インソース マーケティング&デザイン室

コンプライアンスは3つの視点で強化できる~マニュアルより「業務フローの違和感」を見抜く仕組みづくり

コンプライアンスという言葉は、法令遵守を中心とした堅いイメージを持たれがちです。

しかし、現場で起きる多くの問題は、法律そのものではなく、日々の業務フローの不備や段取りの悪さに起因します。マニュアルを整備しても、現場で使われなければ形骸化し、問題は繰り返されます。

本コラムでは、組織がコンプライアンスを強化するために押さえるべき3つの視点を整理し、マニュアルを作るだけで終わらせない実践的な取り組み方を紹介します。

コンプライアンスの誤解を解く「問題の多くは業務フローの不備」

コンプライアンス違反と聞くと、重大な法令違反を想像しがちですが、実際には日常業務の小さな不備が原因となるケースが多くあります。まずは、誤解されやすいポイントを整理します。

法令遵守だけではコンプライアンスは成立しない

役員や管理職は法令遵守が求められる立場ですが、現場で起きる問題の多くは、法律ではなく業務の進め方に起因します。書類の確認漏れや手続きの遅延など、基本的な事務処理の精度が低いと、結果的にコンプライアンス違反につながります。

問題の多くは「段取りの悪さ」から生まれる

業務フローが複雑であったり、担当者ごとにやり方が異なっていたりすると、手続きが形骸化しやすくなります。コンプライアンスの問題として扱われる前に、業務の流れそのものを見直すことが重要です。

視点①:マニュアルの有無と運用状況を確認する

コンプライアンス研修を行う前に、まず確認すべきは「マニュアルが存在するか」「現場で実際に使われているか」です。ここが整っていないと、どれだけ研修を行っても効果が定着しません。

マニュアルが存在しているかを確認する

マニュアルがない場合、担当者ごとに判断が異なり、業務のばらつきが生まれます。まずは、必要な手順が文書化されているかを確認します。

マニュアルが現場で運用されているかを点検する

マニュアルがあっても、現場で使われていなければ意味がありません。最新の業務に合っているか、担当者が参照しているかを確認し、運用状況を把握します。

視点②:文書手続きフローの違和感を洗い出す

マニュアルの有無だけでは、コンプライアンスの実態は見えてきません。外部に提出する文書の流れを点検することで、形骸化している手続きや、担当者が迷いやすいポイントが明確になります。

外部文書の流れを点検し、手続きの滞りを把握する

文書がどの部署を通り、誰が確認し、どのタイミングで提出されるのかを整理します。流れが複雑なほど、ミスや遅延が発生しやすくなります。

形骸化している手続きを見つける

「昔からこの手順だから」という理由で続いている手続きは、実態と合わなくなっていることがあります。担当者が負担に感じている部分や、無駄な工程がないかを洗い出します。

視点③:違和感の原因を深掘りし、形骸化を防ぐ

違和感を見つけた後は、その原因を深掘りすることが重要です。原因を把握しないまま手順だけを変えても、同じ問題が繰り返されます。

なぜ形骸化したのかを把握する

手順が守られなくなった背景には、業務量の増加や担当者の負担、手順の複雑さなど、必ず理由があります。現場の声を聞きながら、原因を丁寧に整理します。

改善策につながる原因分析を行う

原因が明確になると、改善策が具体化します。手順の簡素化や担当者の役割分担の見直しなど、実行可能な改善につなげることができます。

マニュアルは分厚くなくてよい「書類そのものがマニュアルになる」

コンプライアンスマニュアルは分厚いほど良いわけではありません。むしろ、現場で使われないマニュアルは形骸化し、問題の温床になります。

書類にチェック項目が入っていればマニュアルになる

業務で使用する書類に必要なチェック項目が含まれていれば、それ自体がマニュアルとして機能します。担当者は書類を確認しながら業務を進めるため、自然とコンプライアンスが担保されます。

動態観察で書類の整合性を確認する

書類のチェック項目が正しく埋まっているかを、業務の流れの中で観察することが重要です。動態観察を行うことで、書類のつじつまが合わない部分や、改善すべき点が見えてきます。

まとめ

コンプライアンスは、法令遵守だけでなく、日々の業務が正確に行われているかを確認する仕組みです。マニュアルの有無だけで判断するのではなく、文書手続きのフローや現場の違和感を見直すことで、組織全体のコンプライアンスが強化されます。3つの視点を取り入れ、現場が自ら考える仕組みをつくることで、形骸化しないコンプライアンス体制が実現します。

(半日研修)(管理職向け)コンプライアンス研修~組織における不祥事防止

実際に起きた事例に基づきながら、コンプライアンスの本質とコンプライアンス違反を防止するための体制づくりを学びます。

◆研修のポイント~令和2年・3年個人情報保護法の改正に対応(令和4年・5年施行)

  1. コンプライアンス違反(不祥事)の原因と影響を改めて考える
  2. 不祥事防止のための体制づくり、行動・意識改革
  3. ソーシャルメディア(SNS)の特徴を把握し、取り扱いの留意点をおさえる

◆ワークのポイント

  1. 実際の事例について、問題点と対策・対応を考える
  2. 自身の日常的な意識・行動や、組織の仕組みをチェックする
  3. SNS上で炎上しそうな部下の行動を考える

本研修のゴール

  1. コンプライアンスの本質を理解し、自分や組織がとるべき体制を考えられる
  2. 不祥事防止の行動指針を確認し、管理職として不祥事を防止する職場づくりのために実践することを決め、優先順位を付ける
  3. SNS上で炎上する可能性がある行動を理解し、部下への指導や対策ができる

よくあるお悩み・ニーズ

  • どうすれば部下のコンプライアンス意識を高めることができるかわからない
  • SNSを使用している社員が多くいるので、コンプライアンス上不安を感じる
  • 不祥事を起こさないために、組織として具体的にどのような対策をとるべきか知りたい

>公開講座の詳細はこちら

>講師型派遣講座の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

(半日研修)コンプライアンス研修~個人情報保護、情報セキュリティ、SNSのリスクを知る編

企業を取り巻く社会環境の変化を背景に、コンプライアンス(法令順守)や情報資産管理の関心はますます高まっています。

本研修では、コンプライアンスについての基礎知識とコンプライアンス違反の予防策を、事例を通して学びます。さらに、個人情報保護や情報セキュリティ、ソーシャルネットワーク(SNS)の取り扱いについて、ワークを交えて学習することにより、職場での実践的な行動を身につけていただきます。

◆ワークのポイント

  • 実際に起こった事例から、コンプライアンス上の問題点を考える
  • 日常的な意識・行動をチェックし、コンプライアンス違反の予防策を検討する
  • 個人情報に関する知識を、〇×テストで身につける
  • SNS上で炎上しそうな行動を考える

◆令和2年・3年個人情報保護法の改正(令和4年・5年施行)に対応

>公開講座の詳細はこちら

(2時間研修)事例から学ぶコンプライアンス研修

コンプライアンスへの意識を高めるために、本研修では具体的な違反事例を用います。事例を自分自身に置き換えて、「身近な所に潜むコンプライアンス違反の危険」を自分事としてとらえていただきます。

【研修のポイント】

  1. コンプライアンス違反の具体的な事例から危機意識を高める
  2. 「あなたならどうするか?」を実際に起きたコンプライアンス違反の事例を用いて考える

>公開講座の詳細はこちら

>講師型派遣講座の詳細はこちら

(新入社員・新社会人向け)モラル&コンプライアンス研修~不祥事・情報漏えいと組織への損害

本研修は入社早々に触れる機会がある個人情報やSNSを中心に、社会人にとって必要なコンプライアンス意識を学ぶ研修です。社会で働くためにはルールを守るだけでなく、モラルの意識が必要です。

研修では、モラルとは何なのか、自分の行動によってどんな影響があり、何がコンプライアンス違反につながるのかを身近な事例から学んでいきます。

>公開講座の詳細はこちら

>講師型派遣講座の詳細はこちら

>動画教材の詳細はこちら

関連読み物一覧

関連シリーズ一覧

新作記事