株式会社インソースマーケティングデザイン 専務取締役 井東 昌樹

【流れ図×2軸整理】見える化で鍛える図解思考~視点を養うコツ4

視点を養うコツ 見える化で鍛える図解思考 流れ図でわかりやすく全体像を把握2軸整理で新しい気づきを得よう

今回は「視点を養うコツ」の第四弾、「事象の整理・分析」をテーマにお話しします。これまでにお話してきた内容、思考習慣を活用しつつ、もう1ステップ先に進むための考え方です。

ビジネスパーソンとして活躍するための必須スキルともいえるので、ぜひ最後までお付き合いください。

本記事の著者:井東昌樹
東京大学教育学部卒。1990年に三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、国内外の営業などに従事。中堅アパレル企業、外食チェーン企業で、幹部として現場に入り、企業再生に取り組む。23年に株式会社インソースマーケティングデザイン専務取締役に就任。
著書:『小さな会社の幹部社員の教科書』(株式会社 日経BP)

>【スキマ時間で社会人力を磨く】視野を広げる思考の習慣~視点を養うコツ1
>【語彙力アップが鍵】できる人の報連相~視点を養うコツ2
>【考える力を養う】ビジネスに役立つ思考習慣~視点を養うコツ3

モノ・コトを流れ図で理解!わかりやすく情報を整理しよう

これまでの「視点を養うコツ」では、視野の広げ方やモノ・コトの伝え方、情報の引き出し方などを話してきました。そしてそれらの各所に出てきた「(モノ・コト・情報などを)整理すること」について、苦手意識のある方も多いのではないでしょうか。

モノ・コトを分かりやすくとらえるためには、流れ図で考えます。

人が書いた流れ図を見るだけでなく、一つの事象、現象を自分で流れ図にしてみることが大切です。流れ図にするには、ポイントを押さえる必要があり、同時に全体像を把握できるため、視点を養うことにもつながります。

例:営業を流れ図にして考える

営業を流れ図にして考える

マネジメントレベルで問題解決!要件を洗い出そう

営業を流れ図にして、各々のポイントで何が必要なのか、どうすべきなのかを洗い出してみると、営業で必要な要件が整理しやすくなります。そして、洗い出した問題点に対して、「なぜ?」という疑問を持ち、その原因を考えることが問題解決のための第一歩です。続いて、どうしたら状況を改善・脱却できるのか、方法論・必要要件を具体的に考え、対策を講じます。

例:提案のポイントで案件が止まってしまった

提案のポイントで案件が止まってしまった。要件の洗い出し

このように、流れ図にして考えることで個人レベルでの必要要件が整理できるだけでなく、マネジメントレベルにおいても、案件が滞ってしまった場合などに、どのポイントが障害になっているかを把握し、対策・改善に繋げることができます。

2軸の整理で視点を養う!図表に落とし込む習慣づけ

前述した流れで物事を捉えることは、言い換えると1つの軸で考えているためシンプルでわかりやすい構造です。考えや情報を大枠で整理するのに適していますが、より具体的に理解し、見えていなかった部分から気づきを得るには2軸で考えることが有効です。

事象・現象のポイントを2軸で考えて図表に落とし込む習慣をつけることによって、視点が養われていきます。

この視点については、いくつかのパターンを頭に入れておくだけで活用できるタイミングが多々ありますが、特に、「時間軸」を用いる整理の仕方は、習得すべき必須項目です。

例:営業取引先を分析(表1)

顧客売上高と銀行収益の2軸で営業取引先を分析した表の例

「顧客売上高」と「銀行収益」の2軸で表1を作成しました。売上高が高く、取引の少ない先は、取引拡大のチャンスが大きいと判断し、積極的に攻めます。一方で、売上が小さい会社には、あまり労力をかけないでメンテナンスをします。このように取引先を2軸で明確に区別し営業をした結果、銀行営業時代に担当していた預金・融資の取引が大幅に増えました。

例:業務進行表・プロジェクト管理表など(表2)

縦軸に事項、横軸に時間軸を用いた業務進行表の例

表2は、縦軸に事項、横軸に時間軸を用いた表です。このように「時間軸」を用いることで、モノ・コトの入口~出口(=全体)を捉えることができます。それはつまり、仕事の全体像をつかむことにつながり、プロジェクトの管理もしやすくなります。このような表は最も頻繁に使用され、よく目にする一方で、経験のない人は意外にもスッと作成できないものです。

これらの図表を用いた考え方は習慣づけることで、自然とできるようになります。そして、重ね重ねにはなりますが、特に「時間軸」を用いる整理の仕方は、習得すべき必須項目です。事象や現状の整理をする際に、ぜひ試してみてください。

図解力向上研修~情報を整理し、分かりやすくする編

図解化の基本的な手法と、図解化するための基本となるロジカルシンキングの基礎を学びます。

図解方法の種類や使い方などの基本的なことを座学で学び、文章やデータの図解化ワークを通じて、現場で実践ができる応用力を身につけます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • どのように図を使えば相手にとってわかりやすいのかをいまいちつかめていない
  • 伝えたい内容に適した図の選び方、使い方を学びたい
  • 長々と文章を書いてしまいがちなので、簡潔で分かりやすい資料を作りたい

本研修の目標

  • 図解を、自身の考えを整理するツールとして使用できる
  • 伝える目的に応じて、適した図解とは何かを考えられる
  • 図解を使って全体像やポイントがわかりやすいアウトプットをする

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セットでおすすめの研修・サービス

業務フロー作成研修~業務の視覚化で、改善やリスク管理につなげる

業務フローの作成・運用は個別業務の属人化を防ぎ、衆知を集めての業務運用を可能にします。

業務の流れを明確化することで「業務改善」や「リスク管理」へとつなげていただくことを目的としております。業務の効率化や生産性向上の施策における、最初の取り組みとして大変おすすめの講座です。

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はじめてのデータ分析研修~データを読み解く力を習得する

データに基づいて考えることへの意識を高め、日頃から数値に慣れ親しんでいただきます。

身近なデータを扱い、それらを読み解く演習を繰り返し行うことで、実務経験のない方でもデータの読み方を理解していただくことができます。

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Webを活用した課題解決~採用強化と売上向上をWebで実現

インソースグループのWebサイト制作会社 株式会社インソースマーケティングデザインが担当しているサービスの一覧です。

20年にわたって様々な課題に触れることによって蓄積してきた多くのノウハウを活かし、Webでお客様の課題解決をお手伝いします。

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