2026秋の派遣制度改正で問われる人材育成力~選ばれる派遣会社になるための教育戦略

人材不足が深刻化するなか、多くの派遣会社が共通の課題を抱えています。
クライアントから求められる人材レベルが高まる一方で、そのニーズに応えられるスタッフを確保できない、あるいは複数人員の発注があってもスキルや経験にはばらつきがあることで、必要数を供給できないケースが増えているとうかがいます。また、派遣スタッフ自身もより良い勤務条件を求めて、結果的に教育機会やキャリア支援が充実している派遣会社を選ぶようになっています。
こうした変化もふまえて、来たる2026年10月、派遣労働者の待遇やキャリア形成支援に関する制度改正が予定されています(※)。派遣会社は単なる人材供給の実施者ではなく、人材育成機能も強化せよ、という社会からの要請がある、というわけです。これからの派遣会社には、人を集める力ではなく人を育てる力も高めていく必要があります。
※出典:厚生労働省『雇用・労働 派遣労働者の同一労働同一賃金について』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html
(最終アクセス:2026/06/11)
教育投資が利益につながる時代へ~人材不足で派遣会社の立場が変わった
かつては、派遣先企業が派遣会社を選ぶ際の基準は登録人数や対応スピードが中心でした。人が足りなくなるポジション・期間に、数多の人材の中から、費用対効果の良い金額で人を送ってくれる事業者が、最も使い勝手の良いパートナーでした。
しかし現在は多くの業界や組織で慢性的な人材不足が続いています。いま、派遣先組織は単なる人手ではなく、「即戦力として高い成果を継続的に上げる人材」を求めており、派遣会社に対しても以下のような期待が高まっています。
- 基本的なビジネスマナーが身についていて、派遣先社員と遜色ない顧客対応ができる
- 業務遂行に必要な知識を習得していて、育成指導の手間がそうかからない
- 継続的にスキルアップができていて、日々のアウトプットが以前よりも良くなっていく
- 契約当初だけではなく、安定して活躍できる
つまり、クライアントが要求しているのは単なる労働力ではなく、人材品質なのです。
スタッフからも選ばれる派遣会社が強くなる
派遣スタッフ側の意識も変化しています。「派遣切り」という言葉がよく聞かれていたころが嘘のように、人材不足によって仕事の選択肢が増えた現在では、時給の高さ以外の待遇もよく検討して、最も自分にとって都合の良い派遣労働事業者を選びます。
基本的には自分が望む仕事をどれだけ案件として持っているか、労働条件交渉をうまくやれるか、といったわかりやすい営業力があるかを見ています。2026年秋の派遣法改正の柱のひとつ、「待遇に関する説明義務」を果たすことのできる事業者か?というところです。
良いクライアントと良い派遣社員をマッチングさせる人材プールの重要性
派遣労働事業者はいま既に登録をしているスタッフに、現在の時給を維持するために、また次回の契約更新時の時給アップや正社員登用を目指してもらうために、教育制度やキャリア支援体制を充実させて活用を促さなければならないというのが、2026年法改正「公正な評価による待遇改善の促進」にあたる部分です。これは、派遣先での勤務へのモチベーションの維持向上や派遣事業者に対する安心感の醸成とエンゲージメントをはかるうえでも極めて重要な要素です。
「自分の価値を引き上げる」ための教育制度やキャリア支援強化は、今すぐには働けないけれど、数カ月後には稼働したいと考えている前向きで優秀な方の獲得にも効果をもたらします。常に質の良い人材が揃っている状況を作り出すことは一朝一夕にはかないませんが、教育制度の安定的な運用はそれを可能にする土台です。
営業担当者との定期面談でのヒアリングももちろん有効ですが、本人のキャリア志向性を客観的な指標でグラフ化したり、いまのスキルや知識が一定基準を満たしているかをチェックできるような仕組みがあることがなお望ましい、と考えます。登録スタッフに「足りない」と評価したところを補強するために何をすべきかを考えてもらう機会を付与できるからです。
受注確度を高める派遣会社が実践している教育の仕組み
入職前教育で最低限の品質を担保する
ビジネスマナー、コンプライアンス、情報セキュリティ、ハラスメント防止、コミュニケーションといった基礎教育の標準化は、派遣先でのトラブルを未然に防ぐうえでは「必要最低限」の取り組みです。これらにはできる限りコストをかけず、とはいえ必ず、確実に学びを定着させなくてはなりません。基本的なことだからこそ、何度も注意喚起が必要なテーマでもあります。
就業契約中も継続的な学習機会を提供する
教育は入職時だけでは不十分です。3カ月、6カ月、1年ごとの契約更新のタイミングでも「彼・彼女に引き続き勤務してもらいたい」と思わせるスタッフは、自己研鑽にも前向きです。自分を律し、クライアント先で良好な関係を築き、困難な業務に挑戦しようとする意欲とスキルがある=コンスタントに高時給を稼ぎ出す人材といえます。
最初の3年間は毎年1回以上の教育訓練の機会の提供が必要ですが、上記のような契約更新の節目などにキャリアパスに応じた研修を継続的に実施し、スタッフの市場価値を継続的に高め、より高単価の案件にアサインできるように導きます。結果として、派遣会社の売上と信頼が積み上がります。
教育実施状況を営業活動で活用する
教育を実施していても、その事実がクライアントに前向きに受け取られなければ、「提案人材が間違いなく期待に応えられるか」を判断できません。営業担当者がよどみなく「このスタッフは入職時研修を〇日に受講済みです」「直近1年間で3つのスキルアップ研修を修了しています。△△や◆◆の内容を学んでいます」「▲▲の理解度をはかるテストでは毎回満点をとっています」などと説明できれば、納得感を得てもらいやすくなります。
教育履歴や教育内容は人材の信頼性を示す重要な情報です。教育そのものだけでなく、教育実績を営業活動に活用する視点も欠かせません。
人材育成を競争力に変えることが派遣会社の成長につながる
2026年以降の派遣業界では、人材育成力が企業価値を表す重要な要素になります。登録スタッフのレベルを引き上げて受注確度を高めたい。クライアントの期待に応える優秀なスタッフをすぐに選出し、アサインしたい。教育状況をわかりやすく可視化し、信頼を得る提案をしたい。こうした課題を解決できる派遣会社が、今後の市場で選ばれる存在になるでしょう。
全ての教育がこの一本で完結Leaf Lightning(リーフライトニング)~多機能・マルチデバイスLMS
受講者が何時間分の教育訓練をいつ受けたのか?を一度で確認できたり、この案件はぜひあの登録者に!という対象者に特定の訓練を受講してもらうように促す機能もございます。
動画などのデータ格納容量に上限なし、eラーニング視聴/オンライン研修・セミナーへの参加誘導もこのプラットフォームひとつで簡単管理!生成AIで理解度テストを即時作成、分類した対象者ごとの教育ロードマップに即した受講レコメンド機能も。
セットでおすすめの研修・サービス
モラル&コンプライアンス講座~不祥事・情報漏えいと組織への損害
社会人として必要なモラルとコンプライアンスの基礎を学ぶ研修です。モラル・ルール・マナーの違いを理解し、なぜモラルが重要なのか、コンプライアンスの基本概念と職場で起こりがちな「プチ不正」の危険性について理解を深めます。
SNSの適切な使用方法や個人情報の取扱いを事例で解説し、情報漏えいが組織に与える影響や、適切な情報管理の実践的な知識を習得します。
キャリアアドバイザー向け求職者との接し方研修
求職者は採用状況や将来への不安や焦りから、デリケートな状態になる傾向があります。本研修では、なかなか採用が決まらず不安を感じている方や不満・苛立ちをぶつけてくる方など、現場で起こりやすいケースをもとにロールプレイングに取り組みます。
アドバイスする際の注意点として、ただ前向きな言葉を選んで使うだけでなく、一人ひとりの状況にあった対応が必要であることもお伝えします。




