いすぎた言葉よりも、「あ、こういう働き方、実は自分に合っているかもしれない」と気づかせてくれる具体的な描写の方が、深く刺さります。
「選ばれる採用」とは、数を集めることではなく、合う人に届くことなのです。
自社の「当たり前」が、最大の採用戦略になる
もし今、「自社の魅力が分からない」と感じているなら、それは悲観すべき状態ではありません。むしろ、掘り起こす余地がたくさんあるということです。
おすすめしたいのは、評価を入れずに、ただ観察することです。朝の始業前、誰がどんな会話をしているか。会議が終わったあと、意見はどのようにすり合わせられているか。忙しいとき、誰がどんなタイミングで誰を助けているか。
そこに、自社の文化があり、価値観があります。それを言葉にすることこそが、他社には真似できない採用広報につながります。
「うちの魅力は何だろう?」と考えるのではなく、「うちの日常は、どんな特徴を持っているだろう?」という問いを、社内に投げかけてみてください。その先に、貴社だけの採用ストーリーが見えてくるはずです。
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