「経験させれば部下が育つ」時代は終わった~成長を加速させる1対1面談とは
「うちの部下は自分で考えようとしない」―そのような悩みを伺う機会がこのところ増えています。しかし、その原因を部下側だけに求めているとしたら、それは時代遅れかもしれません。
今の若手には、指示でなく、考える機会を与える
先行きの見えないこの時代に求められるのは、教え込む上司ではなく「考えさせる上司」です。若手の主体性を引き出すことが、部下育成の中心的なテーマになってきています。
近年の若手世代の特徴として、言われた通りに動くことや正解を求めることには慣れていても、自ら考える経験が不足していると言われます。そのため、指示ではなく問いかけや振り返りの機会、つまりは支援型のマネジメントが必要です。教え込むよりも難しいと思えるかもしれませんが、その分、部下は大きく成長でき、そして何より上司自身の成長にもつながります。
1対1面談で、考える力と振り返る力を育てる
1対1面談を導入する組織が増えていますが、集団で指導されるよりも上司と1対1でじっくり話す方が、部下にとって本音を話しやすいことが背景にあると考えられます。1対1面談は、まさに「個」に向き合い、主体性を引き出せる最適な場なのです。
対話の中では、「なぜそうしたのか?」「他の視点ではどう見えるか?」といった問いを通じて部下の気づきを促します。この質問力こそ、自ら考える力を育む最大のポイントです。加えて、正解を与えず「答え」は持ち帰ってもらうようにすることで、経験から学びを引き出す力を身につけ、振り返りを通じて行動を変化させられるようになります。
経験を成長につなげるために、学習サイクルを意識し支援する
「部下は経験さえ与えれば、勝手に成長してくれる」などと思っていませんか?経験を学びに昇華させるには、経験から得た教訓を行動として試す、というサイクルを意識的に回すことが欠かせません。デイヴィッド・コルブが提唱する経験学習理論では、以下の4段階からなるサイクルとして経験学習が紹介されています。
部下の育て方研修~面談とフィードバックで経験学習サイクルを回す
コーチングスキルや1対1面談の手法を教えてはいるが、どうも部下指導のスタイルが変わったように思えないとのお悩みをよく伺います。重要なのは、コーチングや面談の「本質」を十分に理解することです。
そこで本研修では、経験学習理論で人が学習するプロセスを理解し、上司・先輩としてどのようにそのプロセスに関与していけばよいかを学びます。効果的に部下を育成するためのポイントとして、1対1面談でのフィードバックや質問の仕方をケーススタディを通して身につけます。
研修のゴール
- 経験学習のポイントを理解する
- 面談での具体的な質問やフィードバックの仕方がわかる
- 部下の主体的な育成を促すための自部署の育成方針が立てられる
受講者の声
- 部下に対するアプローチ方法を見直そうと思った
- 「主役は部下」を念頭におき、注意深く部下の声を傾聴するよう心がける
- きく・質問のテクニックを意識して、きき上手に徹するようにしたい
セットでおすすめの研修・サービス
Talent Palette(タレントパレット)
タレントパレットは、あらゆる人材データを一元化・分析し、組織の力を最大化させるタレントマネジメントシステムです。人事業務の効率化、次世代人材の育成、離職防止、採用強化などに活用いただけます。
1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編
本研修では、1対1面談で部下の特徴・キャリア志向を把握する方法をお伝えします。フレームワークを学んだうえでケーススタディで実践し、面談の効果的な進め方を実践的に身につけます。
(2時間研修)部下のやる気を引き出す研修~育成伴走編
適切な課題を課すためのフレームワーク「GROWモデル」や相手の思いを引き出す質問の仕方を学ぶ研修です。部下・後輩が主体的に成長できるよう、サポートする力を身につけます。