グループ営業統括室

カスタマーサポートの課題は顧客に応じた「温度感」の調整~「声かけ」と「知見の仕組み化」による応対品質の向上

カスタマーサポートの役割は、単に問合せに答えるだけではありません。

とくに中長期的に顧客と接点を持つ業種や部門では、日々のやり取りの積み重ねが信頼関係をつくり、サービス継続や満足度向上につながります。

その中で課題となるのが、顧客一人ひとりに合わせた「温度感の調整」です。本記事では、多忙な中でも「温度感の調整」を実現する工夫をご紹介します。

相手に合わせたトーンやスタイルを判断する必要があるので「温度感」の調整は難しい

問合せ内容は同じでも、顧客の背景や立場によって適切な応対は変わります。

  • 若い世代にはフランクでスピーディな対応
  • 社会人やビジネス利用では丁寧で安心感のある応対

といった具合に、相手ごとに最適なトーンやスタイルを判断する必要があります。しかし、多忙な現場では「誰がどのように対応しても一定水準を保つ」ことが難しく、どうしても「無難な一律対応」や「定型文頼み」になってしまいます。

工夫1:顧客の温度感に合わせた「声かけ」

中長期的に顧客と接するサポートでは、問合せへの回答だけでなく、顧客との信頼関係を育むコミュニケーションが重要です。

  • 「お問合せありがとうございます」だけでなく、顧客の状況に合わせた共感の一言を添える
    例:「お問い合わせいただきありがとうございます。急ぎでの対応が必要な状況かと思いますので、優先的に確認いたします。」
  • 提出された報告やアンケート回答に対して、お時間をかけていただいたことに対する感謝を定型的でないメッセージで返す
    例:「アンケートのご回答、ありがとうございます。お忙しい中、具体的な改善案までご記入いただき感謝いたします。」
  • 利用の進捗や活用状況に応じて、感謝を伝える一言を加える
    例:「活用状況の共有ありがとうございます。継続的に取り組んでいただいていることに、心より感謝申し上げます。」

こうした「温度感」に応じた小さな工夫が積み重り、顧客は「大事にされている」と感じ、長期的な関係が生まれます。

逆に、それが欠けると「ただの事務的対応」と受け止められ、継続利用やロイヤルティに影響を及ぼしかねません。品質のばらつきは、短期的には見えにくいですが、中長期的には顧客体験を大きく左右します。

工夫2:温度感に合わせた応対と効率化を両立させる「知見の仕組み化」

日々のやり取りの積み重ねが重要だと分かっていたとしても、同時に効率化が求められているのが現場の実情です。温度感に合わせた応対と効率化の両方を実現するために、実際に行われている3つの仕組みをご紹介します。

1. ベテランの応対を資産化する

信頼を築くためのちょっとした言葉がけや、温度感を調整した文章表現をデータ化し、共有ナレッジにまとめて展開します。新人スタッフでも、それを参照することで「関係を深める一言」が自然に使えるようになります。

2. 草案提示の仕組みづくりで、スタッフの負担を減らす

テンプレートではなく、状況に応じた応対草案を提示する仕組みを整備します。スタッフはゼロから文章を考える必要がなく、負担を減らしながらも顧客との関係性に配慮した返信が可能になります。

3. AIを補助として取り入れる

さらに一歩進めて、ベテランの応対データをAIに学習させ、スタッフが使える複数の草案を生成します。それを元に人が調整して返信することで、関係構築と効率化の両立を実現しています。

これからの現場に求められるのは温度感に合わせた「中長期的な顧客関係の構築」

ネットでの購買が主流となった今、価格や商品力だけでは差別化が難しい時代です。

顧客一人ひとりの「温度感」に合わせた応対こそが、安心感・信頼感を生み、差別化の決め手になります。

  • 信頼を育む一言を欠かさない
  • 応対の知見を仕組み化して活用する

これらを実践することが、中長期的な顧客関係の構築の鍵となります。

問合せ対応にかかる時間を約半分に! チャット応対をサポートしてくれるAIツール「FastFlow」

FastFlowトップ画像

FastFlowは、株式会社MONOBRAINが開発した、カスタマーサポート宛に来る顧客からの問合せに対し、回答案を自動生成するAIツールです。

ベテランスタッフの応対データをAIに学習させることで、状況に応じた回答案を自動生成し、メールやチャット対応応対をサポートします。

株式会社インソースでは、FastFlowを活用しながら「効率化と関係構築を両立するカスタマーサポート」への移行を支援しています。

「FastFlow」で実現できること

受信した問合せ内容を読み取り、過去の応対履歴記録や登録したテンプレートをもとにAIが回答案を作成します。オペレーターは回答案をコピー&ペーストするだけで、顧客からの問合せ対応が完結できます。

また、編集し回答された内容もFastFlowに蓄積されるため、生成される回答の精度が徐々に高まっていきます。全体の約80%ものお問合せに対応ができるため、大幅な業務改善につながります。

「FastFlow」の特長

  • ブラウザ拡張機能だから、Web上で動作するソフトであればどのツールとも連携可能
  • オペレーターとともに開発された、実務にフィットするUI
  • テンプレートの運用代行付き ※スタンダードプラン以上をご契約の場合

>サービスの詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

オペレータ向けチャット応対研修~読解力と文章力で応対品質を向上させる

チャット応対研修

本研修では、電話以外のメールやフォーム、SNSといったノンボイスと呼ばれる問合せチャンネルの一つであるチャットでの顧客応対について学び、

顧客満足度を高めるスキルを身につけていただきます。

チャットでの対応時に求められる、わかりやすい文章の書き方を学んでいただくとともに、文面から顧客の心情を読み取り、機械的な印象を抱かせないテクニックを習得していただきます。

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>講師派遣講座の詳細はこちら

CS向上研修~ホスピタリティの意識を養う

CS向上研修

顧客満足の基本的な考え方を学ぶ研修です。CS実現に欠かせないホスピタリティを理解し、

CSを支える基本マナーの習得を通じて、個々人のマインドを強化します。

そのうえで組織全体のCS向上を実現するための改善策を作成し、明日からの実践につなげます。

他社の成功事例の紹介や、組織全体のCSを大幅に向上させるCS向上会議の開催方法など、職場で何をすればよいのかを参照いただけます。

>公開講座の詳細はこちら

すぐに使えるデジタルツール実践講座~基礎から最新AIまで身につける業務効率化技術

デジタル化時代のビジネスパーソンに必須となる、様々なデジタルツールの活用方法を解説します。

日常業務で活用できるコミュニケーションツールやオフィスツールの便利なテクニックから、最新の生成AIの活用法まで幅広く学んでいただける動画です。

特に生成AIについては、効果的な指示の出し方や利用時のリスクについても詳しく説明し、実務での適切な活用方法を習得を目指します。

また、業務の自動化や効率化を実現するRPA、BI、ノーコード/ローコードツールの基礎知識も学べるため、DX推進や業務改革に取り組む方にとって実践的な内容となっています。

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