インソース マーケティング&デザイン室

多様な働き方時代のマネジメント術 ~「攻め」と「守り」の両輪で職場環境を改善する

近年、企業における働き方は大きく多様化しています。フレックスタイム制やリモートワークが普及する一方で、管理職の方からはチーム内のコミュニケーション不足や部下のコンディション把握に関する悩みが聞かれるようになりました。

このような状況だからこそ、チームのパフォーマンスを最大化するために、あらためて「心理的安全性」や「上司と部下の信頼関係」が重要視されています。

部下が安心して力を発揮できる職場環境をどのように整えれば良いのか、そのために管理職として何をすべきか、具体的なアプローチを模索されている方もいらっしゃるかもしれません。従業員エンゲージメント部下の主体性労務管理、これら3つのキーワードから解決のヒントを探ります。

本コラムでは、職場環境向上プランとして、従業員エンゲージメントの向上、主体性を引き出す部下指導、そして適切な労務管理の知識習得という3つの視点から、信頼される管理職になるための総合的なアプローチをご紹介します。

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攻めのマネジメント①:働きがいを生む「従業員エンゲージメント」

管理職向け従業員エンゲージメント向上研修~働きがいのある職場づくりでチームの活性化をはかる

従業員一人ひとりが幸せを感じ、会社に愛着を持ち、自発的に組織に貢献しようとする「従業員エンゲージメント(EE)」の向上は、チームの活性化、生産性の向上、さらには離職防止にも繋がる重要な取り組みです。

働きがいのある職場を作り上げるためには、まずEEを構成する3つの要素を理解し、それぞれにアプローチしていくことが求められます。

エンゲージメントを高める3つの視点

  • 風通し: 信頼関係から生まれる安心感を育むことです。日頃の挨拶やコミュニケーションを意識し、自ら率先して自己開示を行い、部下との対話を深めていくことで、半径5メートル以内の人間関係を充実させることができるでしょう。無意識の思い込みに気づくことも、多様な部下を受け入れる第一歩となります。
  • 見通し: 部下が前向きに将来の会社の姿や自身のキャリアを描けるよう、視界を良好にすることです。会社や部署の目標、大切にしたい価値観を自身の言葉で伝え、部下にとってのキャリアパスやロールモデルのヒントを提供することで、仕事に集中できる環境を整えることができます。
  • 一体感: 個人の成長と組織の発展が連動している実感を持たせることです。部下が一体感を得られるような仕事の任せ方を工夫し、支援型リーダーとして「理」と「情」を用いた関わり方をすることで、部下の成長を支援し、チーム全体の結束力を高めることができます。

これらの視点から、具体的なマネジメント手法を実践することで、従業員エンゲージメントの向上を図り、チームを活性化できるでしょう。

【公開講座】管理職向け従業員エンゲージメント向上研修~働きがいのある職場づくりでチームの活性化をはかる

本研修では、従業員エンゲージメント(EE)の3つの要素「風通し」「見通し」「一体感」を学び、チームの活性化につなげる手法を習得します。働きがいのある職場環境づくりを進め、チームの生産性向上や離職防止を実現したい管理職の方におすすめです。

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攻めのマネジメント②:部下の主体性を引き出す育成法「EAST」

行動経済学を活用した部下指導研修~部下の主体性を引き出す4つのポイント

部下が指示待ちの姿勢から抜け出せず、すぐに答えを求めてしまう、あるいは世代による価値観の違いから伝えたいことが伝わらないといった悩みは、多くの育成担当者が直面する課題です。

部下の主体性を引き出し、自ら考え行動できる人材に育成するためには、人を動かすためのフレームワーク「EAST」を活用したアプローチが有効です。

部下の主体性を引き出す4つのポイント(EAST)

  1. E(Easy: 行動のハードルを下げる): 部下が主体的に動きやすいよう、行動のハードルを下げることが重要です。必要な情報を十分に与え、業務マニュアルを整備し、明確な育成計画を立てることで、部下が自分で考え行動するための土台を作ることができます。
  2. A(Attractive: 目的意識を持たせる): 部下が「何のためにその業務を行うのか」という目的意識を持つことで、自ら考え行動するようになります。業務の目的を明確に伝え、さらに部下自身のキャリアの視点から業務を捉えさせることで、モチベーションの向上に繋げることができるでしょう。
  3. S(Social: 周囲の期待を伝える): 部下は周囲の期待に応えたいと考えるものです。期待することを具体的に伝え、質の高いフィードバックを定期的に行うことで、部下は自身の行動を調整しやすくなります。また、「ほめる・叱る」を適切に行うことも重要です。
  4. T(Timely: 適切なタイミングで介入する): 上司の介入は、多すぎても少なすぎても部下の成長を妨げる可能性があります。部下のレベルや状況に合わせて、適切なタイミングでサポートを提供することで、部下の自律的な成長を促すことができるでしょう。

これらのポイントを押さえることで、部下の主体性を効果的に引き出し、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献できるはずです。

【公開講座】行動経済学を活用した部下指導研修~部下の主体性を引き出す4つのポイント

本研修では、行動経済学の視点から部下の行動を分析し、EASTのフレームワークを用いて主体性を引き出す指導法を習得します。「指示待ち部下」を改善したい、部下の育成に悩む管理職の方におすすめです。

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守りのマネジメント:労務管理で職場の安心を支える

労務管理研修~働きやすい職場環境を整備する手法を学ぶ

労務管理の知識は、管理職にとって必須のスキルです。

働き方改革が進む現代において、快適で生産性の高い職場環境を形成するためには、労働基準法などの基本的な法律知識に加え、タイムマネジメントやメンタルヘルスに関する理解を深めることが不可欠です。

法律をただ知っているだけでなく、「現場でどのように活用するか」という実践的な視点を持つことが、部下から信頼される管理職への第一歩となります。

快適な職場環境を形成するための実践的な取り組み

  • 労務管理の基本を理解する: 労務管理の定義や労働政策の変遷、そして管理者としての心構えを学ぶことで、その重要性を深く認識できます。
  • 労働法規の基礎を習得する: 労働基準法や労働安全衛生法のポイントを確実に押さえることは、法令遵守はもちろん、部下に安心感を与える上で不可欠です。特に、メンタルヘルスケアを含む健康障害防止に関する制度についても理解を深めることが求められます。
  • リーダーとしてのタイムマネジメント: 組織全体の生産性を高めるためには、リーダー自身がタイムマネジメントスキルを習得し、残業削減の取り組みを主導することが重要です。人員の適正配置や業務ごとの標準時間設定、部下への適切な行動管理などを通じて、具体的な残業抑制策を共有し実践できます。
  • メンタルヘルス(ラインケア)の実践: チームメンバーの特徴や傾向を把握し、職場環境の問題点を見つけて改善する能力は、部下の心身の健康を守る上で非常に大切です。予兆を早期に把握し、傾聴の姿勢で話を聴くスキルを身につけることで、部下が安心して相談できる関係性を築けるでしょう。
  • ワーク・ライフ・バランスの推進: 仕事と生活の調和を目指すワーク・ライフ・バランスの考え方とその具体的な取り組みを理解し、職場に導入していくことで、従業員全体の満足度向上に貢献できます。

これらの知識を習得し、実践することで、管理職は「守り」の視点から部下と組織を支え、より働きやすい職場環境の整備に貢献できるでしょう。

【公開講座】労務管理研修~働きやすい職場環境を整備する手法を学ぶ

本研修では、労務管理の基礎知識からラインケア、タイムマネジメントまで、管理職に必要な「守り」のスキルを体系的に学びます。法令遵守と部下の健康を守る視点を身につけ、より良い職場環境を構築したい管理職の方に最適な研修です。

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まとめ:「攻め」と「守り」の両輪で、信頼される管理職へ

働き方が多様化する中で、部下のコンディション把握やコミュニケーション不足といった課題は、組織共通の悩みになりつつあります。こうした状況だからこそ、チームを成功に導くために不可欠なのが「心理的安全性」を軸としたマネジメントです。

部下が安心して力を発揮できる環境をつくるため、積極的に関わる「攻め」のマネジメントと、いざという時に支える「守り」の労務管理を身につけていきましょう。

職場環境向上プラン~労務管理と部下のモチベーションコントロールを学ぶ

このように、「従業員エンゲージメント」、「部下の主体性」、「労務管理」という3つの視点から、段階的かつ実践的にスキルを高めていくことが可能です。そして、これらを一貫して体系的に学べるのが、インソースの公開講座セットプラン 「職場環境向上プラン~労務管理と部下のモチベーションコントロールを学ぶ 」です。

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