なんとなくの社員面談は組織にとってマイナス~第三者視点を取り入れ、社員の本音を引き出す

近年、多くの企業様が社員の定着やエンゲージメント向上に課題を感じていらっしゃいます。特に若い世代の離職率増加や、社内のコミュニケーション不足は、組織全体のパフォーマンスに影響を及ぼしかねません。
社員面談は、こうした課題を解決し、社員一人ひとりの成長を支援する上で非常に重要な機会です。しかし、その実施方法や効果的な運用に悩む声も少なくありません。
本コラムでは、多くの組織で取り入れられている社員面談について、よくあるお悩みをベースに、面談でおさえるべきポイントをご紹介させていただきます。
面談を「実施する側」と「受ける側」で大きく異なる、面談のお悩み
そもそも社員面談をめぐるお悩みは、面談実施する側と受ける側で大きく異なります。
実施する側のお悩み
- 本人の成長や、実務に役立っているのかがよく分からない
- 本音が聞き出せている気がしない
- 多忙のため、メンタル面でのフォローアップが追い付かない
受ける側のお悩み
- 「仕事へのモチベーションがわかない」「やりがいを感じない」といった悩みがあるが話しづらい
- ハラスメントやメンタル不全の兆候を見聞きしたり、自身が該当するかもしれないと思っているが、会社に相談しづらい
- 自身のキャリアや将来に対して不安があるので、経験豊かな第三者に相談にのってほしい
これらの背景には、面談の環境、準備、面談者のスキル、活用の仕組みなど様々な要因が絡みます。
面談の効果を最大化するための具体的な取り組み
それでは、社員面談を単なる形式的なものにしないためには何が必要なのでしょうか。社員面談そのものを組織と個人の成長に繋がる貴重な機会とするためには、いくつかの工夫が必要になります。
社員の本音を引き出す環境づくり
面談を通じて最も重要なのは、社員の本音や意見を把握することです。そのためには、安心できる環境と信頼関係が不可欠です。
- プライベートな空間の確保
面談では個人のセンシティブな内容を取り扱うことが多いため、可能な限り個室での実施を推奨いたします。オンライン面談の場合も、周囲に会話が漏れない個室や静かな環境を準備するよう促しましょう。 - 第三者による傾聴の機会提供
上司や人事には話しづらい内容も、社外の経験豊富な第三者であれば安心して話せる場合があります。外部の相談員を導入することで、社員が知らず知らずのうちに抱えていたストレスに気づくきっかけにもなり、メンタルヘルス不調の予防にも繋がります。
時間、機材、体制などの準備
効果的な面談を行うためには、面談実施者が事前に準備をしておくことも重要です。
- 面談時間の確保と余裕
面談時間が延びる可能性も考慮し、次の面談との間に5~10分程度の余裕を持つことをお勧めします。面談時間内で話しきれなかったというモヤモヤした感情は、本音が話しきれず抱え込んでしまうことにつながりかねません。 - オンライン面談の機材準備
オンライン面談を導入する際は、PC、ヘッドセットマイク、カメラといった必要な機材の準備と、事前の接続確認を徹底しましょう。表情を見ながらの面談が好ましいため、可能な限りカメラの使用を推奨します。 - 個別の課題に対応できる体制
人によって悩みや課題が異なりますが、専門的な内容には柔軟に対応できる体制を整えておくことも大切です。この体制がしっかりしていないと、ただ面談を実施して終わりということになりかねません。
面談結果の活用と継続的な支援
面談は実施して終わりではありません。その結果を組織の改善や個人の成長に繋げることが最も重要です。実施しただけにならないように、面談実施者は下記点に留意しておきましょう。
- 面談結果のレポート化とフィードバック
各面談の結果はレポートとして作成し、担当者へフィードバックすることで、状況の把握と課題の明確化に役立てられます。 - 多角的な視点での課題解決
面談で明らかになった課題については、解決するために施策を講じることが重要です。
例えば、面談後に定期的に声掛けをしたり、役立ちそうな動画教材・eラーニングの視聴を促したり、場合によっては別の方との面談機会をセッティングしたりなど、小さなことでも様々な視点からすぐにアクションを起こすことが重要です。社員側からすると、一緒に課題解決に取り組んでくれる存在は心強く感じるものです。
外部の専門家による「客観的な視点」を取り入れる
面談が十分に活用されない場合、部下の成長が停滞したり、離職につながる恐れがあります。こうした課題に対しては、時に外部の専門家や面談代行サービスを活用することも有効です。社内だけでは拾いきれない社員の本音や潜在的な課題を、第三者の「客観的な視点」から明らかにできるためです。社員は心理的なハードルを感じずに安心して話しやすくなり、企業側は組織の現状や個々の課題を深く理解できるようになります。
インソースの人事面談代行サービス
人事面談代行サービスとは、人事担当者および上司に代わって、社員の面談を実施するサービスです。担当者さまの負担軽減と、相談者が抱える問題の解決を叶えます。
また、面談で現れた課題をもとに、インソースの様々なサービスと連携することで、多角的なご支援ができます。会社で発生する様々な問題の未然防止や解決をサポートいたします。
人事面談代行サービスがご支援できること
- 定期的に実施している人事面談やキャリア面談
- 職場環境(働きやすさ・働きがい)に関する面談
- 社内の人間関係(メンタルヘルス不全、ハラスメントなど)に関する面談
- ワーク・ライフバランス(育児・介護など含む)に関する相談
その他にも、社員面談に関するお悩みをお持ちでしたら、是非一度ご相談ください。
外部の第三者が面談を実施する効果
- 面談による状況の把握
人事担当者が把握できないような社員の本音や意見を、外部の相談員が面談を行い、状況を把握します。研修を通して多くの受講者の声を聴いてきた弊社の講師が、社員の方の本音を引き出します。 - ストレスを把握するきっかけ
面談を実施することで、社員の方自身が知らず知らずのうちに受けていたストレスに気づくきっかけになります。 - 相談窓口として
社員向けの相談窓口としてご活用いただけばメンタルヘルス不調の予防に繋がります。また、上司や会社に話しづらいけれど誰かに聞いてほしいといった漠然としたお悩みについても第三者の立場でおうかがいします。
社員の皆様が安心して働ける環境を整備し、組織全体の成長を促進するために、人事面談代行サービスの活用をご検討いただければ幸いです。まずはお気軽にお問い合わせください。
セットでおすすめの研修・サービス
インソースの人材アセスメントサービス
インソースのアセスメントサービスは、豊富なラインナップで企業の多様なニーズに対応しています。
個人個人の「能力やスキル」だけではなく「特性(らしさ)」を見える化し、すべての人材がより活躍できるような支援を目指しています。
面談代行サービスと組み合わせることで、より個人の課題に寄り添った面談を実施することが可能になります。是非、活用をご検討ください。
1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編
社員の価値観が多様化したことにより、現場では社員1人ひとりの価値観を尊重しながらキャリア開発を支援することが求められています。
それを実現させるためには、まずは部下の特徴・キャリア志向をよく理解することが不可欠です。
本研修は、実際に面談をする管理職・リーダーが、1対1面談でどのように部下の特徴・キャリア志向を把握していくか、フレームワークをお伝えしていきます。
さらに、ワーク、ケーススタディでの実践を通して、部下のキャリア開発を促す1対1面談ができるようになることを目指します。





