インソース グループ営業統括室

「少々お待ちください」がなぜ炎上?忙しい現場を救うホスピタリティスキル

ランチタイムのピーク時。スタッフのAさんは次々と入る注文に追われていました。そんな中、声をかけたお客さまに対し、Aさんは手元の作業から目を離さないまま言いました。

「少々お待ちください!」

数分後、そのお客さまは「態度が悪い!客を何だと思っているんだ!」と激昂。Aさんは困惑しました。人手が足りないことは見ればわかるだろうし、「待ってください」という事実を伝えただけなのに、なぜこれほど怒られなければならないのか。実は、店舗や窓口で多発しているクレームの多くは、こうした「悪気のない一言」から生まれています。

多忙なランチタイム、なぜ「正論」は通用しないのか?

「お昼時で混んでいるのだから、待つのは当たり前」「忙しくて手が離せないのに、声をかけられてもすぐには動けない」

現場で働くスタッフの皆さまにとっては、どれももっともな本音です。ですが、「忙しいから仕方ない」とぞんざいな応対が続くと、その後に長時間のクレーム対応が発生し、結果として大きなタイムロスになりかねません。

クレームの着火点は「待たされた時間」ではなく「視線の欠落」

年間 9,000 人※の研修を実施するインソースが、数多くのクレーム事例を分析して見えてきたポイントがあります。それは、お客さまが激昂する本当の理由は待たされた時間の長さではない、ということです。大きな引き金になりやすいのは、スタッフと視線が合わなかった事実です。

現代は、誰もがタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する時代です。限られた時間を使って来店したお客さまにとって、スタッフが自分の方を見ずに作業を優先する姿は、「自分は後回しにされた」という印象につながりやすくなります。

スタッフにとっての「少々お待ちください」は単なる状況説明でも、お客さまには「今はあなたより別の作業が優先です」と受け取られてしまうことがあるのです。

※テーマ「クレーム対応研修」に属す研修の受講者数合計(2024年10月~2025年9月)。

一瞬で空気を変える4つの接遇ポイント

お客さまの満足度を下げず現場の負担も増やしにくいポイントは、次の4ステップに集約されます。

  1. しっかりアイコンタクトと一言の謝罪
    手を止めずとも、一瞬だけ目を見て「お待たせして申し訳ございません」と伝えます。これだけで、お客さまは「自分に気づいてくれた」と安心し、待つことへの心理的な負担が大きく下がります。
  2. 不満の「事実」を短く拾い上げる(傾聴)
    「お伺いするのが遅くなり、失礼いたしました」とお怒りのポイントを短く受け止めます。自分の状況が正確に伝わったと確信した瞬間に、感情は鎮静化へと向かいます。
  3. 改善の約束で前向きな対話に変える
    「今後はよりスムーズにご案内できるよう、スタッフ間で共有いたします」と伝え、お叱りを「店舗への貴重な助言」へと昇華させます。これにより、お客さまは「きちんと向き合ってもらえた」という実感を得られます。
  4. 感謝で締めくくる
    最後にお礼を伝えることで、お客さまは「ただ不満を伝えた人」ではなく、お店をより良くするきっかけをくれた存在として受け止めやすくなります。再来店にもつながりやすい大切な締めくくりです。

「選ばれる店」になるための、プロの技術

効率化が進む現代だからこそ、お客さまが求めるのは、画一的な「処理」ではなく、人として向き合う「接客」です。「そうは言っても、忙しくて一人ひとりのお客さまに心を込める余裕なんてない」現場からはそんな悲鳴が聞こえてきそうです。しかし、ここには秘密があります。

多くの方が誤解していますが、ホスピタリティとは「心を込めること」ではありません。相手を大切に想っていることを、目に見える『動作』として可視化する技術なのです。

心に余裕がない多忙なピーク時だからこそ、感情ではなく、誰もが再現できる「技術」としてホスピタリティを身につけておくことが、選ばれるお店づくりにつながります。

CS向上研修~ホスピタリティの意識を養う

タイパ重視の時代に、お客さまが本当に求めている「満足」とは何かを見つめ直し、「傾聴」「相手の立場に立つ」といった基本姿勢を実践につなげていく研修です。

CSの重要性は理解していても行動に落とし込めていない方や、自組織の改善策まで結びつけたい方におすすめです。

よくあるお悩み・ニーズ

  • CSの重要性はわかっているのだが、実践できていない
  • ホスピタリティとはどういうことなのか理解が不足している
  • CSを発揮して成功した事例を参考にして改善を図りたい

本研修のゴール

  1. お客さまの立場からCSを考えられるようになる
  2. ホスピタリティの考え方を理解し、具体的にどのような行動をとるべきかを検討する
  3. CSに必要不可欠なマナーの基本を理解する
  4. 自組織のCS改善点を洗い出し、改善策を作成する

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実践!CS・接客マナー研修~心を動かすおもてなし

接客の基本マナーに加え、お客さまの期待を超えるおもてなしの考え方と実践スキルを学び、接客品質向上に役立てるための内容です。自己流の接客を見直したい方や、ロールプレイを通じてワンランク上の対応力を身につけたい方におすすめです。

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クレーム対応研修~臨機応変なコミュニケーションでリスクを低減する

クレーム対応において、顧客の期待水準を下回っている状態でさらに不適切な対応を行うと、顧客離反や問題の泥沼化、SNSでの拡散によるブランド毀損に繋がります。対応のバリエーションを増やし、お客さまの意向や要望を汲んだ対応ができるよう促します。

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