インソースマーケティング&デザイン室

素人デザイン基本の「き」は、「相手目線」と「引き出し」~ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン1

PowerPointで資料を作る際、

  • 「いまいち伝えたいことが伝わらない」
  • 「どうも野暮ったくて垢ぬけない」
  • 「どうしたら良くなるか分からない」

と感じることが、誰しも一度はあるかと思います。

一昔前は「デザインは専門家だけ」のものと思われていましたが、現在はPowerPointの機能も進化し、洗練された見やすい資料を作ることもできるようになりました。今や、ちょっとしたコツを知るだけで「プロっぽく」資料を作ることは簡単といえます。

本コラムでは「ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン」と題して、デザインの専門知識がない方でもすぐに実践できる素人デザイン基本の“き”をお伝えします。

デザインはセンスではなく、ロジックの積み重ね

「自分にはデザインセンスがないから無理」と諦める必要はありません。

デザインスキルは、一部の人だけが持ち合わせる「センス」ではなく、実は誰でも鍛えることができるロジックの積み重ねの力です。例えば、読みやすさのために文字の大きさを調整したり、情報の優先順位を色で示したり、というのはすべて論理的な理由に基づいています。

私たちは普段、無意識のうちに「これは見やすい」「これは読みにくい」と感じています。その感覚の裏には、文字のサイズ、行間、配置、色のコントラストなど、さまざまなデザインのロジックが隠されています。これらのルールを分解し、一つずつ理解することで、論理的に「伝わるデザイン」を作り上げられるようになります。

デザインスキルの肝は「相手目線」と「引き出し」

デザインは、単にお洒落で美しければ良いというものではありません。ビジネスにおけるデザインの最終目的は、相手に情報を伝え、行動を起こさせることです。

最も大切なのは、相手目線に立つこと

この最終目的を達成するために最も大切なのは、「誰に」「何を」「どう伝えたいか」という相手目線が不可欠です。

会議資料と営業資料では、デザインのトーンや情報の盛り込み方が異なります。相手の知識レベルや関心に合わせてデザインを調整することで、資料の伝わり方は格段に向上します。例えば、以下のような資料は相手目線に立ったデザインといえます。

  • 相手がエグゼクティブの場合は、文字と数字の情報が多く信頼感のある資料にする
  • 相手が資料に興味を持っていない場合は、図や写真を多くして読むハードルを下げる
  • 相手が不特定多数の場合は、ユニバーサルデザインに配慮した配色を心がける

例:カラーユニバーサルの配慮

図1-1

引き出しは、日々の努力で増やす

また、デザインスキルのもう一つの要素は「引き出し」の多さです。これは、色々なデザインパターンや表現方法を知っているかどうか、ということです。

最初から完璧なデザインを作ることはまず不可能です。また引き出しの量は無意識で自然に増えていくものではありません。筋肉を鍛えるように、日々増やそうと努力をするほかありません。

具体的には、良いデザインの例をたくさん見たり、実際に手を動かして試したりすることで、引き出しは着実に増えていきます。引き出しを増やす方法には、例えば、以下のような方法があります。

  • デザインが上手い人の資料や、書籍に載っている例を真似してみる
  • インターネットで見られる広告デザインをトレースしてみる
  • 美術館や写真展に足を運び、構図や配色を意識して見てみる

ただし、引き出しは「相手目線」という土台の上にあるものです。デザインの勉強をし始めると「この手法を使ってみたい」という気持ちが起こりますが、手段を目的化せず、あくまで相手が理解しやすくなるかどうかをベースにデザインすることが重要です。

図1-3

技術・ツールの発展とデザイン業務の関係について

近年、PowerPointなどのプレゼンテーションツールは目覚ましい進化を遂げています。

テンプレートの種類が増えたり、画像編集機能が充実したり、AIを活用したデザイン提案機能が搭載されたりするなど、ノンデザイナーでも質の高い資料を作りやすくなっています。

しかし、どんなに優れたツールを使っても、デザインの基本的なロジックを知らなければ、その機能を最大限に活かすことはできません。ツールはあくまであなたのアイデアを形にする「手段」であり、デザインの本質ではありません。

最新のツール機能を活用しつつも、普遍的なデザインの原則をしっかりと理解することで、どんなツールを使っても「伝わるデザイン」を生み出す力を養うことが必要です。

まとめ

プレゼンテーションや資料作成の技術には、内容の構成やストーリーテリングなど、多岐にわたる要素が絡み合います。その中で「デザイン」は、相手に情報を伝える際、その情報の優先度や強度を操作するテクニックといえます。

本コラムでは、「ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン」の導入として、デザインがセンスではなくロジックの積み重ねであること、相手目線と引き出しの重要性、そして技術・ツールの発展とデザインの本質について触れました。

皆さまのPowerPoint資料が「伝わるデザイン」へと進化するための第一歩を、ここから踏み出していただけますと幸いです。

【動画教材】ノンデザイナーのためのPowerPointデザイン講座

本動画では、デザイナーではない方でも簡単に実践できる基本的な考え方とテクニックを解説します。

基本的なレイアウトのルールから、表や写真の扱い方、色の使い方まで、すぐに業務に活かせるデザインの基礎テクニックを学べます。

また、クイックアクセスツールバーの設定や校閲機能など、作業効率を大幅に向上させるPowerPointの機能活用法も紹介します。

本講座のゴール

  1. デザインはセンスではなく論理の積み重ねであることを理解する
  2. 相手目線と引き出しの考え方でデザインの質を高める方法を習得する
  3. 今日から使える基本的なデザインテクニックを実践できるようになる
  4. PowerPointの効率的な機能活用方法を習得する

よくあるお悩み・ニーズ

  • デザインにはセンスが必要だと思い、自信が持てない
  • 凝りすぎて時間がかかるのに、なかなか見栄えが良くならない
  • 基本的なルールやテクニックを知りたい
  • PowerPointの便利な機能をもっと活用したい

対象者

  • デザインに苦手意識がある方
  • 業務効率化のためにPowerPointの基本機能から応用まで身につけたい方
  • 営業資料やプレゼン資料の質を上げたい方

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セットでおすすめの研修・サービス

人を動かすPowerPoint資料の作り方研修~センスに頼らず、相手目線で効率的にデザインする

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