
現代の部下指導に求められる「両利きのフィードバック」
多様な価値観を持つメンバーが働く現代の職場では、「この伝え方なら必ずうまくいく」という部下指導の正解はありません。ほめて伸ばすことが有効な場面もあれば、厳しい指摘を避けてはいけない場面もあります。
本記事では、現代のリーダーに求められる「両利きのフィードバック」について解説します。
フィードバックとは「栄養=知識・スキル」を与えること
部下指導におけるフィードバック(feedback)とは、部下の仕事ぶりや成果に対して助言や評価を伝えることで、改善や成長を促すことです。英語の「feed(養分を与える、供給する)」と「back(戻す)」を組み合わせた言葉であり、「相手の成長のために」実施することがポイントです。
フィードバックの手法やテクニックは様々ありますが、大きく「ネガティブフィードバック」と「ポジティブフィードバック」に分類することができます。
ネガティブフィードバック
相手の行動や成果における課題、改善点、期待とのギャップを伝え、望ましい行動への修正を促すフィードバックです。単なる叱責やダメ出しではなく、「何が問題で」「どのような影響があり」「次にどう変えるべきか」を具体的に示すことが求められます。
ポジティブフィードバック
相手の良い行動や成果、強み、成長の兆しを具体的に伝えることで、再現性を高め、意欲や主体性を引き出すフィードバックです。単に「よかった」とほめるのではなく、「どの行動がよかったのか」「なぜ成果につながったのか」を言語化することが重要です。
「どちらか一方」ではなく、相手や状況に応じて使い分ける
どちらのフィードバックも、部下の成長に必要なものです。厳しい指摘だけでは部下が萎縮しやすく、ほめることだけでは改善すべき課題が見過ごされ、成長機会を奪いかねません。
多様性の時代において、指導に唯一の正解はありません。ネガティブフィードバックとポジティブフィードバックのどちらか一方に偏るのではなく、相手や状況に応じて使い分けることが大切です。
インソースのフィードバック研修は、厳しいことを言うのが苦手な方、ほめることが苦手な方のどちらのお悩みにも対応しています。
「両利きのフィードバック」で部下の成長と組織の成果を両立させる
現代の職場では、価値観や働き方が多様化し、指導のあり方も一律の方法では通用しにくくなっています。だからこそ、相手や状況に応じて、厳しく伝えることと前向きに認めることを使い分ける「両利きのフィードバック」が求められます。
指導の引き出しを増やし、納得感のある対話を重ねることは、部下の成長と組織の成果の両立につながります。部下が安心して挑戦し、改善し続けられる職場づくりに向けて、日々のフィードバックの質を高めていくことが管理職・リーダーの役割です。
ネガティブフィードバック研修~厳しいことを納得させる工夫
本研修は、部下・後輩に対し、言いにくいことや厳しい指摘を毅然と伝え、行動の改善と成長につなげられるようになることを目的とします。
ネガティブフィードバックを、叱責やダメ出しではなく、部下を現状の問題に気づかせ、次の行動を具体的に変えていくための重要なマネジメント手法として位置づけます。感情的な注意や人格否定を避け、事実・影響・期待・改善行動に基づいて、納得感のある指導を行うマインド・スキルを身につけます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 厳しく注意すると、パワハラと受け取られたり、部下が反発したりしないか不安がある
- 部下に何度注意しても、行動が変わらず、どのように伝えればよいか分からない
- 若手、年上の部下、反応が芳しくない部下に対して、踏み込んだフィードバックができない
研修のキーワード
【タイムアウト】
感情が高ぶった状態で指導を続けず、いったん間を置いてから対話を再開する方法です。衝動的な発言や感情的な態度を抑え、冷静に対応することにつながります。例えば、以下のように対応します。
- まず6秒待つ
- 深呼吸して身体の反応を落ち着ける
- その場で結論を出さない
- 相手の意図を決めつけない
- 必要に応じて場を改める
【Ⅰメッセージ】
「あなたはできていない」と相手を主語にして責めるのではなく、「私はこう受け止めている」「私はこの点を心配している」と、自分の見方や期待を主語にして伝える方法です。人格を否定せず、行動の改善に焦点を当てるための伝え方であり、相手との関係性を損なわずに、必要な指摘を届けやすくなります。
(例)
△「あなたはいつも報告が遅い」
→Youメッセージ=責めているように受け取られやすい
◯「私は、報告が遅れると、後工程の調整に影響が出ることを心配しています」
→Ⅰメッセージ=自分の思いや改善してほしい意図が伝わりやすい
ポジティブフィードバック研修~強みを成果につなげる工夫
育成、モチベート、キャリア支援など、リーダーが担う人材マネジメントの責任範囲はますます拡大しています。チームの成果や早期成長を急ぐと課題にばかり目が行きがちですが、部下の可能性を信じて、強みや特性を伸ばすことも大切です。
ポジティブフィードバックのテクニックと心理的安全性を両軸で学ぶことで、成長意欲を高め、前向きな挑戦を促すことができます。
よくあるお悩み・ニーズ
- ほめることに苦手意識があり、課題を指摘する割合が多くなりやすい
- 良いことも改善点も忌憚なく共有できる職場風土を醸成したい
- 意欲向上につながるコミュニケーションを学び、新しいことへの挑戦を促したい
研修のキーワード
【心理的安全性】
メンバーが気兼ねなく発言でき、自然体でいられる職場の状態を指します。適切なフィードバックは心理的安全性を支え、心理的安全性はフィードバックの効果を高めます。この好循環が、チームの成果向上につながります。
【フィードフォワード】
フィードフォワードとは、過去の行動や結果への評価にとどまらず、「次にどうするか」に焦点を当てて助言する考え方です。
(例)
◯「前回の会議では発言が少なかったので、改善してほしい」
◎「次回は事前に1つ意見を準備し、議題の冒頭で共有してみよう」
次の行動に変換して伝えることで、相手は改善の方向性を具体的にイメージしやすくなります。ポジティブフィードバック研修では、課題をマイナス評価ではなく伸びしろとして捉え、ネガティブフィードバックを「ギャップフィードバック」と表現しています。すでに成果を出しているメンバーに対しても、強みをさらに活かす方向でフィードバックを行えます。
セットでおすすめの研修・サービス
管理職向けフィードバック向上研修~インシビリティに注意し、効果的なフィードバックを行う

本研修は、管理職に求められる「模範としての振る舞い」と「部下への効果的なフィードバック」に焦点を当てた実践型プログラムです。現在の管理職には、部下一人ひとりに合わせた柔軟な指導・マネジメント力に加え、礼節や人間性といった「人としての品格」も要請されます。現在求められる管理職像や、部下コミュニケーション、フィードバックについて学ぶことで、部下の成長を促す力を高めます。
部下の育て方研修~面談とフィードバックで経験学習サイクルを回す

コーチングスキルや1対1面談のやり方を研修で教えてはいるものの、どうも部下指導のスタイルが変わったように思えない、という声を時々耳にします。これは、コーチングや1対1面談の「型」は学んだものの、その本質が十分に理解しきれていないためと思われます。本研修では、人が学習するプロセスと、上司や先輩の関与の仕方に焦点を当てています。




