インソース グループ営業統括室

「年上の部下」を最強のパートナーに変える~シニア非正規社員の力を引き出すマネジメント6つのステップ

人手不足が常態化するなか、非正規人材の活躍なくして現場は回りません。特に近年、増加が目立つのがシニア世代の非正規社員です。

「社会と関わり続けたい」「経験を活かしたい」と考えるシニア世代は、単なる労働力ではなく、豊富な実務経験と職業観を備えた貴重な戦力です。この層を活かせるかどうかが、組織の持続力を左右すると言っても過言ではありません。

しかし、現場の管理職が、「年上で扱いづらい」「正社員と同じようには任せられない」と距離を置いてしまうと、その力は埋もれたままになってしまいます。本記事では、「どう関わればよいのか」と悩む管理職のために、シニア世代を活かすマネジメントをStep形式で解説します。現場ですぐに使える「声掛けの変換」や「役割の渡し方」を具体的に提示し、考え方ではなく、明日からの「行動」に落とし込むことが目的です。

Step1:「シニア=補助」という前提をアップデートする

現在の現場において、非正規社員を「正社員の穴埋め」や「単純作業の担い手」と決めつけてしまうのは、あまりにももったいないことです。特にシニア世代には、数十年の荒波を越えてきた経験や、特定の分野を極めた知見を持つ人材が大勢います。

まずは、管理職自身の頭の中にある「非正規だから、この程度だろう」「シニアだから、難しいことは無理だろう」という無意識の線引き(バイアス)を一度外すことが重要です。「年齢」や「雇用形態」というラベルを剝がし、「これまで何を成し遂げてきた人なのか」という個人の資産に目を向ける。そのわずかな視点の転換だけで、相手との関わり方は劇的に変わるはずです。

Step2:「働く背景」を対話からつかみ取る

次に行うべきは、その人が「なぜ今、ここで働いているのか」という動機の理解です。シニア世代の働く理由は、「生活費のため」だけではありません。「社会とつながっていたい」「健康のために体を動かしたい」「長年の知見をどこかで役立てたい」など、驚くほど多様です。

こうした背景を知らずに、一律のマニュアルや指示だけで接してしまうと、「大切にされていない」という不満や心理的な距離が生まれやすくなります。ここで大切なのは、形式的な面談ではなく、雑談も含めた「対話」の中で背景をつかむことです。

「この仕事、どういう点にやりがいを感じますか」「今までのご経験と重なる部分はありますか」こうした問いかけから、その人を動かす「スイッチ」が見えてきます。背景を言語化できて初めて、「何を任せると一番力が出る人か」という具体的なマネジメントの戦略が立てられます。

Step3:手順の「Why(理由)」まで踏み込んで共有する

現場でシニア世代が戸惑いを感じやすいのは、「なぜこのやり方なのか」という背景が見えない状態です。長年、自分なりの仕事の流儀を築いてきた彼らにとって、理由のないルールは時に「非効率な押し付け」に映ってしまいます。だからこそ、業務手順を伝える際は、正社員以上に「理由の共有」を丁寧に行うことが求められます。

「この手順は、過去のトラブルを防ぐために決まったんです」「ここは自由に変えていいですが、ここだけは安全のために守ってください」こうした「Why」の説明があることで、経験豊富な人ほど「それなら合理的だ」と深く納得しやすくなります。

手順の説明を一方的な「指示」で終わらせず、プロ同士の「情報の共有」と捉え直してみる。この納得感こそが「やらされ仕事」の意識を排除し、彼らならではの自律的な動きを引き出すスイッチになります。

Step4:意見を引き出す「場」と「具体的(ピンポイント)な問い」

外部から来たシニア世代は、既存の組織にはない「第三者の視点」を持っています。しかし、彼らの多くは「自分は非正規だから」と遠慮し、気づきを胸にしまい込んでいます。そこで、こちらから一歩踏み込んで、彼らの知見を「頼りにしている」という姿勢を具体的に示してみましょう。単に「何か意見はありますか?」と聞くのではなく、問い方を少し工夫するだけでいいのです。

「入ってみて、ここは非効率だと感じた手順はありませんでしたか?」「前職の経験から見て、この現場はどう映りますか?」このようにピンポイントで問われることで、相手は「自分の経験が役に立つのだ」と実感し、発言しやすくなります。

たとえ提案が即座に採用できなくても、その視点を提供してくれたこと自体に感謝し、認める。その積み重ねが、相手を「言われたことだけをやる人」から、「知恵を貸してくれる頼もしいアドバイザー」へと変えていきます。

Step5:デジタルを「壁」ではなく「武器」に変える

現在の現場は、勤怠管理から情報共有までデジタル化が前提です。ここで操作に不安を抱える人を「デジタルに疎いから」と遠ざけてしまうのは、あまりにももったいないことです。操作という入り口でつまずいているだけで、その奥にある豊かな経験まで封印されてしまうからです。必要なのは高度なIT教育ではありません。「入り口の段差」をなくすための、ちょっとした整備です。

  • 「1枚だけの簡単な操作手順書」を端末の横に置いておく
  • 10分間の個別レクチャーを行う

これだけで、相手の心理的ハードルは劇的に下がります。ここで大切なのは、「できない人を助ける」という配慮以上に、「この壁さえなくなれば、この人はもっと戦力になる」というポテンシャルへの投資という視点です。デジタルが「壁」ではなく「武器」に変わったとき、シニア世代の経験はデジタルのスピードに乗って、組織全体へさらに力強く還元されていくはずです。

Step6:役割を与え、自己実現につなげる

最後のステップは、「任せ方」です。単なる「作業の担い手」として接するのではなく、「この領域はぜひあなたに頼りたい」と役割を明確にすることで、彼らは組織内での自分の存在価値を強く実感します。大げさなミッションである必要はありません。たとえば、以下のような小さな役割の提示が効果的です。

  • 若手への「ワンポイント助言」担当
  • 豊富な知見を活かした「手順書のたたき台」づくり
  • 経験に裏打ちされた「業務の最終チェック」役

こうした「あなただからこそ任せたい」という期待が、仕事の中に自己実現の機会を生み出します。自分の居場所があり、誰かに頼られていると感じたとき、モチベーションと定着率は劇的に向上します。そして、この「個を尊重し、役割を託す」姿勢は、すべての人を戦力に変えるマネジメントの本質でもあります。

年上メンバーへの教え方研修~粘り強い伴走でチーム力を最大化する

年上メンバーへの教え方研修~粘り強い伴走でチーム力を最大化する

年上のメンバーに対して効果的に教えるスキルと伴走の方法を実践的に習得する研修です。

年上のメンバーに新しい業務や手順を教える際の難しさを理解するとともに、経験豊富なメンバーにも納得感を持って新しいことを学んでもらうための関わり方を学び、チーム力の向上につなげます。部下指導・OJTの担当者やコミュニケーション力を向上させたい管理職層にも役立つ内容です。

よくあるニーズ・お悩み

  • 年上のメンバーが、新しい手順やツールを覚えることに苦戦している
  • 年上のメンバーが、年下のメンバーから教わることに抵抗感を覚えている
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本研修の目標

  • 年上メンバーに教えることが難しい理由を理解する
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