業務改善が進む現場は何をしているのか~今日から変わる4つの見直しポイント

業務改善を進めたいと思っていても、どこから手をつければよいのか迷う場面は多いものです。実は、改善のヒントは日々の業務の中に潜んでいます。
本コラムでは、現場の常識を疑う、連続作業を機械化する、分業のムダを見直す、稀な業務を集約するという4つの視点を取り上げます。
1.現場の常識を疑うとムダが見える~思い込みを外すと改善が始まる
業務改善の出発点は、現場で当たり前とされている方法を見直すことです。かつて銀行では、お札を手で数えることが「正確で早い」と信じられていました。新人は夜遅くまで練習し、機械を使う発想はありませんでした。しかし現在では、ほとんどの金融機関で機械による計数が主流です。
この変化が示すのは、現場の常識が外部では非常識であることがあるという事実です。
自分の業務に置き換えると、次のような問いが改善のきっかけになります。
- なぜこの方法を続けているのか
- 他部署や他社ではどうしているのか
- 機械化や簡略化の余地はないか
こうした視点を持つだけで、業務のムダが見えやすくなります。
2.連続作業は人より機械が強い~10分の1に短縮できる業務を見つける方法
同じ作業を繰り返す業務は、人よりも機械のほうが圧倒的に得意です。入力やチェックなどの単純作業は、部分的に機械化するだけでも作業時間が大幅に短縮されます。
ただし、現場では「自分のほうが早い」「機械は不安」といった理由で機械化が進まないことがあります。しかし、連続処理は機械化の効果が出やすい領域です。
自分の業務を振り返る際は、次の視点が役立ちます。
- 同じ作業を何度も繰り返していないか
- 判断を伴わない作業が続いていないか
- 作業時間の大半を単純処理が占めていないか
これらに当てはまる業務は、機械化や自動化の候補になります。小さな改善でも、現場の負担を大きく減らすきっかけになります。
3.分業が逆に遅くなることがある~伝達コストが生む非効率
分業は効率化の手段として広く使われていますが、すべての業務に適しているわけではありません。工程が短い業務や複雑な業務では、分業によってかえって非効率が生まれることがあります。
その理由は、分業には必ず伝達と調整が発生するためです。引き継ぎに時間がかかり、責任の所在が曖昧になり、仕事に対する主体性が薄れることもあります。
現場では「自分で全部やったほうが早い」「人に回すのが負担」と感じる声もあります。
自分の業務に置き換えると、次のような見直しが可能です。
- 工程が短い業務は一人で完結させる
- 複雑な業務は分業せず担当者を固定する
- 引き継ぎに時間がかかる業務は分業をやめる
分業が本当に効果を生んでいるのか、工程ごとに見直すことが改善の大きなポイントになります。
4.稀な業務は集約すると効率が上がる~月1回の作業こそ改善の宝庫
稀な業務は、担当者が慣れないまま対応することが多く、作業時間が長くなりがちです。複数部署で同じような業務が発生している場合は、専門部署に集約することで効率が高まります。この視点は、業務改善の中でも特に効果が出やすい領域です。
ここでは、稀な業務の集約が生むメリットを2つの観点から整理します。
稀な業務を集約すると作業時間が短くなる理由
稀な業務は担当者が慣れていないため、作業のたびに確認や調査が必要になります。専門部署に集約すると、担当者が経験を積みやすくなり、作業スピードが安定します。結果として、全体の処理時間が短縮されます。
集約が新規事業につながる可能性
稀な業務は、同業他社でも同じ状況であることが多いものです。自社で集約し、専門的に処理できる体制を整えることで、アウトソーシングとして新たなビジネスに発展する可能性があります。コスト削減と事業化の両立が期待できる取り組みです。
改善を続ける現場が成果を出す~明日から始める4つの行動
業務改善は、一度の取り組みで終わるものではありません。現場の常識を疑い、連続作業の機械化を検討し、分業のムダを見直し、稀な業務を集約するという4つの視点を持ち続けることで、改善の質が高まります。
明日からできる行動として、まずは自分の業務の中で「なぜこの方法なのか」と問い直すところから始めてみてください。連続作業が多い業務は機械化の可能性を探し、分業が負担になっている業務は工程を見直すことができます。月に1回しか発生しない業務は、集約の候補として検討できます。
改善のヒントは日々の業務の中にあります。小さな見直しを積み重ねることで、組織全体の効率が大きく変わっていきます。
業務改善研修
業務改善は組織としての競争力を高める上で不可欠な営みであり、近年は人材不足による生産性向上の要請により業務改善の重要性はさらに高まっています。
本研修では、業務改善の流れを9つのステップに分け、それぞれのポイントを学ぶことで、確実に業務改善を実行し成功させるためのスキルを習得します。
ご自身の組織における改善テーマを選び、ステップに沿って現状分析、真因追及、目標設定、対策立案を行います。最後には、そのまま職場で活用可能な「業務改善企画書」を完成させます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 問題点が多すぎてどこから着手すべきかわからない
- 業務改善の進め方を知りたい
- 解決策に決め手がなく、関係者との合意形成が難しい
- いつのまにか計画が曖昧になり終わってしまう
ワークのポイント
改善すべき課題を1つ選び、特性要因図を使って分析するワークで様々な角度から原因を洗い出す手法を身に付けます。また、業務改善におけるポイント、例えば、コストの問題や、現象の除去と原因の除去の違い、目標設定のポイントなどを学びます。テキスト内のワークを進めることで、最後の企画書を書くための素材がそろっていきます。
その結果、受講後に現場にすぐ使える企画書を持ち帰ることが可能です。
本研修のゴール
- より効果の高い改善テーマを選定できる
- 改善の基本手順を理解する
- 課題に対する現状分析ができ、原因を特定できる
- 対策案を立案し、改善企画書を作成できる
セットでおすすめの研修・サービス
仕事を変える!はじめての業務自動化研修
本研修は実践重視の内容で、受講者が自部署の業務を題材に具体的な自動化計画を立案できるよう支援します。あわせて、国内外の事例を紹介しながら、RPAやノーコード開発、AI-OCRなど各種手法の特徴を比較し、自部署に適したツールを判断できる力を養います。
また、業務棚卸しから運用改善までを「5ステップ」で体系的に学ぶことで、場当たり的ではない自動化の進め方を習得します。最終的には、自動化対象業務や導入方法、期待効果、スケジュールを整理した「自動化改善計画書」を作成し、研修後すぐに実務に活用できる成果物をお持ち帰りいただきます。
(半日研修)生成AIで業務自動化研修~AIエージェントを自分専用の部下にする
生成AIの基本を習得済みの方に向けた実践型研修です。Microsoft Copilot(コパイロット)のAgent(エージェント)機能を活用し、社内業務に特化したAIエージェントの設計から構築までを学びます。
文章添削や社内マニュアル対応、アンケート分析など、ワークを通じて業務に役立つエージェントを実際に作成します。AI設計に適したマークダウン形式の使い方にも触れるため、AIとの対話力も向上できる内容です。
はじめての業務自動化研修~生成AIとPythonで1日1時間を生みだす
生成AIとPythonを活用して日常業務の自動化を目指す研修です。生成AIをプログラミングに活用するための基礎知識とPythonの基本文法を学び、ワークを通じてAIが提示するコードを理解する力と、実現したい内容を的確にAIへ伝えるスキルを身につけます。
ワークではWebページ上の複数の情報を自動取得するスクレイピングと、Web上のシステムを自動操作し「画面に表示されているデータを取得する」プログラムを作成します。研修の中で作成したプログラムは、生成AIを活用して少し書き換えれば実務で応用できます。





