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「外国人対応が怖い、どうしよう...」を解消。英語が苦手でも伝わる「単語」「指差し」「ジェスチャー」接客のコツ

近年、街中で多くの外国人旅行者を見かけるようになりましたが、いざ接客となると「英語で正しく説明しなくては」と身構えてしまう日本人スタッフは少なくありません。

真面目な接客者ほど「正しい英語」にこだわりがちですが、実は訪日客にとって最も安心できるのは、流暢な英語よりも「分かりやすく伝えようとする姿勢」そのものです。私たちが感じている「英語力の壁」と、相手が求めている「コミュニケーションのハードル」は、イコールではないのです。

このギャップを整理し、接客現場ですぐに使える「単語・指差し・ジェスチャー」の具体例をご紹介します。

日本人接客者が抱える過剰な英語観と、訪日客が本当に求めているもの

接客に携わる多くの日本人接客者が、英語で文章を作って説明することを求められていると誤解しがちです。丁寧に対応したいという思いからこそですが、それが不安を招き、結果として相手に声をかけること自体をためらってしまう場面も珍しくありません。

一方、訪日客が求めているのは、必ずしも流暢な英語ではありません。多くの訪日客は「通じればよい」「簡単な単語で十分」という感覚で日本のサービスに触れています。この点に、両者の認識のギャップがあります。

このギャップは、現場のやり取りをのぞくとより鮮明に見えてきます。すれ違いがどのように生まれているのかを、いくつかの場面を通して見ていきましょう。

場面1

接客者(心の声:以下同じ)「 『つぶあん』って何て言えば...英語で説明できない...もうダメだ...」

訪日客「This? Sweet? Bean?(指差しながら)味だけ分かれば十分だけど...店員さんを困らせているのかな」

場面2

接客者「『大盛り』『辛い』って何て言うの?間違ったらクレームかな...」

訪日客「Big size? More?(ジェスチャーで大きな丸を作る)伝わるといいな!」

場面3

接客者「ごめんなさい...英語が本当に...」

訪日客「No English too! Just map OK?(地図を広げる)どちらへ行けばよいかだけ知りたいな」

難しい英語は不要「単語・指差し・ジェスチャー」で伝わる実例集

人はまず視覚で情報をつかむため、ジェスチャーや指差しのほうが言葉より早く理解することができます。さらに、文章よりも単語のほうが負担が少なく、文法を考えなくてよいため誤解も起きにくいです。

「方向」や「大きさ」などを示す動きは文化に左右されにくく、国籍を問わず理解されやすいことが分かっています。

日常的な接客場面では、日本人側が構えてしまうほどの英語力は求められていません。前の3つの場面では「単語・指差し・ジェスチャー」を組み合わせれば十分に伝わります。

場面1

単語: Sweet(甘い)、Bean(あん・豆の味)、Popular(人気)

ジェスチャー: 口元に手を添えて甘さを示す、両手で丸を作って「おすすめ」のニュアンスを出す

指差し: 商品そのものや原材料表示を指して示す

場面2

単語: Big(大盛り・大きい)、Spicy(辛い)、Hot(温かい)

ジェスチャー: 手で器を大きく囲んで「大盛り」を示す、舌先を少し出して手でパタパタ仰いで辛さを示す

指差し: メニュー写真や量の違いを示す表記を指す

場面3

単語: Right(右)、Left(左)、Go straight(まっすぐ)

ジェスチャー: 体ごと方向を向く、腕をまっすぐ伸ばして進行方向を示す

指差し: 地図や道の向きをそのまま指して示す

こうした3点セットは状況が変わっても応用が利きます。どれか一つだけでも役立ちますが、組み合わせることで一気に伝わりやすくなります。少しの声掛けと、シンプルな英単語と身体の動き。それだけで訪日客にとっては十分であり、むしろ温かい対応として受け取られることも多くあるのです。

9割の場面で使える「単語×ジェスチャー」早見表

使える表現は3点セットだけではありません。実際の現場で活用しやすい単語と動作のセットを挙げていきます。英語が苦手な方でも、接客現場でそのまま使えるシンプルな組み合わせを集めました。

単語 ジェスチャー化 意味・補足
This手を前にスッと伸ばすこちらです
Go straight手をまっすぐ直進
Right / Left指を右・左へ右/左
Here / There地図を指差すここ/そこ/あそこ
Size両手で大きさを示すサイズ
Big / Small大きく・小さくの形大小
Same手のひらを上下に揃える同じもの
Popular親指を立てる人気です
Finish / Sold out手を交差して×売り切れ
Sweet / Salty口元に手・表情甘い/しょっぱい
Hot / Cold扇ぐ・こする温/冷
Wait a moment手の平を前へ少し待って
Problem?首をかしげる困っていますか
Help手を挙げる手伝います
SafeOKマーク安全・大丈夫

シンプルな単語と動作だけで、ほとんどの場面が成立します。むしろ、言葉に頼りすぎず、体の動きや表情を交えたコミュニケーションの方こそ温かさが伝わり、訪日客にとっては「分かりやすく、安心できる接客」として受け取られることが多くあるでしょう。

英語が苦手でも、非言語で接客品質は引き上げられる

英語が得意でなくても、非言語を活用すれば接客品質は確実に高められます。難しい表現を無理に使う必要はなく、「単語・指差し・ジェスチャー」といったシンプルな手段でも十分に伝わります。

こうした行動を統一すれば、誰が対応しても同じ品質を再現できるようになります。訪日客が求めているのは「完璧な英語」ではなく、安心して選べて、理解しやすく、迷わず利用できる接客です。

接客英語の基本研修~外国人観光客(インバウンド)対応に備える

訪日外国人観光客に対して、言語の壁を越えたホスピタリティの実現が求められていますが、現場では英語に対する苦手意識から、外国人観光客への対応に自信を持てない方も多いです。

本研修では、英語の定番フレーズを学び、基本的な英語対応のポイントをおさえていただきます。また、「指差しシート」などのツール活用法を学ぶことで、対応の幅を広げていただきます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 英語が苦手で、自信がないために外国人観光客への接客に不安を感じている
  • 簡単な英語で外国人観光客に応対できるようになりたい
  • 外国人観光客の方におもてなしの気持ちを伝えられるようになりたい

本研修の目標

  1. 簡単な英語のフレーズを学び、英語への苦手意識を払拭する
  2. 外国人観光客からの要望を聞き取り、シンプルな英語で伝えられるようになる
  3. 外国人観光客に対応するためのツールの活用法を知り、対応の幅を広げる

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セットでおすすめの研修・サービス

(2時間研修)グローバルマインド醸成研修

本研修は、グローバル人材に求められる基本姿勢の体得を目的としています。

グローバルマインド醸成に向けて、異文化理解や多様性の受容、グローバルコミュニケーションスキルの獲得を目指します。

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実践!CS・接客マナー研修~心を動かすおもてなし

接客では、まず「最高のサービス」「あるべき姿」をイメージし、お客さまが本当に求めているものを提供することが大切です。

本研修では、「最高のサービス」を考え、良い接客をするための考え方を理解します。

そのうえで、望ましい接客の具体的な対応方法を、講義~ロールプレイングを繰り返しながら習得します。

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CS向上研修~ホスピタリティの意識を養う

CS実現に欠かせないホスピタリティを理解し、CSを支える基本マナーの習得を通じて、個々人のマインドを強化します。

そのうえで組織全体のCS向上を実現するための改善策を作成し、明日からの実践につなげます。他社の成功事例の紹介や、組織全体のCSを大幅に向上させるCS向上会議の開催方法など、職場で何をすればよいのかを参照いただけます。

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