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「自分らしい働き方」から始める企業の女性活躍推進~「多面的なキャリア」を描くためのヒント

ESGや人的資本経営の流れ、さらに女性活躍推進法の改正を受け、企業内でも女性活躍推進の取り組みは確実に広がっています。

しかし、教育担当者の皆さまの中には、
「女性活躍と言われても、具体的に何をすればよいのか分からない」「管理職比率を上げたいが、そもそも候補者が少ない」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

実際に現場の女性社員から聞かれる声は、「管理職になりたいかどうか」という話以前に、仕事とライフの両立に対する漠然とした不安であることが少なくありません。

女性社員が抱えやすい「リアルな不安」

例えば、次のような声がよくあがります。

  • ワークライフバランスを考えると、今の働き方を続けられるか不安
  • 役職が上がることで責任が増えることに、正直プレッシャーを感じる
  • 体力、介護、妊娠、出産、育児などデリケートな話題は相談しづらい
  • 活躍している先輩を見ると「この人だからできる(私にはできない)」と思ってしまう
  • 女性管理職が少なく、ロールモデルや相談相手が限られている

こうした声から見えてくるのは、「リーダーを目指すかどうか」の前に、自分らしい働き方が描けないことへの不安です。だからこそ、単に「管理職を目指そう」と背中を押すだけでは、現場の実感とずれてしまうことがあります。

キャリアは「上に行くだけ」ではない

多くの女性社員が無意識のうちに、キャリアを次のような二択で考えてしまいがちです。

  • 管理職として昇進し続ける
  • 一般社員として家庭と両立しながらセーブして働く

しかし、キャリアは本来、上下だけでなく「多方向に広がる」ものです。

キャリアは「上下・左右」で考える

  • 上に伸ばすキャリア=昇格
    組織全体を俯瞰し、マネジメントの視点で貢献する
  • 横に広げるキャリア=ゼネラリスト
    職種や役割の幅を広げ、組織に横断的に貢献する
  • 下に深めるキャリア=スペシャリスト
    特定分野を極め、専門性で価値を発揮する

マネージャーになることだけがキャリア形成ではありません。仕事の幅を広げることも、専門性を深めることも、組織への重要な貢献です。企業としてまずできるのは、「昇格ありき」ではないキャリアの見方を提示することです。それが、心理的なハードルを下げる第一歩になります。

長期視点で考えるというアプローチ

特に20代後半~30代は、ライフイベントの変化が重なりやすい時期です。目の前の不安に意識が向き、10年後・20年後の姿を描きづらい傾向があります。しかし、キャリアは「短距離走」ではなく「長距離走」です。一時的にペースを調整する時期があったとしても、60代まで続く長い時間軸で見れば、可能性は何度も広がります。長期的・多面的な視点を持つことが、「今すぐ決めなければならない」という焦りや思い込みを和らげます。

自分らしい働き方の軸を持つ~キャリア・アンカー

自分らしい働き方の軸を持つために有効なのが「キャリア・アンカー」という考え方です。

キャリア・アンカーとは

エドガー・H・シャイン(『キャリア・アンカー』)が提唱した概念で、「どうしても犠牲にしたくない価値観や動機、能力の組み合わせ」を指します。

自分が仕事でやりがいを感じる瞬間はいつか。何をしているときが楽しいのか。どんな働き方だけは手放したくないのか。これらを言語化することで、誰かに課せられた「他人基準のキャリア」ではなく、「自分軸」でのキャリア設計が可能になります。

女性が直面しやすい健康・ライフ課題への向き合い方

体力には個体差がありますが、妊娠・出産・更年期など、女性特有の健康課題が起きやすいのも事実です。大切なのは、「言わずに我慢する」でも「すべてをさらけ出す」でもなく、自分が必要とする範囲での適切な自己開示です。

例えば、

  • ライフに関わる制約
  • ワーク面での希望や挑戦したいこと
  • 今後のキャリアイメージ

これらを整理した「自己カルテ」としてまとめ、面談の場で共有することも有効です。「誰にだって事情があるのに、自分だけが支援を得ようとしていると思われたくない」と、遠慮してしまう女性社員も少なくないかもしれません。しかし、「今は支援を受ける側でも、将来は支える側になることもある」そんな前提で、「お互いさま」と言える職場風土づくりを意識することも、自分の今の働き方を考える上で重要な視点です。

セルフコントロールという土台

キャリアを考える上では、感情のセルフコントロールも欠かせません。例えば「ABC理論」のように、出来事そのものではなく「受け止め方」が感情を左右するという考え方を学ぶことで、必要以上に自分を追い込まずに済むようになります。

【ABC理論の例】

A(ActivatingEvent)
状況・出来事
→B(Belief)
 考え方・信念・ものの見方など
→C(Consequence)
 感情(そこから生じる行動)

(例)上司に提出した報告書を指摘された。

A上司に指摘された →B指摘されることは悪いこと →C自信喪失。悪いことをしてしまった

ABC理論で考え方を変えると⋯

A上司に指摘された →B指摘は成長のきっかけである →C真剣に上司の話を聴く

上手に自分の感情をコントロールしながら、しなやかに働くためのマインドを持つことも時には重要です。

組織として女性活躍を進めるうえでのポイント

「女性活躍」というテーマを検討する際、会社のメッセージとしていきなり「管理職を目指そう」と打ち出すと、対象者の心理的ハードルはぐっと高くなります。まずは、

  • キャリアは多方向に広がるという視点
  • 長期で考える力
  • 自分軸を持つこと
  • ライフと向き合いながら働く術

こうした土台を整えることが、結果として管理職候補層の裾野を広げることにつながります。

女性のためのスマートワーク研修~自分らしい働き方で職場に貢献する

本研修は、「管理職を目指す」という言葉にハードルを感じる女性社員に対し、今後の働き方やキャリアの選択肢を多面的に考える機会を提供します。

昇進か、両立かという二択ではなく、自分らしく組織に貢献する道を描くための第一歩を支援する研修です。

よくあるお悩み・ニーズ

  • ワークもライフも大事にできる、自分らしいキャリアを考えたい
  • これからのキャリアや働き方に対するイメージが描けておらず漠然とした不安がある
  • ワークライフバランスを考えると、自身のキャリアに対し前向きになれない

本研修の目標

  • これからの働き方やキャリアを長期的な視点で捉える
  • 自分らしい働き方や価値観(大切にしたいこと)を多面的に整理する
  • ワークライフバランスを実現しながらいきいきと働くための考え方やヒントを得る

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