顧客接点を価値に変えるカスタマーエンジニアへ~「対応者」から「信頼されるパートナー」への成長戦略

顧客からは頼りにされている、それなのに、扱いは「ただの修理屋」「対応スタッフ」。その背景には、現場で得られる顧客接点を十分に活かしきれていない課題が潜んでいるのかもしれません。
本記事では、カスタマーエンジニア(CE)が「作業の対応者」から「顧客の信頼を得るパートナー」へ成長し、組織の成果を飛躍的に高めるための視点を解説します。
頼られているのに、「パートナー」にはなりきれない
顧客先でのトラブル対応やアフターサービスに追われるカスタマーエンジニア。依頼があればすぐに駆けつけ、問題を解決するその姿は、顧客にとって欠かせない存在です。けれども、時に「単なる作業要員」として見られてしまうことはないでしょうか。
「うちの社員、真面目だが新しい提案や価値創出にはなかなかつながっていない」
「本人も目の前の対応に追われ、自分がどう見られているかに気づかないまま過ごしている」
こうした悩みは、多くの企業が抱える共通の課題です。
顧客に最も近い現場社員こそ、競争力を握る
いま、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。単に製品を提供するだけでなく、顧客の課題を深く理解し、持続的に解決していく力が求められるようになりました。特に製品の差別化が難しいBtoB領域では、現場でのサービス力や提案力が競争優位の決め手となります。
その中で、現場で働くカスタマーエンジニアは、最も顧客に近い存在です。日常的に顧客の困りごとや不便さを目にする立場にあり、本来であれば新しいサービスや改善提案につなげられる可能性を秘めています。
ところが現実には、「トラブルや依頼時に対応してくれる人」という役割に留まり、組織全体の成長に十分寄与できていないケースが少なくありません。
このギャップは、企業にとって大きな損失です。せっかくの貴重な観察機会や顧客接点が、修理や保守の範囲に閉じ込められてしまっているからです。もし彼らが顧客とのやり取りを、「単なる依頼対応」ではなく「課題把握の機会」として捉え直せれば、顧客満足の向上だけでなく、新規サービスの創出や既存ビジネスの拡張にもつながっていきます。
パートナー化が組織成長を加速する
少し視点を変えてみましょう。カスタマーエンジニアが「対応者」ではなく「パートナー」として認識される姿。それは、顧客にとって「不具合を直してくれる人」ではなく、「気づきを与え、一緒に課題を考えてくれる人」として映ることです。
パートナーとして信頼されるエンジニアは、依頼で駆け付けた場面でも「実はこの部分が使いにくいと感じていませんか?」「そのほかお悩みはありませんか?」と問いを投げかけ、顧客の潜在的な課題を引き出します。そして、それを小さな改善や運用提案として形にしていくのです。その積み重ねが信頼を生み、やがて自然に顧客のほうから相談が寄せられるようになります。
その結果、現場の問題解決だけでなく、新規サービスや製品改善のアイデアを組織に持ち帰る役割をも担うようになります。顧客と経営をつなぐハブとして活躍することで、組織全体の競争力が大きく高まるのです。
パートナーとして信頼されるために必要な姿勢
1.観察する視点を持つ
顧客の業務や使い方に関心を持ち、細かな変化や小さな不便に気づける人は、課題の本質をつかみやすくなります。常駐している場合は日々のやり取りから、訪問対応の場合は作業前後の会話や現場の様子から、「違和感」を拾う意識が大切です。
2.耳を傾ける姿勢を持つ
顧客の何気ない一言や雑談の中にこそ、本質的な課題が潜んでいます。自分が話すよりもまず相手の言葉に耳を傾け、「その発言の背景には何があるのか」に関心を向けられる人ほど、信頼されるパートナーへと成長していきます。
3.小さな気付きを共有する
最初から大きな提案をする必要はありません。「この順番のほうが使いやすいかもしれませんね」といった一言が、顧客との関係を少しずつ変えていきます。小さな改善を言葉にして伝えられることが、信頼を積み重ねる第一歩です。
「相談される存在」になるために
顧客との関係性を深めることは、現場から新しい価値を生み出すためのスタートラインです。
多くの現場では日々の対応に追われ、顧客の声を拾う余裕がないだけでなく、そもそもその必要性を意識できていないことも少なくありません。しかし、顧客に最も近い立場だからこそ、観察や会話の中で見えてくる小さな気づきが、価値創造の起点になるのです。
一人ひとりが、目の前の依頼に応えるだけでなく、その場を「顧客との信頼を築く場」「新しい価値をつくるヒントを得る場」として捉え直すことで、現場で得た知見が社内で共有され、組織全体の成長へとつながります。
ミテモでは、カスタマーエンジニアが「頼られるパートナー」へと成長するための研修やワークショップをご提供しています。顧客との関係性を強化し、現場から新しい価値を生み出す人材育成にご興味をお持ちの方は、ぜひこちらもご覧ください。
顧客視点を強化するデザイン思考ワークショップ
本研修の企画・講師はインソースのグループ会社であるミテモ株式会社が担当しております。
デザイン思考の考え方を業務の実践に落とし込み、顧客インサイトの把握の方法を学んでいただきます。受講者どうしでチームを組み、カスタマージャーニーを作成するグループワークをつうじて、顧客インサイトとはどのようなものかと、供給者目線ではなく顧客の目線で潜在的なニーズを把握する方法を、体感的に学んでいただきます。
本研修のゴール
- デザイン思考の考え方のエッセンスを理解する
- デザイン思考のアプローチをつかって、顧客インサイトの把握の方法を把握する
- 自分でカスタマージャーニーマップを作成することができるようになる
よくあるお悩み・ニーズ
- 従来のビジネスの進め方に行き詰まりを感じている
- 顧客が求めていること・考えていることがわからない
- 事業アイデア等が変わり映えせず、新たな視点で発想できるようになりたい
セットでおすすめのサービス
顧客の課題解決研修~顧客の抱える「非・不・未」を見つけ、ソリューションを提示する
ソリューション提案においては、お客さまが直接口にする問題への対応だけでなく、言動の背後にある隠れた問題(=「非・不・未」)に意識を向け、課題解決提案ができなければなりません。
「この営業担当者は分かってるな!」と、相手に信頼してもらえるような営業活動を行うために必要なスキルを身につけていただく研修です。
顧客視点の生かし方研修~商品・サービスの開発・改善につなげるために(1日間)
顧客の発言や要望をそのまま受け取るのではなく、「顧客は何を価値だと感じているのか」を捉える視点を養う研修です。
提案や対応の質を高め、信頼関係につながるコミュニケーション力の向上を目的としています。自社視点・商品視点から一度離れ、顧客の立場に立って状況や判断軸を考える思考習慣を身につけます。
ナレッジマネジメント研修~ノウハウを共有できる組織づくり(1日間)
本研修では、働き方の変化に伴い、組織内のナレッジの共有が重要性を増しています。一方で、ICT技術の深化、DXの浸透により、ナレッジを共有する仕組みやツールは多様化しています。
そこで、本研修では、組織内のナレッジを埋もれさせず、活かしていくためのナレッジマネジメントの考え方をご理解いただきます。具体的には、ナレッジの「活用目的の整理」「抽出」「蓄積」「共有」「伝達」のそれぞれについて、ワークを交えながら、習得します。






