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女性活躍以外は未着手?大学DE&Iで陥りがちな課題~少子化時代に学生から選ばれるための実践策

社会環境の変化に加え、大学を取り巻く環境も大きく変化し続けている近年、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)」への取り組みは、もはや理念にとどまらず、大学経営や教育の質を左右する重要なテーマとなっています。

インソースに日々届くご相談の内容や取り組み状況も、以下のように大学によって実に様々です。

  • 障がいを抱える学生の学習・就活支援ができる職員を増やしたい
  • 人権教育に力を入れていきたく、LGBTQ+の基礎知識を職員・教員同士で共通言語にしたい
  • ダイバーシティ推進の取り組みが必要だと感じているが、今のところ女性活躍における序盤の活動しか取り組めていない
  • 一部の大学では「マイノリティの受け入れ表明」も進んでおり、ダイバーシティに対する考え方に大きく差が開いてしまっている

D&IからDE&Iへ

なお、これまでの教育現場では「D&I」と呼ぶことも多かった本テーマですが、近年ではダイバーシティ・インクルージョンに「公正性・公平性」という意味の「E(Equity)」も加え、「DE&I」と表現されることが増えています。

本コラムでは、そうした大学現場に向けたDE&I推進の考え方や、取り組みを進める際のポイントを整理してお伝えします。

大前提、大学でDE&Iが重要視される背景

少子化が進む中、学生が大学を選ぶ基準は年々多様化しています。現代では教育内容や立地条件はもちろんのこと、次の2点も若い世代にとっての重要な判断材料となっています。

  • 誰もが安心して学べる環境が整っているか
  • 学びの環境においてDE&Iがどれだけ実現されているか

そもそもダイバーシティとは、性別や年齢、障がいの有無、国籍、性的指向などの違いを認め合い、多様性を理解すること。インクルージョンとは、それらの違いを持つ一人ひとりが排除されず、能力を発揮して活躍できる状態のこと。今や大学におけるDE&I推進は、学生から選ばれる大学であり続けるために欠かせない要素、ひいては教育機関としての社会的責任の一つにもなっているのです。

大学におけるDE&I推進でよくある課題

さて、冒頭でも触れましたが、大学で働く皆さまのご相談内容をまとめると、以下の通り大きく3つの課題が見えてきます。

取り組みが女性活躍に偏っている

「DE&I」イコール「女性活躍施策」と捉えられているケースです。そもそもダイバーシティとは、性別や年齢、障がいの有無、国籍、性的指向などの違いを認め合い、多様性を理解すること。インクルージョンとは、それらの違いを持つ一人ひとりが排除されず、能力を発揮して活躍できる状態のこと。

しかし、障がい者や外国籍の学生支援、LGBTQ+への配慮、様々な特徴をもつ職員が働きやすい環境作りなど、女性活躍以外のDE&Iに手が回っていないといった状況です。

職員や教職員間で認識にばらつきがある

DE&Iの必要性は何となく理解している人が多いが、人権意識やダイバーシティに関する知識・考え方が個人任せになっており、学内での共通言語が形成されていないことも少なくありません。

何を目指して取り組みを進めるべきか分からない

DE&Iの進捗やゴールを示すための指標が各大学で統一されておらず、「うちの大学では何の取り組みがどこまで進んでいるのか」「どこに課題があるのか」が見えにくい。結果、「周りと比べてどのような指標で動けば良いのか分からない」といったお声も伺います。

今日、今月、今年こそ!すぐに実践しやすいDE&I推進のポイント4つ

ここまでの課題と社会状況を踏まえ、大学でDE&Iを進める際には次の4点を意識することが大切です。

まずは基礎知識を共通認識として持つ

ダイバーシティの定義やインクルージョンの背景を全員が理解することで、対応の質が安定します。性別(女性活躍)といった比較的認知しやすい属性だけを取り上げるのではなく、自大学にとっての「見えにくいマイノリティ」を把握しようと努めることも、取り組みの第一歩です。

また、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)の理解を全員で深めることも、多様性を自分事として捉え、学生対応や職場風土を改善するきっかけとなります。

DE&Iを理念から経営戦略に位置づける

DE&Iを理念として掲げるだけでなく、大学における競争力・持続性強化の基盤と定義することも大切です。

具体的には、DE&Iを中期計画・教学方針・人事方針などに明記し、「国際化」「研究力強化」「学生支援」「人材確保」といった分野とつなげる。専任部署や責任者を設置する、といった制度づくりを進めながら、DE&Iは自大学に必要な戦略と捉えていきましょう。

DE&Iにおける評価指標を設定する

例えば定量指標としては、「管理職・委員会における多様性比率」「多様な職員の定着率」「障がいをもつ学生の支援制度利用率」など。定性指標としては、「心理的安全性の調査傾向」「学内相談施設へ届いた相談内容の変化」などが考えられます。「自大学では何に取り組み、その結果どう変わったか」を見える化していきましょう。

各階層の研修テーマの一部にDE&Iを組み込む

新任教職員研修などにDE&Iの基礎内容を組み込むことで、DE&Iを「特別な対応」ではなく「当たり前の前提」に変化させていくことができます。加えて若手層だけではなく、管理職層・意思決定層向けにDE&I研修を実施することも、大学一丸となって取り組みを進めていくために非常に重要です。

この他にも大学という特殊な環境を生かし、実際に障がいをもつ学生やLGBTQ+の学生、多国籍の学生、様々な特徴をもつ職員・教員と関わり意見をもらうことで、自大学ならではの支援や対応策を確立していくことも良いでしょう。

全ての人に大きなメリットが生まれるDE&I

DE&Iを通じて誰もがいきいきと過ごせる環境を築くことは、そこで働く職員・教員や学生の皆さん、全ての人に大きなメリットが生まれます。

インソースでは、大学という教育現場の特性を踏まえたDE&I研修・教材を多数ご用意しています。基礎理解から実践まで段階的に学べるラインナップはもちろんのこと、各研修のカスタマイズも可能なため、一般論ではなく「大学の日常」に即した内容で学習いただくことが可能です。

DE&Iを理念で終わらせず、現場で機能する取り組みへとつなげたい皆さまは、ぜひ一度インソースにご相談ください。

(半日研修)ダイバーシティ推進研修~基本知識を習得し、当事者意識を醸成する

女性・男性だけでなく、シニア層、LGBT(XQ)、障がいのある方など、全ての個人が自らのあり方やキャリアの築き方を改めて考えなければならない時代へと突入しています。

本研修はダイバーシティに必要な知識の再確認、多様な人材への理解の促しを目的とし、ダイバーシティ推進・実現の基本を学びます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • ダイバーシティを推進させるために必要な知識を習得したい

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大学職員向け おすすめの研修・サービス

大学職員向け障がいのある学生との関わり方研修(半日間)

「障がいのある学生への理解と対応における心構えを知りたい」というご要望を受けて開発した研修です。

無意識の偏見を自覚したうえでダイバーシティへの理解を深め、個々の学生ニーズに応えられるようなポイントをまとめました。職員も学生も全員が心地よいと感じる教育現場を築いていただくために、役立てられる内容となっています。

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教職員向けLGBTQ+理解研修

LGBTQ+の学生が自分らしく学校生活を送れるようにサポートするためには、教職員の理解・適切な対応が必要不可欠です。

本研修ではLGBTQ+の基礎知識、当事者への対応方法、ありがちな固定観念などをワークを通じて学びます。実際に教育現場で起こり得るケース設定で、どのように対応すべきかを考えていただく実践的な内容です。

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(半日研修)アンコンシャス・バイアス研修~無意識の決めつけ・思いこみを打破し、 改めて職場風土を考える

本研修ではケーススタディやワークを通じて、固定観念(アンコンシャスバイアス)ゆえに見えていない現実・事実があることに気づき、より多様な視点をもつことの重要性やメリットを学んでいただきます。

多様性が謳われる今だからこそ、あらゆるシーンにおける「常識」を自分事として見直していただける内容です。

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DE&I講座~ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

多様な人々に持ち味を発揮してもらう「インクルージョン」の考え方を、それを実現するための「エクイティ」提供の施策と組み合わせることで、ダイバーシティは組織の強力な武器となります。

本動画では「DE&I」という現代のキーワードを解説しながら、全員が職場ですぐに実践できる具体的なアクションプランを紹介します。

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D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)研修

多様な人材を認め受け入れるダイバーシティだけでなく、組織の戦力として包括するという意味の「インクルージョン」が広まりつつあります。

階層や職種を問わず全メンバーが自然に仕事に専念できる環境づくりを学ぶ必要があります。ダイバーシティ&インクルージョンについての基礎知識や、どのような相手ともうまくコミュニケーションをとる力を身につけなくてはなりません。当社の研修では、多様な人材・価値観を受け入れ協力しあうことが全員に求められるという前提を認識し、当事者意識をもったうえで自身の立場に応じた好ましい心構えや働きかけ方を学びます。

>D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)研修まとめはこちら

大学職員向けSD研修・サービス

学生対応で必要となるデータ管理や、授業の準備やテスト作成の効率化として、OAスキルとデータ活用スキルを上げる研修や、全職員向けのメンタルヘルス研修やハラスメント防止研修のほか、エンゲージメントやハラスメントに関するアセスメントサービスもご提案が可能です。また、大学の情報や特徴を伝えるための最適なサイト設計と運営の支援が可能です。また採用のための教育サービスもご用意がございます。サービスのまとめページはこちらです。

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