インソース マーケティング&デザイン室

マクロ・VBAを諦めた皆様へ~便利なExcelの次世代機能!学習コストを抑えたデータ活用術(2025年版)

Excelは常に進化しています。かつて業務自動化の主流だったマクロやVBAは、プログラミング知識が必要で学習コストが高いという課題がありました。しかし近年、より直感的に操作できる強力な新機能が次々と搭載されています。

マクロ・VBAよりも学習コストが低い新機能

今回は、プログラミングスキルがなくても大量データ処理や複雑な分析、自動化を実現できる、Excelの最新トレンドをご紹介します。

一昔前までは、Excelの応用編、自動化といえば「マクロ・VBAの勉強」が主流でしたが、これらは実質的にプログラミングの習得となるため、大きな時間と労力がかかります。一方、近年搭載された新機能の多くは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)での操作が中心となっています。プログラミング経験がなくても、高度なデータ処理や分析が可能です。

マクロ・VBAよりも「コスパよく」業務を効率化できる、Excelの機能をいくつかお伝えします。

Power Query:散らばったデータを「まとめる」「繋げる」「整形する」

複数のファイルやWebサイトなど、バラバラに存在するデータを一つにまとめ、分析しやすい形に「整形する」作業は、手作業だと手間がかかり、ミスも発生しがちです。ここで活躍するのがPower Queryです。

Excelの「データ」タブにある「データの取得と変換」グループから利用できます。プログラミングなしで、データ整形の処理をすべて自動化できる、強力なツールです。Excelでは扱いきれない、100万行を超える大きなデータも扱うことができます。

統計やデータ分析の世界では「データクレンジング」という分野において力を発揮する機能であり、PowerQueryを使いこなすことはデータサイエンティストへの入り口とも言えます。

Power Pivot:大量データを「高速に分析」するデータベース機能

Power Queryで整形されたデータが大量の場合、従来のExcelシートでは動きが重くなることがあります。

Power Pivotは、この課題を解決するために作られた、Excelに内蔵されたデータベース機能です。「Power Pivot」タブ(アドインの有効化が必要な場合あり)から利用できます。従来のExcelの行数制限をはるかに超えるデータを高速に処理できます。数百万行規模のデータもサクサク分析でき、非常に便利です。

また複数のテーブルを「リレーションシップ」で連携できます。そのため、異なるデータテーブル間を共通項目で関連付け、複雑な分析もピボットテーブルで簡単に実現可能です。Power Pivotを習得することで、大量のデータに臆せず、高度な分析をExcel上で完結できます。

スピル機能(動的配列数式)

Microsoft365の登場以降、特に大きな進化がスピル機能です。一つのセルに入力した数式の結果が、自動的に複数のセルに「スピル」(あふれ出す)して表示される機能です。

これにより、これまで複雑だった配列数式や、繰り返し行っていたコピペ作業が、たった一つの数式で完結します。例えば、あるデータからXLOOKUP関数で「商品名」「価格」「製造日」の3つの情報を取得したいとき、3つの関数を何行も書くことなく、1セルに1つ関数を書くだけで完結する、といったことが可能です。

関数の記載量が減る分Excelの動作も軽くなり、大きなデータを扱うことも容易になります。

共同編集とバージョン履歴

現代のビジネスでは、チームでの共同作業が必須です。

Excelは、クラウドストレージに保存することで、複数のメンバーが同時に同じファイルを編集できるようになりました。これによって、誰がどこを編集しているかがリアルタイムで表示され、コメント機能で円滑なコミュニケーションが可能です。過去の変更履歴を簡単に確認し、以前の状態に戻すこともできます。

ファイルの受け渡しや複数バージョン管理の手間が大幅に削減され、チーム全体の生産性が向上します。

Python in Excel

2023年に発表されたPython in Excelは、Excelの機能をさらに拡張する革新的な機能です。これまでPythonでしかできなかったデータ処理や分析、機械学習などを、Excelのセル内で直接実行できるようになりました。

具体的には、セルに「=PY」と入力するだけで、Pythonコードを直接記述・実行できます。Pythonの豊富なライブラリ(Pandas・NumPy・Matplotlibなど)をExcelで利用し、複雑なデータ加工や分析、高度なグラフ作成が可能です。

Python in Excelはまだ新しい機能ですが、Excelのデータ処理能力を飛躍的に高める可能性を秘めています。他の機能に比べPythonプログラミングの学習コストがかかりますが、VBAをゼロから始めるよりははるかに学びやすく、汎用性も高いといえます。Pythonの基礎知識があれば、Excelをデータサイエンスの強力なツールとして活用できるようになります。

まとめ:学習の投資が、業務効率と分析力に直結する

これらの機能の学習は、日々の業務の自動化、大量データの高速処理、そしてより深いデータ分析を可能にするための「未来への投資」と考えられます。

新しいExcelの機能と可能性を積極的に学ぶことで、日々の定型業務から解放され、データから新たな価値を見出し、ビジネスの意思決定に貢献できる、真の「データ活用人材」へとステップアップできます。ぜひ、このコラムをきっかけにご活用ください。

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