上司の悩み「自分でやった方が早い」を乗り越える!部下の自律的な成長を促す3つの実践ポイント

多くの管理職やリーダーが共通して抱える悩みに、「仕事を部下にうまく任せられない」「部下の育成が思うように進まない」というものがあります。日々の業務に追われる中で、「自分でやった方が早い」と感じてしまうことは少なくありません。しかし、現代の複雑で変化の激しい時代においては、上司がすべてを抱え込むのではなく、部下一人ひとりの主体的な学びと成長を促し、自律性を引き出す育成が不可欠となっています。

本コラムでは、部下育成の課題を解決し、組織全体の力を高めるために重要なポイントを、「仕事の任せ方」「部下の育て方」「1対1面談の仕方」の3つの観点でご紹介いたします。

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仕事を「任せる」技術:効率と成長を生み出す第一歩

部下に仕事を任せることは、単なる業務の分散にとどまりません。それは、組織の生産性を高め、将来を担う人材を育てるための戦略的な投資です。

任せることの多角的メリットを理解する

まず、「自分でやった方が早い」という考え方を乗り越えることが重要です。部下に仕事を任せることで、以下のような多岐にわたるメリットが生まれます。

  • 複数人が対応できる仕事が増え、作業効率が高まる
  • 分業化により、特定の個人への業務集中リスクを分散し、リスク管理が容易になる
  • 仕事のやり方やノウハウを次世代へと効果的に継承できる
  • 業務の文書化やマニュアル化が進み、組織知が蓄積される
  • 部下自身が仕事や業務への理解を深める機会となり、成長を促す

任せる仕事を見極める

やみくもに仕事を任せるのではなく、戦略的に任せる仕事を選定する視点が必要です。自身の仕事内容を整理し、以下のカテゴリーに分類してみましょう。

  • 自分がやらなくてもよい仕事
  • ルーティン化している仕事
  • 育成につながる仕事
  • 突発的な仕事

【公開講座】仕事の任せ方研修~自分でやった方が早いを克服し、部下の成長を促す

部下や後輩がいる人にとって、「どの業務」を「誰に任せるか」を考えることは、組織で働くうえで逃れることはできません。また、仕事を任せることはできていても「思うように部下が成長しない」と感じている方も多いでしょう。

本研修では、仕事を任せるうえでの事前準備の必要性と具体的な任せ方の手順を学んでいただきます。

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「経験」を「学び」に変える面談の力:自律的な成長を促す

現代の部下育成は、上司が一方的に「教え込む」スタイルから、部下の能力を「引き出す」スタイルへと変化しています。その中心にあるのが「経験学習サイクル」の考え方です。

経験学習のサイクルを意識する

人は仕事の経験から多くを学び、成長します。この「経験を通じた学び」を促進するためには、以下の4つのサイクルを意識的に回すことが重要です。

  • 経験:まずは部下に適切な経験の機会を与える
  • 省察(リフレクション): 経験を振り返り、何が起こったのか、なぜそうだったのかを深く考える
  • 持論化: 省察から得られた気づきや教訓を、自分なりの言葉や概念に落とし込む
  • 試行: 持論を検証するために、新たな行動や応用を試みる

このサイクルを回す上司・先輩の役割は、単なる「指導者」ではなく、部下の学びを支える「支援者」であるという認識が求められます。

適切な「ストレッチ」経験を提供する

部下の成長を促すためには、彼らにとって適度な負荷がかかる「ストレッチ」のある経験を与えることが良い経験の条件となります。具体的には、以下のような仕事が該当します。

  • 本人にとって不慣れな業務や役割
  • 前例がなく、新たな発想や工夫が求められる仕事
  • 高いレベルの責任が伴う重要な仕事
  • 部署や組織を横断して、多様な関係者と連携する仕事

【公開講座】部下の育て方研修~面談とフィードバックで経験学習サイクルを回す

かつての「教え込むスタイル」 から、「部下の力を引き出すスタイル」へと育成指導のスタイルが変わってきている中で、1対1での面談を活用する動きが広まってきています。しかし、その趣旨を理解しないまま形だけ面談を行っても効果は期待できません。

この研修では、「経験学習モデル」の考え方に則り、面談を通じて効果的な部下育成を進める方法について学んでいただきます。

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個の成長を支援する1対1面談:キャリア開発への貢献

社員の価値観が多様化する現代において、部下一人ひとりの個性や価値観を尊重し、キャリア開発を支援することが管理職に求められています。1対1面談は、そのための強力なツールとなります。

面談のプロセスを段階的に進める

効果的な1対1面談には、明確なプロセスがあります。

  • 事前準備: 面談の目的を明確にし、部下の情報や、前回からの進捗を確認するなど、しっかりと準備を行う
  • 働きぶりを認める: 面談の冒頭で、部下の日頃の働きぶりや努力を具体的に認め、感謝の言葉を伝えることで、心理的なバリアを取り除き、話しやすい雰囲気を作る
  • 雑談: 本題に入る前に、リラックスした雑談を交わし、部下の個性や興味関心、普段の様子を探る機会とする
  • 本題: 面談の本題に入り、部下が最も話したいことや解決したい課題について深掘りする
  • 次回のタスク設定と振り返り: 面談の最後に、次回までに部下が取り組むべき具体的な行動や課題を一緒に決める

常に「主役は部下」であることを意識し、部下自身が主体的に話す機会を多く提供することが大切です。

部下のスキル・経験・キャリア志向を把握する

部下のキャリア開発を支援するためには、まず部下自身の内面を深く理解することが必要不可欠です。面談のフレームワークを活用し、部下がこれまでのスキル、経験、強み、そして課題を整理できるよう促しましょう。自らのこれまでを振り返ることで、部下自身も気づきや目標を持ちやすくなります。

加えて、部下の「こだわり」や「やりがい」、行動指針となる「キャリア・アンカー」を理解するための対話も重要です。こうした内面的な価値観に目を向けることで、部下にとって「何が重要か」「何をしたいか」「どうありたいか」といった本質的な問いに寄り添えるようになります。その結果、より的確で納得感のあるキャリア支援が可能になるのです。

【公開講座】1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編

社員の価値観が多様化したことにより、現場では社員1人ひとりの価値観を尊重しながらキャリア開発を支援することが求められてきています。それを実現させるためには、まずは部下の特徴・キャリア志向をよく理解することが不可欠です。

本研修は、実際に面談をする管理職・リーダーが、1対1面談でどのように部下の特徴・キャリア志向を把握していくか、フレームワークをお伝えしていきます。さらに、ワーク、ケーススタディでの実践を通して、部下のキャリア開発を促す1対1面談ができるようになることを目指します。

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「任せられる部下」育成への道

本コラムでご紹介した「仕事の任せ方」「部下の育て方」「1対1面談の仕方」の3つの実践ポイントは、それぞれが独立したスキルではなく、互いに連携し、相乗効果を生み出すものです。

仕事を戦略的に任せることで部下に成長の機会を提供し、その経験を面談を通じて深い学びへと深化させ、さらに1対1面談で部下個人のキャリア開発を具体的に支援する。この一連のサイクルを継続的に実践することで、部下は自律的に成長し、変化の激しい時代においても高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。これは、組織全体の生産性向上と持続的な発展に不可欠な要素です。

部下育成スキル強化プラン~組織の中核人材を育てる

管理職として経験を重ねていくと、自然と組織やチームのことを少し長い期間や高い視座から見ることができるようになってきます。そのような方たちから課題としてきかれるのが「次の世代を任せられる人材が思っているより育っていない」ということです。

本プランでは、これまで自分自身がやってきた仕事を任せることを通して部下の成長機会としたり、経験させたことに対して部下なりの発見や、ナレッジを見つけることについて働きかけることができるようになるためのポイントを学べます。

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