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飲食店の身だしなみ指導と衛生管理~つけまつ毛・髪の毛をまとめない・ネイルがNGな理由とアルバイトへの伝え方

飲食店で働くスタッフにとって、身だしなみは単なる見た目を整えるだけではなく、衛生管理の一部です。

お客さまに直接料理を提供する以上、見た目の清潔さや服装の整え方は「味」と同じくらい大切な要素です。

しかし現場では、つけまつ毛・ネイル・髪型やピアスなどをめぐり、若いアルバイトスタッフと価値観がすれ違うことも少なくありません。「禁止する理由を伝えにくい」「注意してもすぐ戻ってしまう」と悩む店長も多いのではないでしょうか。

この記事では、飲食店における衛生管理の基本と、アルバイトへの上手な伝え方について具体的に解説します。

清潔感の基準は「お客様目線」で決まる

つけまつ毛・長い髪の毛・ネイルがNGとされる理由

飲食店の現場では、「何が不衛生といえるか」は店舗側の感覚ではなく、お客さまの感じ方で決まるといっても過言ではありません。清潔に見えても、お客さまに不快感を与える可能性があれば、それは衛生上のリスクとみなすべきです。

たとえばつけまつ毛やエクステは、抜け落ちて料理に混入してしまう恐れがあります。長い髪は食品に触れたり、何かに引っ掛かって怪我をしたりするリスクなどを高めます。長いネイルも同様で、爪の間に汚れが入りやすく、手洗い洗浄が不十分になりがちです。チップや石などの装飾パーツが何かの拍子でとれ、それがお皿に入る可能性があります。

このようなリスクは、お客さまが安心して食事を楽しめる環境づくりに直接影響します。したがって「自分の気分があがって良い接客ができるからOK」ではなく、「食べ物や飲み物を扱う職場としてふさわしいか」という視点で判断することが重要です。

お客さまが見て不安になるかを基準にする

衛生管理のルールを決める際、店長やベテランスタッフの主観ではなく、「初めて来店したお客さまがどう感じるか」を基準にすると、チーム全体で共有しやすくなります。

例えば、長い髪は後ろでまとめる、爪は短く清潔に保つ、つけまつ毛やアクセサリーは原則禁止といったルールを「お客さまに不安を与えないため」を軸に説明することで、納得感が生まれます。

衛生管理のレベルを感覚から客観的な仕組みに変える

感覚任せでは徹底できない

「清潔にしてね」「ちゃんと髪をまとめてね」という曖昧な指示では、基準が人によって異なり、統一感が失われます。衛生管理のレベルを上げるためには、ルールを言語化し、行動として定義することが必要です。たとえば次のような形で明文化します。

  • 髪の毛が肩につく長さの場合はヘアゴムでまとめる
  • つけまつ毛、ネイル、香水の使用は禁止
  • 制服は勤務前に必ずアイロンを当て、シミや汚れがないか確認
  • 手洗いは入店・休憩後・トイレ後の三つのタイミングで必ず実施

こうした明確な基準を設けると、新人やアルバイトも迷わず行動できます。

チェック体制と振り返りが習慣化を生む

身だしなみルールを定着させるためには、日常の確認と振り返りが欠かせません。開店前に全員で鏡を見ながら身だしなみをチェックする、週に一度清掃・制服・手洗いの点検をするなど、習慣化の仕組みをつくりましょう。

また、指摘する際は「だらしない」などと責めるのではなく、「お客さまが不安に思うかもしれないね」と目的に立ち返って話すことが重要です。目的を共有することで、押し付けではなくチームの共通意識として根づきます。朝礼などのチームミーティングの場で相互チェックができれば、リーダーが特定の個人を指摘しているという構図になりにくく、おすすめです。

衛生管理をチーム文化として根づかせるためのポイント

感情的に注意しない~ルールを守ることのメリットを伝える

注意する際に「何度言ったらわかるの!」などと感情的になると、指導は逆効果になります。衛生管理の目的は罰することではなく、お客さまを守ることです。その目的を繰り返し共有することで、店長とスタッフの間に信頼が生まれます。

伝え方のコツは、禁止ではなくお願いやアドバイスの形に変えることです。「他人のネイルストーンがもし食事に入っていたら美味しさが半減してしまうよね、だから改めて」「髪をまとめるとお客さまの目を見て料理を提供しやすくなるよ」といった柔らかい言い回しが効果的です。自分の見た目には寛容なアルバイトメンバーも、自身の食事に異物が入っていることは許せないものです。

また、ネガティブな経験はあっという間にSNS等で拡散されます。お客さまだけでなく自身を守るためにも、求められる身だしなみを守っておいた方がメリットが大きい、と感じてもらうことが大切です。

評価とフィードバックで行動を強化する

行動を変えるには、できたことを評価する仕組みも欠かせません。清潔に働くスタッフをほめる、衛生点検で満点を取ったらシフト表に掲載するなど、小さな承認がモチベーションを支えます。

注意されるから守るではなく、褒められるから続ける状態をつくることで、衛生管理への意識が定着します。

まとめ:衛生管理は信頼を生む店づくりの基盤

飲食店における衛生管理と身だしなみ教育は、単なるルールではなく、お客さまとの信頼関係を築くための行動指針です。

アルバイトメンバーがお洒落のために身につける装飾品や髪型に注意をするのは、心苦しいかもしれません。ただ、お客さまが「この店は安心できる」「清潔で気持ちがいい」と感じてもらえなければ、売上は確保できません。

理由を伝える、行動で示す、仕組み化する。店長がこの3つを意識することで、アルバイトも自発的に清潔感を保つようになります。その結果、店全体が清潔で信頼される空間へと成長します。

ビジネスマナー~第一印象を良くする基本を習得する編

ビジネスマナーのなかでも相手の印象を決定づける要素である、「身だしなみ」、「表情・あいさつ・態度」、「言葉遣い・敬語」について、なぜマナーが大事なのか、という前提もあわせて学習していただきます。

これから社会人としてビジネスの現場へ配属される方や改めてマナーについて学び直したい方などにもおすすめです

本研修のゴール

  1. ビジネスマナーが大事な理由とそのメリットを理解する
  2. 相手を不快にさせない身だしなみができる
  3. あいさつにおいて心がけるべきポイントをおさえる
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よくあるお悩み・ニーズ

  • 入社するまでに、事前にマナーについて学んでおきたい
  • ビジネスマナーについて学び直しの機会がほしい
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