インソース マーケティング&デザイン室

「コンプライアンスは捨てる技術」~チェックを増やさず、仕事を軽くする仕組みづくり

コンプライアンスという言葉は、法令遵守や厳格な管理を連想させることが多く、チェック項目を増やすほど安全になると考えられがちです。しかし、現場で起きる問題の多くは、チェック不足ではなく、仕事の流れが複雑になりすぎていることに原因があります。

本コラムでは、コンプライアンスを強化するために必要な「捨てる」「要約する」「工程を減らす」という3つの視点を整理し、現場の負担を増やさずに仕組みを整える方法をまとめます。

コンプライアンスは増やすほど弱くなる

コンプライアンスと聞くと、チェック項目を増やし、マニュアルを厚くする方向に走りがちです。しかし、実際にはその逆で、増やすほど現場は混乱し、重要な項目が見えなくなります。

チェックを増やすほど重要項目が埋もれる

チェック項目が多いほど、担当者は「どれが最優先か」を判断しにくくなります。結果として、形だけのチェックが増え、肝心な部分の確認が甘くなる恐れがあります。

動態観察ができるチェックリストが本質

書類の整合性だけでは、現場の実態はつかめません。実際の動きを観察しながら確認できるチェックリストこそ、コンプライアンスの核となります。

「全部チェック」は「何もチェックしていない」と同じ

項目が多すぎると、担当者はすべてを均等に扱ってしまい、重要な項目が埋もれます。優先順位をつけるためにも、項目は絞り込む必要があります。

まずは「捨てる」から始めるコンプライアンス

現場でコンプライアンスが形骸化する理由の多くは、不要な書類や工程が積み重なり、仕事が複雑になりすぎていることです。改善の第一歩は、余計なものを捨てることです。

不要な書類を減らすと重要な情報が浮かび上がる

書類が多いほど、担当者は本当に確認すべき情報を見落としやすくなります。残すべき書類は「お客さまに関わるもの」「法令に関わるもの」「業務の根幹に関わるもの」の3つに絞り込みます。

書類を減らすとチェックが自然に機能する

書類が減ると、担当者は重要な項目に集中できます。チェックの質が上がり、コンプライアンスの精度も高まります。

仕事を「要約できる」組織はコンプライアンスに強い

仕事の要約ができていない組織ほど、チェック項目が増え、工程が複雑になります。要約力は、コンプライアンスをシンプルに保つための基盤です。

要約できると「どこが違うか」がすぐ分かる

仕事の流れを短く説明できると、異常が起きたときにどこが違うのかをすぐに把握できます。要約ができない場合、問題が起きても原因が見えにくくなります。

問題が起きる組織ほど「チェックのためのチェック」を増やす

トラブルが発生すると、追加のチェックを設ける組織があります。しかし、チェックが増えるほど現場の負担が増し、さらにミスが起きやすくなる悪循環に陥ります。

「工程を減らす」ことがコンプライアンス強化の前提

コンプライアンスを強化する前に、仕事の流れそのものを見直す必要があります。工程が多いほど、ミスが起きる可能性が高まるためです。

工程分析で「減らせる工程」を見つける

業務フローを細かく分解すると、実は不要な工程が多く含まれていることがあります。工程を減らすことで、担当者の負担が軽くなり、ミスの発生率も下がります。

人を増やすより工程を減らす方がミスが減る

チェック項目が増えると、人員を追加して対応しようとする組織があります。しかし、人が増えるほど情報共有が難しくなり、逆にミスが増えることがあります。工程を減らすことが最も効果的な改善策です。

新しい仕事と既存業務ではチェックの考え方を変える

コンプライアンスチェックは、すべて同じ基準で行う必要はありません。新しい仕事と既存業務では、確認すべきポイントが大きく異なります。この違いを理解すると、チェック項目を無駄に増やさず、現場の負担を抑えながら精度を高められます。

新しい仕事は「法令抵触の有無」を最優先で確認する

新しい業務が発生した場合、まず確認すべきは法律や法令に抵触する可能性があるかどうかです。新規業務は前例がないため、法的リスクを見落とすと重大な問題につながります。そのため、最初のチェックは「法令との整合性」に絞り込み、必要な手続きや許認可の有無を明確にします。

既存業務は「事務フローの見直し」で十分

既存の分野については、新しい仕事ほど大げさに考える必要はありません。すでに業務の枠組みがあるため、法令抵触の可能性は低く、むしろ事務フローの中にある無駄や形骸化を見直すことが重要です。チェック項目は、重要なポイントに極力しぼり込み、シンプルに保つことで、現場の負担を増やさずにコンプライアンスを維持できます。

まとめ~「減らす工夫」が現場を守り、コンプライアンスを強くする

コンプライアンスは、チェック項目を増やすほど強化されるわけではありません。むしろ、不要な工程や書類を捨て、仕事を要約し、重要な項目に集中することで、現場が動きやすくなり、結果としてコンプライアンスが強化されます。今日からできる改善として、まずは「捨てる」「要約する」「工程を減らす」の3つを見直し、現場が無理なく守れる仕組みづくりに取り組んでみてください。

(半日研修)(管理職向け)コンプライアンス研修~組織における不祥事防止

本研修では、実際に起きた事例に基づきながら、コンプライアンスの本質とコンプライアンス違反を防止するための体制づくりを学びます。

◆研修のポイント~令和2年・3年個人情報保護法の改正に対応(令和4年・5年施行)

  1. コンプライアンス違反(不祥事)の原因と影響を改めて考える
  2. 不祥事防止のための体制づくり、行動・意識改革
  3. ソーシャルメディア(SNS)の特徴を把握し、取り扱いの留意点をおさえる

◆ワークのポイント

  1. 実際の事例について、問題点と対策・対応を考える
  2. 自身の日常的な意識・行動や、組織の仕組みをチェックする
  3. SNS上で炎上しそうな部下の行動を考える

本研修のゴール

  1. コンプライアンスの本質を理解し、自分や組織がとるべき体制を考えられる
  2. 不祥事防止の行動指針を確認し、管理職として不祥事を防止する職場づくりのために実践することを決め、優先順位を付ける
  3. SNS上で炎上する可能性がある行動を理解し、部下への指導や対策ができる

よくあるお悩み・ニーズ

  • どうすれば部下のコンプライアンス意識を高めることができるかわからない
  • SNSを使用している社員が多くいるので、コンプライアンス上不安を感じる
  • 不祥事を起こさないために、組織として具体的にどのような対策をとるべきか知りたい

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セットでおすすめの研修・サービス

(2時間研修)事例から学ぶコンプライアンス研修

コンプライアンスへの意識を高めるために、本研修では具体的な違反事例を用います。事例を自分自身に置き換えて、「身近な所に潜むコンプライアンス違反の危険」を自分事としてとらえていただきます。

【研修のポイント】

  1. コンプライアンス違反の具体的な事例から危機意識を高める
  2. 「あなたならどうするか?」を実際に起きたコンプライアンス違反の事例を用いて考える

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(半日研修)コンプライアンス研修~個人情報保護、情報セキュリティ、SNSのリスクを知る編

企業を取り巻く社会環境の変化を背景に、コンプライアンス(法令順守)や情報資産管理の関心はますます高まっています。

本研修では、コンプライアンスについての基礎知識とコンプライアンス違反の予防策を、事例を通して学びます。さらに、個人情報保護や情報セキュリティ、ソーシャルネットワーク(SNS)の取り扱いについて、ワークを交えて学習することにより、職場での実践的な行動を身につけていただきます。

◆ワークのポイント

  • 実際に起こった事例から、コンプライアンス上の問題点を考える
  • 日常的な意識・行動をチェックし、コンプライアンス違反の予防策を検討する
  • 個人情報に関する知識を、〇×テストで身につける
  • SNS上で炎上しそうな行動を考える

◆令和2年・3年個人情報保護法の改正(令和4年・5年施行)に対応

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初年度は管理職を対象に、ハラスメントや不祥事の事例を通じて正しい知識と体制づくりを学び、組織の基盤を整えます。2年目は全社員へ対象を広げ、eラーニングやチェックテスト、集合研修を組み合わせて基礎知識と行動習慣の定着を図ります。

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