パワポの応用的な機能で、資料のクオリティをさらに高める~ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン4
本記事では、一歩進んだPowerPointの便利な機能や、資料作成の質を高めるための応用テクニックについてご紹介します。
これらの機能を使いこなすことで、共同作業の効率化、プレゼンテーションの魅力向上、そして作業の自動化まで視野に入れることができます。
コメントの挿入
複数人で資料を作成したり、上司や同僚からフィードバックをもらったりする際、メールやチャットでやり取りすると、どこを修正すべきか分かりにくくなりがちです。
PowerPointのコメント機能を活用すれば、こうした問題を解消できます。
- コメントの挿入: スライド上の特定の箇所や、テキスト、図形に対して直接コメントを挿入できます。「校閲」タブから「コメント」を選択し、具体的な修正指示や疑問点を書き込むことで、どの部分に対するフィードバックなのかが明確になります。
- コメントの管理: 挿入されたコメントは一覧で確認でき、返信したり、解決済みとしてマークしたりすることも可能です。これにより、フィードバックのやり取りが非常にスムーズになり、誤解も減らせます。
共同作業の効率を劇的に向上させる機能なので、ぜひ活用してください。
リンクの挿入
PowerPointの資料は、PDFなどのデータ形式で活用されることも多くあります。そのため、関連情報へのアクセスを容易にするリンクの挿入は非常に有効です。
- Webページへのリンク: 参考にした情報源や、関連するWebページへのリンクを挿入することで、受け手が詳細情報をすぐに確認できるようになります。
- ファイルへのリンク: 添付資料や補足資料が別のファイルにある場合、そのファイルへのリンクを挿入することで、資料を配布する手間が省けます。
- スライドへのリンク: プレゼンテーション中に特定の関連スライドにジャンプしたい場合、「このドキュメント内」を選択し、そのスライドへのリンクを設定することで、スムーズな進行が可能になります。目次から各章のトップページへ飛ぶ、といった使い方も便利です。
特にスライドへのリンクは、ページ数の多いプレゼンテーション資料などに効果的です。情報の網羅性を高めつつ、スライドをシンプルに保つことができます。
アクセシビリティチェック
特に企業のIR資料など公的なものの場合、資料が多様性に配慮したものかどうかも注意が必要です。
作成した資料が、色覚特性を持つ人や、スクリーンリーダーを利用する人など、多様な人々にとって「読みやすい」「理解しやすい」ものであるかを確認するのがアクセシビリティチェックです。
PowerPointの「校閲」タブにある「アクセシビリティのチェック」機能を使えば、代替テキストの不足(画像の説明がない)、コントラストの低い色使い、読み上げ順序の問題など、アクセシビリティ上の課題を自動的に検出してくれます。
例えば、「色なしの確認」をクリックすると、現在の資料をグレースケールで見た場合のビジュアルを確認できます。この状態で読みづらい資料になっている場合は、情報の整理や色の明暗を見直す必要があります。
より多くの人に情報が正確に伝わるようにするために、この機能を活用して資料の品質を高めましょう。
PowerPointが重い時の対処法
多くの画像や複雑な図形、動画などを挿入すると、PowerPointファイルが重くなり、動作が遅くなることがあります。プレゼンテーション中にフリーズするなどのトラブルを避けるためにも、以下の対処法を試しましょう。
- 画像の圧縮: 挿入した画像を選択し、「図の形式」タブにある「図の圧縮」機能を使うと、画質を保ちつつファイルサイズを小さくできます。
- 不要なマスターの削除: スライドマスターに不要なレイアウトが多数残っている場合、それらを削除することでファイルサイズが軽くなることがあります。
- 一時ファイルの削除: PowerPointが生成する一時ファイルが溜まっている場合も動作が重くなる原因になります。
これらの対処法で、快適な作業環境を保ちましょう。
PowerPointマクロ、生成AIの活用について
さらに作業を効率化したり、新しい表現を追求したりするためには、PowerPointのマクロや生成AIの活用も視野に入ってきます。
- PowerPointマクロ: 繰り返し行う定型作業(例:複数のファイルを一つにまとめる、複数のスライドを特定の形式で保存する)を自動化できる機能です。VBA(Visual Basic for Applications)の知識が必要ですが、一度作成すれば、ボタン一つで複雑な作業を完了させることができます。
- 生成AIの活用: 最近では、テキストから画像を生成するAIや、アイデア出し、構成案の作成をサポートするAIツールも登場しています。これらのAIツールとPowerPointを組み合わせることで、デザインのインスピレーションを得たり、資料の骨子を素早く作成したりと、作業のプロセスを大きく変える可能性があります。
これらはやや上級者向けの知識になりますが、将来的な効率化や表現の幅を広げる手段として、知っておくと良いでしょう。
まとめ~ワンランク上の資料作成のために
この章では、PowerPointの校閲機能、リンク挿入、アクセシビリティチェック、ファイル軽量化のコツ、そしてマクロや生成AIといった、一歩進んだ機能と活用法について解説しました。
これらの機能を適切に使いこなすことで、資料作成の効率を飛躍的に高め、より魅力的なプレゼンテーションを実現することが可能になります。
ぜひPowerPointスキルをさらに向上させて、ワンランク上の資料作成を目指してください。
【動画教材】ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン講座
本動画では、デザイナーではない方でも簡単に実践できる基本的な考え方とテクニックを解説します。
基本的なレイアウトのルールから、表や写真の扱い方、色の使い方まで、すぐに業務に活かせるデザインの基礎テクニックを学べます。
また、クイックアクセスツールバーの設定や校閲機能など、作業効率を大幅に向上させるPowerPointの機能活用法も紹介します。
本講座のゴール
- デザインはセンスではなく論理の積み重ねであることを理解する
- 相手目線と引き出しの考え方でデザインの質を高める方法を習得する
- 今日から使える基本的なデザインテクニックを実践できるようになる
- PowerPointの効率的な機能活用方法を習得する
よくあるお悩み・ニーズ
- デザインにはセンスが必要だと思い、自信が持てない
- 凝りすぎて時間がかかるのに、なかなか見栄えが良くならない
- 基本的なルールやテクニックを知りたい
- PowerPointの便利な機能をもっと活用したい
対象者
- デザインに苦手意識がある方
- 業務効率化のためにPowerPointの基本機能から応用まで身につけたい方
- 営業資料やプレゼン資料の質を上げたい方
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