
社内資料を渡すだけで個別最適な教材に!社内教育の自動化を実現する「AI BOAT」開発の裏側
「マニュアルはあるのに、現場で使われない」「研修をやっても、やりっぱなしになる」。多くの企業が抱える、そんな学びの悩み。
教育会社インソースが開発した「AI BOAT(アイボート)」は、社内のマニュアルや資料を渡すだけで、学ぶ人一人ひとりに合わせた教材を自動でつくり、理解の定着までを支えます。
いわば「情報の海を共に渡る学びの相棒」。その狙いと仕組みを、開発担当者とCS(カスタマーサクセス)担当への取材からご紹介します。
「AI BOAT(アイボート)」に込めた思い
――「AI BOAT」という名前には、どのような意味や思いが込められているのでしょうか。
(CS担当)「AI BOAT」という名前には、二つの思いと、ちょっとした言葉遊びが込められています。一つは、情報の海を共に渡る船(BOAT)という意味です。マニュアルや規定、膨大な知識の海に溺れないよう、一緒に乗り込み目的地までたどり着ける頼もしい船でありたい、という願いです。
もう一つは、学びの相棒という意味です。「AI」を「あい」と読み、「AI BOAT」を「あいぼうと」と読み替えることで、いつも学ぶ人の「相棒」でいたいという思いを重ねました。この相棒は受講者だけでなく、教材を用意する教育担当者の手間も引き受ける存在です。
一人ひとりの学習ロードマップ
――数ある機能の中で、特に「これは他にない」いち押しの機能はどれでしょうか。
(開発者)まず挙げられるのは、資料を取り込んで学ぶ人を選ぶだけで、その人に向けた学習ロードマップを自動で組み上げる機能です。
社内にたまった資料は、たいてい特定の職種・業種向けに作られています。それでも、別の学習者に合わせて中身を組み替えて出力できるのが、この機能の柔軟さです。
このアイデアの原点は、事故報告書から教材(ケーススタディ)を作るAI-OJTの開発での学びでした。
誰に向けるかによって、できあがるケーススタディの中身はまるで変わります。この経験から「誰向けか」を選べる機能を組み込んだことこそが、AI BOATの核になりました。
「使われないマニュアル」の声
――開発のきっかけとなった、具体的なお客様の声や課題はありましたか。
(CS担当)開発のきっかけは、大きく二つありました。まず大きかったのは、研修の「後追い」の難しさです。やってもやりっぱなしになりがちで、効果を示すのも難しいです。
そんな声が増え、学んだ後の伴走支援をAIで担えないかと考えたのが出発点でした。加えて、方向性を決定づけたのは現場の実感です。前職で営業マニュアルを一からつくった経験から、作り上げた資料が現場でまったく使われない現実を、痛いほど知っていました。
営業は皆が自分のやり方を通し、新人に教えても先輩が別のやり方を勧め、結局定着しません。時間をかけて作ったマニュアルや社内資料が活用されていない、その実感に加えてお客様からも同様の声を聞くことで、各社の資料で社内教育そのものを底上げするサービスへと舵を切らせました。
――その課題を、なぜ生成AIで自動化する形で解決しようと考えたのでしょうか。
(開発者)最初から明確な構想があったわけではありませんでした。生成AIと教育の相性は、ChatGPT登場の頃から感じていました。本に載っていない個人的な悩みにも、生成AIは筋の通った答えを返してきます。
その体験が確信につながりました。学習ロードマップを生成AIで作る仕組みも、事故報告書からケーススタディを作る開発の延長線上で、無理なく形にできました。
教育会社だからこその強み
――教育・研修会社のインソースが自ら開発したからこその強みは、どこにあるとお考えですか。
(CS担当)教育・研修会社として自ら開発したからこその強みは、二つあります。第一に、問題づくりと教材設計のノウハウです。どんなシナリオで、どんな問いを立てるかを吟味し、ただ4択を並べるのではなく、解く人が迷わずスムーズに答えられる「解きやすさ」を設計に織り込んでいます。
そしてもう一つが、サービスの思想そのものです。覚えさせてテストをつくって終わりにはせず、学びを自分のものとして引き出せる状態にし、実務の成果につなげるところまで見据えています。お客様の学びとその先の成果に、教育会社として長年向き合ってきた結果です。
「楽しんでいる」に変わった
――実際に導入したお客様や社内での利用で、想定を超えた活用や、意外な反応はありましたか。
(開発者)社内で使ってみて、いちばん嬉しかったのは「受講者が楽しんでいる」という声でした。従来の確認テストにつきものだったやらされ感が、解くほどランキングが上がり、もっと上を目指したくなる体験へと変わったのです。
教育担当者にとっても、管理画面で一人ひとりの進み具合が一目で分かり、つまずいた人にすぐ声をかけられます。学びを一過性で終わらせず効果を示したいという積年の課題に、応えられるようになりました。
――新人研修や営業マニュアル以外に、今後とくに効果を発揮しそうな活用シーンはありますか。
(開発者)活用シーンは新人研修や営業マニュアルにとどまりません。「正直、何にでも使える」というほど、資料の種類や目的を問わず仕立て直せる、汎用性の高さが持ち味です。
さらに、AIに質問できるチャット機能や記述式の問題を通じて、受講者がどこを理解できていないかが見えてきます。人は分からなくなった瞬間に眠くなり、何が分からないのかにさえ気づけなくなりがちです。
選択肢問題は繰り返せば当たってしまいますが、記述式ならつまずきがあぶり出されます。そこで答えは教えず、「AIに聞けばいい」とヒントだけを渡します。すると受講者は、分からないことも自分の力で吸収していきます。
資料を入れるだけで始まる
――専門的な知識がなくても、人事・教育のご担当者が無理なく使えますか。始めやすさの工夫を教えてください。
(開発者)専門的な知識がなくても心配はいりません。操作はとても簡単で、社内でもマニュアルなしで誰もが使えています。資料をPDFで取り込み、対象者を選んでボタンを押します。
あとは待つだけで教材ができあがります。特別な初期設定も、プロンプト(AIへの指示文)の知識も不要です。この手軽さが、教育担当者の負担を大きく減らしています。
眠くなる図解、3つの軸
――開発で、最も苦労した技術的なポイントはどこでしたか。
(開発者)最も苦労したのは、意外にも図解でした。いまでこそ自動で作られますが、道のりは平坦ではありません。当初は一枚に情報を詰め込んだ図解を作っていましたが、新人に見せても反応は薄く、むしろ眠そうでした。
頭に入れる情報は、簡単なものから段階的に積み上げないと人は眠くなります。そう気づいてから、生成AIと対話を重ねて段階的な設計を作り込みました。ここが、いちばんの山場でした。
――記述式の採点には、どのような仕組みがあるのでしょうか。高得点のコツもあれば教えてください。
(開発者)記述式で高得点を取るには、ちょっとした攻略のコツがあります。鍵は、生成AIが評価基準づくりを得意とすること。人が作るとバイアスがかかりますが、AIなら問題に合わせて公平な軸を立てられます。
AI BOATでは記述式の問題ごとに「3つの評価軸」をAIに作らせ、一つずつクリアするほど点数が上がる仕組みにしています。10でも1でもうまくいかない。3にすると、いい塩梅になるんです。
だから学ぶ側も3つの軸で考えると答えが整い、点数が伸びます。記述式が解けたときこそ、知識が本当に身につき、点と点がつながった瞬間なのです。
早期戦力化に効く業種
――特に、どのような企業・教育現場・業種におすすめですか。その理由もあわせて教えてください。
(CS担当)幅広く使えるとしたうえで、まず挙げられるのは、新入社員や中途入社の方の早期戦力化です。一度に多くを覚える必要がある人ほど、スピーディーに吸収し、実践へ移せます。
業種としては、マニュアルや資料が多い企業と相性がよく、次のような業種でとりわけ力を発揮します。
- 製造業をはじめ、多くの機械や商品を扱う企業
- 法改正への迅速な対応が要る業務
- 資格取得が求められる業種
動画・漫画へ広がる展望
――今後の機能の進化と、その先に見据える教育の未来について教えてください。
(開発者)機能面では、動画への展開を見据えています。いまは図解が中心ですが、動画のほうが分かりやすい場面も多いからです。さらに漫画も構想中で、「なりたい自分」と「なりたくない自分」を物語で見せ、研修の最初に読んでもらうことで学ぶ動機を引き上げる狙いです。
視野は、企業研修の枠を超えています。いまの教育は平均に合わせて設計され、そこから外れた人には届きにくいです。けれど人は、興味を持てば力を注ぐものです。
AIがその人の興味を見つけ、一人ひとりに教育プランを差し出します。学校も企業研修も、AIが個別の家庭教師のように寄り添い、その人の力を伸ばしていきます。そんな未来を思い描いています。
まず試してほしい理由
――導入を迷っている人事・教育のご担当者に、まず何から試してほしいですか。
(CS担当)導入を迷っているなら、まずは実際に作ってみていただければと思います。手元の資料を渡してもらえれば、お試しの教材を作って見せることもできますし、無料でお試しいただける環境もご案内しています。
資料を読み込ませれば、できあがる図解にまず驚き、問題の出来栄えに手ごたえを感じてもらえるはずです。
――導入を検討される方へ、開発に込めた思いを教えてください。
(開発者)学ぶことも成長することも、本来はもっとワクワク楽しいものであってほしいです。勉強は苦痛だというイメージを、AIが変えていきます。
その人に合った学びや伸ばすとよい力が示され、成長の過程そのものを楽しめます。AI BOATを、そんな未来へのちょうどよいスタートにしたいと考えています。
生成AIは、登場してからまだ日が浅い、発展途上の技術です。だからこそ、ITはこうあるべきという先入観を手放して使えば、新しい可能性が体感できます。
完成度はまだ道半ばですが、それも伸びしろであり、「100点になったらどうなるだろう」と楽しみながら使ってほしいと思います。使う人から寄せられた声は開発チームへ届き、製品は使うほど良くなっていきます。ぜひ使って、感じたことを寄せてほしいです。それが、いちばんのメッセージです。
まずは手元にある資料を読み込んで、教育の自動化を体感しましょう
「実際にどう活用していくのか見てみたい」という方向けに、無料お試し環境をご用意しています。手元にある「一番分厚くて誰も読んでいないマニュアル」を1冊、無料デモで読み込ませてみてください。
また、インソースのテキストを事前セットしたプランもご用意しています。自社で資料をご用意いただかなくても、すぐにお試しいただけます。詳しくはサービスページをご覧のうえ、トライアルにお申し込みください。


