【人事評価制度への不満2】通常業務ができないくらい面倒!真面目になんてやってられない

【人事評価制度への不満1】では、組織の求める社員人材要件と評価項目がマッチしていないことの是正、あるいは職場での行動を促す文化の醸成について言及しました。ここでは、評価制度の「運用そのもののハードルを低くすること」について考えます。
評価表を紙ベースで持ちまわる運用は、保管リスクが高くなります。また、評価表が自由記述ばかりで構成されると完成させるのに手間がかかり、被評価者や評価者によって差が出やすくなります。「人事評価制度をどう設計するか」だけでなく、「それをどう運用するか」でその成果は大きく変わることを認識しておきましょう。
素晴らしい評価制度も、それを実際に使う人達が面倒くさい、大変だ、実務をひっ迫させる困ったものだと思っていては、適切な運用はできません。サクサク簡単に進められるから、制度の意義をきちんと自覚して、毎回前向きに取り組む余裕がある。これくらい楽な運用を目指す必要があります。
自組織にふさわしいツールをどのように決めたらよいか?
とはいえ、どんなツールを使うと運用しやすいかは一概にはいえません。組織の状況やかけられるコスト、何を重要視するのかによって異なります。以下に、評価制度によく用いられるツールと、その特徴をまとめました。
1.表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート)
- 特徴:テンプレートを作って全員が同じフォーマットで評価を入力できる。自動集計やグラフ化が簡単
- メリット:導入コストが低く、すぐに始められる。共有設定すれば評価者・人事が同時にアクセス可能
- デメリット:評価シートを人事が一人ひとりに配布・回収し、集計する必要がある。間違ったファイルを開いたり、旧バージョンに入力したりと「バージョン管理の混乱」が起きやすい。過去の評価を時系列で追うのが難しく、ファイルが膨大になりやすい
- 適した組織:小規模〜中規模、まずは「シンプルに始めたい」企業
2.人事評価システム(クラウド型ツール)
- 特徴:評価シート入力・承認フロー・履歴管理を一元化できる。目標設定からフィードバックまでの運用をサポート
- メリット:公平性や透明性を高められる。紙やExcelでの転記作業を削減できる
- デメリット:導入・運用コストがかかるわりに、自社の評価制度に完全に合わないことがある。評価者・被評価者がツールに慣れるまで操作教育が必要。クラウド上に社員の評価データを保存するため、ベンダーのセキュリティ水準を十分に確認する必要がある
- 適した組織:中規模〜大規模、評価者が多く管理が複雑になりやすい企業
3.1対1のやりとり、フィードバック用ツール
- 特徴:日常的に簡単にコメントやフィードバックを記録できる
- メリット:評価時に過去の行動記録を参照できるため、評価が「印象」ではなく「事実」に基づきやすくなる
- デメリット:記録は残るが評価と直結しにくく、「誰の部下かによって記録の質が違う」状態になり、不公平感につながることも。毎回ツールに入力しなければならず、特に多忙な管理職にとっては業務が増えたと感じられ、形骸化しやすい
- 適した組織:成長支援やエンゲージメントを重視する企業
4.ハイブリッド型(自社カスタマイズ)
- 特徴:基本はスプレッドシートや社内システムを使いながら、一部をクラウドサービスで補完
- メリット:コストを抑えつつ、自社の文化や業務フローに合わせた運用が可能
- デメリット:Excel・社内システム・クラウドサービスが混在すると、どの情報が最新か、どこに入力するかがわかりにくくなる。システム更新のたびに調整や修正が発生し、人事や情報システム部門の負担が大きくなる。データが分散しやすい
- 適した組織:既存システムを持っていて、そこに「評価だけ」柔軟に載せたい企業
これらの特徴とメリット・デメリットを見比べて、効果の最大化と費用の最小化をうまくバランスさせられるものを選ぶとよいでしょう。
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人事評価制度への不満シリーズ
- 評価される人がどんなひとかが分からないから、頑張りようがない
- 通常業務ができないくらい面倒!真面目になんてやってられない
- 評価面談が苦手はただの言い訳。イケてない上司を脱却するマインドセットと準備


