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下請法から取適法へ改正、2026年1月から施行!取引リスクを未然に防ぐために、いま組織がすべきこと

下請法(正式名称:下請代金支払遅延等防止法)から取適法(正式名称:中小受託取引適正化法)への改正により、対象となる取引や、委託事業者との取引において遵守すべき事項が拡大しました。多くの組織にとって、インパクトのある法改正ではないでしょうか。

本記事では、取適法への改正ポイントを整理するとともに、企業・組織として取り組むべき対応について解説します。

取適法 特に押さえておきたい改正のポイント3つ

令和8年1月1日の施行に伴う取適法の改正内容は、公正取引委員会が要点をまとめています。改正内容をふまえると、組織が押さえておきたい法改正のポイントは大きく3つにまとめられます。

参考:公正取引委員会『●中小受託取引適正化法ガイドブック●「下請法」は「取適法」へ~知っておきたい制度改正のポイント~』
https://www.jftc.go.jp/file/toriteki002.pdf(最終アクセス:2026/1/20)

ポイント1.用語の見直し

取適法への改正に伴い、用語がより中立的かつ実態に即した表現に見直されました。これまで用いられてきた、上下関係を強調する「親事業者」「下請事業者」などの呼称は、取引の役割や実態を示す「委託事業者」「中小受託事業者」と変更されています。

下請法での用語 取適法での用語
下請代金支払遅延等防止法 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の遅延等の防止に関する法律
親事業者 委託事業者
下請事業者 中小受託事業者
下請代金 製造委託等代金

ポイント2.適用対象の拡大

取適法の改正により、委託事業者・中小受託事業者の基準が見直され、従来の資本金要件に加えて、従業員数も事業者の基準として拡大されました。また、対象取引には、荷主が自社の事業のために行う物品の運送を運送事業者へ依頼する「特定運送委託」も新たに追加されています。これまで取適法の適用外と認識されていた取引についても、改正を受け、契約内容や実務対応を見直すことが求められています。

ポイント3.委託事業者の禁止事項の追加

取適法の改正により、委託事業者に対する禁止事項が拡充され、支払方法や代金決定の在り方について、取引の適正性がこれまで以上に厳しく問われることとなります。手形払いは原則として禁止され、電子記録債権やファクタリングを利用する場合であっても、支払期日までに手数料等を含めた代金全額が中小受託事業者に支払われない取引は、法令違反となります。

また、十分な協議を行わずに一方的に代金を決定または据え置く行為や、正当な理由を示さない代金の減額も新たに禁止されました。委託事業者には、取引先と丁寧に協議を行い、その経緯や判断根拠を記録として残すなど、透明性の高い取引プロセスを整備することが求められます。

組織として対応すべきこと

取適法の内容を理解すべき従業員は、一部の担当者に限られるものではありません。委託先への取引は、幅広い部署で日常的に行われており、取適法への違反リスクは組織内に偏在しています。したがって、取引の適正性は一部の担当者だけの問題ではなく、組織全体で向き合うべき課題であり、取引に関与する可能性のあるすべての従業員が、今回の法改正を理解する必要があります。

「今までこうしてきたから」「前も問題なかったから」という現場の判断によって法令違反を犯さないよう、組織全体で法令遵守に向けた取り組みが求められます。

自社取引の現状整理と影響範囲の洗い出し

取適法への改正により、これまで想定していなかった取引が規制対象となる可能性があります。まずは、自社が行っている取引の全体像を把握し、どの取引が取適法の影響を受けるのかを整理することが重要です。発注形態や取引先の規模、継続性などを確認し、リスクが生じ得る取引を明確にすることで、適切な対応につなげることができます。

契約条件・発注プロセスの見直しと整備

取引の適正性を確保するためには、契約内容や発注時の運用を見直すことが欠かせません。契約書や発注書において、業務内容や対価、支払条件が明確になっているかを確認し、不十分な点があれば更新・整備する必要があります。また、価格や条件を変更する際の協議プロセスを整理し、記録として残す仕組みを整えることも重要です。

従業員一人ひとりの理解を高める教育の実施

取適法への対応は、ルールや書面を整えるだけでは十分とは言えません。実際に取引を行う現場担当者が制度を理解し、適切に判断できることが不可欠です。条文解説にとどまらず、具体的な事例や現場で起こりがちなケースを通じて学ぶことで、無意識のリスクを防ぐことができます。組織全体で共通理解を持つための教育が、取引リスク低減の鍵となります。

組織からの学習機会の提供により、従業員全体の「取適法」理解度を底上げできる

業務に関連する法律や制度などのように、すべての従業員が理解すべき知識や考え方は、組織が学習の場を設け、学びのきっかけを与える必要があります。その方法としては、資料の配布や、読むべき本・サイトなどの提示なども考えられますが、学習効果を担保するうえでは研修の実施が有効です。

対象者が多い場合は、費用面や時間的な実施可能性の観点から、動画教材を用いたeラーニング型の研修がフィットします。組織の実情に合わせた形式で、全従業員が「取適法」のポイントを理解できた状態を目指しましょう。

取適法~中小受託取引適正化法

eラーニングである本講座では、取引の公正化を図って中小受託事業者の利益を保護し、委託事業者による不利益な取扱いを規制する取適法の基本知識を習得できます。

①取適法の対象となる5つの取引類型、②委託事業者が遵守すべき4つの義務と11の禁止事項、③違反事例と適切な対応方法について、弁護士監修のもと体系的に解説しています。

「全従業員に周知したいが、忙しい人も多いので教材を見てもらえるか心配」「概要だけでも、すぐにキャッチアップするための教材がほしい」といったニーズにお応えして、特に重要なエッセンスを抽出した短時間版もリリースしました。用途や対象層にフィットした方をお選びいただけます。

本講座のゴール

  1. 取適法の背景・目的と、下請法からの改正経緯を理解する
  2. 委託事業者と中小受託事業者の定義、対象となる取引類型を把握する
  3. 委託事業者の4つの義務と11の禁止事項、及び違反行為等の発覚から措置等を学ぶ
  4. 違反行為の発覚から措置までのプロセスと、事業者としての適切な対応方法を知る

よくあるお悩み・ニーズ

  • 令和8年1月から施行された取適法(旧下請法)の改正内容を理解したい
  • 特定運送委託や協議に応じない代金決定など、新たに追加された規制内容を知りたい
  • 自社の取引が取適法の対象となるかどうか判断できない
  • 違反事例を参考に、自社の取引実態を見直したい

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