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管理職はいるのに「経営人材」がいない?日本企業が抱える4つの課題と、必要な経営スキルとは

「管理職はいるのに、本当に経営を担える人材が不足している」という課題に直面している経営者や人事部長の方は、少なくないのではないでしょうか。

日々の業務に追われる中で、未来の組織を牽引する「経営人材」の育成は、喫緊の経営課題として浮上しています。本コラムでは、この深層にある4つの課題を紐解いていきます。

変化の時代に問われる「経営人材」の不在

先行きが見通せないVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代においては従来の「現場中心」の管理職スキルでは、組織の持続的な成長が困難です。

昨今は特にバブル世代の大量退職が顕著であり、組織を支えてきた熟練の経営人材の退職に対し、後継者の育成が追いついていません。

日本企業が抱える「経営人材」育成の4つの課題

具体的にどのような課題が、日本企業から真の「経営人材」の登場を阻んでいるのでしょうか。インソースがまとめた主な4つの課題は、以下の通りです。

1.「次」に経営を担える人材の育成に取り組めていない

「次世代経営者を育成したい」という意欲はあっても、そのための体系的なプログラムや、継続的な実務経験の機会が不足している企業が少なくありません。

昨今、長らく企業を牽引してきたバブル世代が、大量退職の時期を迎えています。 これにより、企業はこれまで培ってきた知識やノウハウ、そして「経営」という重責を担える人材の喪失に直面しています。 後継者育成は、多くの企業にとって喫緊の課題であり、「会社の将来を担う人材育成」やサクセッションプランの推進が求められています。

しかし、管理職研修などの実態は単発の研修に留まることが多く、その後の実践や評価、フィードバックが伴わないため、真の成長につながっていない現状があります。 組織的な育成のバックアップがないことが、大きな障壁となっています。

2.経営の基本を身につけている人材がいない

企業には多数の管理職が存在しますが、各々が部門の目標達成に注力するあまり、企業全体としての「経営」の視点、すなわち人・カネ・法律といった幅広い知識や、中長期的な戦略的思考が不足しているケースが見受けられます。

管理職は現場中心のマネジメントが求められるのに対し、経営人材は未来・社会中心の視点で、組織がどのような価値を創出していくかを構想する力が求められています。

3.幹部候補者が忙しく、経営視点で考える余裕がない

多くの幹部候補者は、日々の業務に追われ、次世代リーダーとして必要な経営知識の習得や、未来を構想するための時間的・精神的な余裕を持てないのが実情です。 組織の最重要課題であるにも関わらず、具体的な育成プログラムや、それに伴う業務負荷軽減のバックアップがないことが、この状況を悪化させています。

4. プロパー社員から次期幹部を輩出したいが、具体的な道筋が不明確

外部からの経営人材調達も一つの選択肢ですが、多くの企業は「プロパー社員から次期幹部を育てたい」という強い願いを持っています。社内に長くいる人材は、経営ビジョンや価値観の共有がなされており、社内の人脈ができている分イノベーションの推進もしやすいといったメリットがあるためです。

しかし社内から次期幹部や経営者を輩出するためには、キャリアパスの策定や、権限移譲、教育投資の拡充など、組織全体としての仕組みづくりが必要不可欠です。

経営人材・リーダーに必要なスキルと、その身につけ方

現場中心のマネジメントスキルに加え、経営人材に求められる「経営スキル」には例えば以下のようなものがあります。

経営人材に求められる「経営スキル」

  • 未来志向·先見性
  • 使命感·リーダーシップ
  • 高い人間関係構築力
  • ビジョン構築力·構想力
  • 中長期的戦略立案
  • 柔軟性·強烈に学び続ける力
  • 行動力·判断力·決断力

このような経営スキルを身につけるためは、大きく以下の3ステップが必要です。

  1. 徹底した知識付与
    • 経営に必要な知識を体系的に学ぶことができるプログラム構成であること
    • 自組織のコンピテンシーに基づく内容であること
  2. 経験を代替するアクションラーニング
    • 知識の定着を高めるアウトプット機会があること
    • 適した負荷をかける(新規事業開発、中期経営計画立案など)こと
    • アウトプットの期待値調整(経営層が関与)をすること
  3. 経営を担う覚悟·責任感·使命感の醸成
    • 獲得した知識のアウトプットができる機会を付与(タフ·アサインメント)すること
    • 自律的に学び続ける機運を醸成すること

これらを進めるにあたっては、まず目標とする次世代リーダー像と現状とのギャップの把握し、育成プログラムを企画し、戦略的に機会を提供しながらフィードバックも行う...といった根気強い推進が必要です。

時には社内での企画だけでなく、伴走支援が可能なコンサルタントの支援、システムの導入、外部の研修会社から複数カ年計画での提案を受けるなど、あらゆる手段を視野に入れる必要があります。

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