研修を語る

仕事の任せ方研修を語る

2022/12/22更新

仕事の任せ方研修を語る ~自分でやった方が早い、を克服して部下の成長を促す

翌日から即、仕事に生かせる実践的な内容

―本日は、開発された「仕事の任せ方研修」について、お伺いしたいと思います。非常に興味深いテーマですが、研修内容を簡単に言うと、どんなものなのでしょうか?

自分の仕事を他者に任せることにより、受講者自身の時間が増える、部下が育つ、会社全体の効率化が図れるという、中長期的な業務改善につながるスキルが身につきます。受講者は係長や課長など初期管理職の方が中心で、年代は30代後半がボリュームゾーン、男女比は半々くらいです。

―なかなか上手に仕事を割り振れない人も多いと思います。そういう点では、とても役立ちそうな内容ですね。

そうですね、「自分でやった方が早い」「教えるのが苦手」という方は実際多くいらっしゃいます。その課題はプレイヤーからマネージャーや管理職として成長するためには克服することが必要です。あらゆる会社にとって、効率化と人材育成は二大テーマだと思うのですが、そのきっかけになる部分だと考えてください。「どんな仕事を」「誰に」「どんな風に」という3つのフェーズで、受けた翌日から即、仕事に生かせる実践的な内容であることも、この研修の大きなベネフィットであると言えます。

一番のポイントは仕事内容の徹底的な「洗い出し」と「整理」

―研修の教材を拝見しました。実にわかりやすく詳細な項目で構成されていますが、中でも最も核心と言える部分は、どこになるでしょうか。

「仕事の洗い出し」が最大のポイントです。この研修では、客観的に自分の仕事を見直すことから始まります。

―「仕事の洗い出し」ができないと、他に仕事を任せることは難しいといえるのでしょうか。

その通りです。皆さん仕事をする中で、「これって、自分でやらなくてもいいのではないだろうか」と思う瞬間が結構あると思います。しかし、それらは一過性のもので、忙しさで忘れてしまうことが大半です。それを明確にするところがスタート地点です。

―やらなくてもいい仕事があったことに、気づいたときの受講者のリアクションは、どういう感じなのでしょうか。

意外と、難しく考えられる方が多いのです。「これは本当に自分でなくてもいいのか」「部下に任せたらどうなるのか」と、突き詰めて考えてしまう方は少なくありません。もともと仕事を任せられないタイプは、責任感の強い方が多いです。それが裏目に出て、すべて自分で背負い込もうとするので、仕事が集中してしまうのですね。

また仕事が複雑でなかなか人に任せられない、と思っているパターンもあります。例えば、仕事が完了するまでにいろいろな人にお伺いを立てなければならないとか、多くの工程を踏まえなければならない、などあると思います。しかしいったんそこで立ち止まってほしいのが、全ては任せられないけど、書類の作成は任せられる、他部署との交渉は自分が行うが実際の実務は任せるといった仕事を分解する視点を持っていただくことも非常に重要な点です。

その結果、「絶対に任せられないと思っていたけれど、部分的であったら任せられる」など、最初の一歩を踏み出すことができるようになります。

部下に「上手に仕事を振る」コツを学べます

―研修の第三章では「誰に仕事を任せるか」というフェーズに入りますね。これはどういう部分が重要になりますか。

まずは、部下の資質に合わせた仕事の振り方です。これはけっこう苦手な方が多いです。任せる仕事が見つかっても、誰にやらせるかで成果が異なりますし、部下の成長にも影響します。最も基本となるのが、部下のことを知ることですが、それが不十分な管理職は意外と多いです。

―効率と育成、どちらにもマイナスということですね。

そうです。「将来こういう方向に進みたい」「こんなスキルを持っている」など、部下一人ひとりの方向性やポテンシャルをしっかりと見抜いて、伸びる方向に導く仕事の任せ方が必要です。

これをうまくやるためには、やはりコミュニケーション。「部下との会話を増やしてくださいね」とお伝えしています。実際、受講者の方から「部下のことをよくわかっていなかった」「どういう目標を持っているか聞いたことがなかった」という反省はよくお聞きしますね。

若い世代には「どんな風に伝えるか」も重要

―部下たち若い世代と、自分たちがやってきた仕事のスタイルが違うというのも、管理職には悩みの一つなのではないでしょうか。

それはありますね。初期管理職であれば、仕事を教わった上司は昭和の世代が多いと思いますが、その頃は「背中を見て学ぶ」という時代でした。しかし、それをそのまま今の若い部下に当てはめても、なかなかうまくいきません。

―第四章の「やる気になる任せ方のポイント~意欲を持たせる」というタイトルは、まさにその点を突いていると思いました。

はい、基本的に部下に仕事を任せて伸ばそうと思ったら「何を任せるか」と「どう任せるか」の二本柱になると考えます。その、どう任せるかで大切になるのが、伝え方です。同じ仕事を振るにしても「背中を見ろ」より、今の若い世代にとって格段にモチベーションが上がる伝え方がありますので。

―そこは上司が勉強して、上手に部下に伝えなくてはいけないのですね。

ちょっとしたコツなのですが、例えば具体的な例として「これをこういう風にしてほしい。ちょっと難しいけれど、あなたに任せてみたい。やってくれますか?」というように、少しだけその人の脳力よりも、ストレッチした目標を持たせます。そこは見極めが大事なポイントなのですが「期待している」というニュアンスを伝えることで、業務の進捗が大きく違ってくることは少なくありません。

今の若い世代は、昔に比べて「絶対に出世したい」という意欲をもたない方もいらっしゃいます。そのため、どうやって組織に貢献してもらうかというのを、管理職が学ばないといけません。何度か任せてみたけどダメだったという管理職の方は、伝え方も工夫してみるべきだと思います。

―「基本の進め方を教える」という項目も、伝える上で重要ですね。

はい。最終的にどのように完了させるか、仕事の流れや手順を伝えることは基本です。マニュアルのない仕事を任せる際や自分自身が背中を見て学んできた経験の長い人は意識したいポイントですね。

社外の人とのグループワークで気づきや情報交換も

―この研修では、30名ほどが5~6人のグループに分かれてワークを行うとお聞きしています。他の会社の方と一緒になるわけですが、新しい気づきなどもあるのではないでしょうか。

それは大いにあります。公開講座ですと、さまざまな企業の管理職と交流しますので、自分では「人任せにできない」と思っていた仕事でも、外部のやり方に触れることで「ここまでならできるかも」と、視点が変わることは多いです。あとは、これまでのプレイヤーとしての立場から、マネジメントをする側として、意識がアップデートされることも、この研修におけるベネフィットのひとつだと考えます。

―研修の教材も、今後の業務にそのまま生かせるテンプレートがたくさんありますね。これは一生活躍するのではないでしょうか。例えば、3日間の業務を書き出す表やフロー図などは、業務内容の変化に応じて何度でも必要になる気がします。

研修は受けたらおしまいではなく、常に繰り返し自分の中でブラッシュアップするのが大切です。受けた直後はモチベーションが上がっていても、また元に戻ってしまっては意味がありません。その点でこの研修は、定期的に教材を用いて仕事の見直しができるので、効果が長持ちしやすいと思います。原点に立ち返ることで、そのたびに新しい学びが得られるのではないでしょうか。

良い人ほど、非効率に陥りやすい

―受講者は初期管理職ということですが、どのようなきっかけで「研修を受けよう」と思われるのでしょうか。

ご本人ではなく、会社の上司や人事の方が申し込まれるケースも多いです。仕事の割り振りがスムーズにできていない管理職を、ステップアップさせたいというのが狙いです。本人は「自分でやった方が早い」と思っていますが、会社からすると、ずっとそのままでは困ってしまいます。

―人に言われて、ようやく気づく方も多いということですね。

良い人ほど、非効率のスパイラルに陥りやすいという特徴があります。責任感が強い人、生真面目な人、忙しい人、断れない人などそういう人たちが気づかないまま、すべての仕事を自分で切り回して、結果的に人材が育たない職場環境を作ってしまうわけです。

しかし、会社にとってはそういう人たちが将来上級管理職として必要な人材なので、ぜひ一皮むけて人に任せられるようになってもらわないといけません。あとは、はじめて部下を持つ人も多く受講されます。「マネジメントの経験が全くない、どうやって任せたらいいのかわからない」という方ですね。

―人事の方や上級管理職の方は、もしも社員に思い当たる人がいたら、ぜひ研修に送り込んでほしいですね。

即効性がありますので、おすすめです。人事や経営側からすると、どれだけ人材育成が成功するかは、会社の将来に影響を及ぼす重要案件です。また、管理職にとっても一段成長するチャンスと捉え、この研修で積極的に「任せる」スキルを磨いてほしいと思います。

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