商品企画は「売る90%」で決まる~アイデア出しから販売設計まで、現場リーダーの実践ガイド

「新しい商品企画を任されたけれど、何から始めればいいかわからない」そんな悩みを抱えてはいませんか?実は、商品企画でつまずく人の多くは、アイデアの出し方ではなく、アイデアを「形にする手順」を知らないだけです。
このコラムは、マーケティングや商品開発を任された現場リーダー層のご担当者さまに向けて、今日から使える実践的ヒントをまとめました。アイデアを出すためのシンプルな思考法と、そのアイデアを「通る企画書」に落とす具体手順を学びましょう。
【結論】売れない企画は「売る設計」を後回しにしている
商品企画というと、「いいアイデアさえあれば成功する」と思われがちです。しかし、実際の企業での企画は次の比率で出来ています。
- アイデア:1%
- ものづくり:9%
- 売るプロセス:90%
多くの企画が失敗する理由はシンプルで、「売る90%」を後回しにしているからです。
たとえば「SNSで話題になった新商品」が、結局売れなかったケースを聞いたことはありませんか。デザインも斬新、コンセプトも面白い。それでも失敗した理由は、告知がSNS投稿1回だけ、購入導線も不明確だったからです。つまり「売る仕組み」がなかったのです。アイデアが高く評価されるのは売り方が具体的なときだけになります。企業で企画が通らない理由の8割は、売る計画が曖昧なまま提案されていることです。
ここで強調したいのは、企画を実現するのと、単に「思いついた」のレベルではしんどさが全然違うということです。「こうしたらいいのに」と言うのは簡単ですが、実際にやるとなると、販売計画、告知設計、在庫管理、顧客対応まで、膨大なプロセスが待っています。企画の本質は、この90%をどこまで具体的に設計できているかにあります。
しかし、ここで誤解しないでください。売る90%が重要だからといって、アイデアを軽視してよいわけではありません。むしろ、その第一歩がなければ何も始まらないのです。アイデアは全体の1%ですが、ゼロでは前に進めません。
では、そのアイデアをどう出すか。誰でもできる発想トレーニングの方法を紹介します。
アイデアが出ない人がやっていない「5分×3回」の発想ルール
「自分には発想力がない」と悩む必要はありません。発想はセンスではなく、筋トレと同じで回数と型で鍛えられるものです。おすすめは「5分×3回」の発想練習。やり方はとてもシンプルです。
たとえば、ランチに入ったカフェが閑散としていたとします。「どうすれば客が増えるだろう?」と、5分だけ考えてみてください。玄関に今日のランチを掲示する、照明を明るくする、SNSで「本日のおすすめ」を投稿する。こうした小さな改善案を出すことが、発想を生むためのトレーニングになります。
ポイントは、「良いアイデアを出そう」と気負わないこと。ウンウンうなって何時間も考える必要はありません。5分考えて、いったん頭の片隅に置いておく。それだけで十分です。
すると、2〜3日後にふとアイデアが戻ってくることがあります。これは偶然ではなく、脳の仕組みを利用した、意図的な「ひらめきの準備」です。
こうして出したアイデアを、次は「企画」として形にしていきます。
迷わず書ける~7つの問いに答える商品企画書テンプレ
初めて企画書を書くとき、多くの人が「何から書けばいいのかわからない」と手が止まります。そんなときに役立つのが、以下の7項目を順に埋めていくテンプレートです。難しい表現は不要です。重要なのは、とにかく具体的に書くことです。
1.背景と課題
現状の数字、顧客の困りごとを把握します。
ダメな例:市場環境が変化しており、ニーズが多様化している
良い例:既存商品Aの売上が前年比85%に落ちている。特に20代の購入率が半年で12pt下がっている
2.提供価値
何を解決し、どんな違いを生むかを明確にします。
ダメな例:お客さまに新しい価値を提供する
良い例:スキンケア選びに時間をかけたくない20代女性が、3分で最適な商品を選べるようにする
3.ターゲット
誰に届けるのか、具体的な属性や利用シーンを書きます。
ダメな例:若年層向け、幅広い世代
良い例:都内在住、20代前半女性。平日は忙しく、情報収集はInstagramが中心。価格より「失敗しないこと」を重視する傾向にある
4.施策概要
商品やサービスの特徴、体験、運用方法を整理します。
ダメな例:新しいコンセプトの商品を開発する
良い例:診断3問→おすすめ1点提示→初回はトライアル提供。使い切り後に定期購入へ誘導
5.売る計画
チャネル、告知方法、価格、目標指標を設定します。
ダメな例:SNSで告知する、Webで販売する
良い例:初週Instagram広告で3万imp、目標CTR1%。LPで診断体験→初回980円。CVR2%想定
6.スケジュール
準備から改善までの流れを時系列で示します。
ダメな例:順次実施する、状況を見ながら調整
良い例:4月に企画確定/5月に試作・テスト/6月広告配信開始/7月KPIレビュー・改善
7.体制とコスト
誰が、どれくらいの工数で、いくら使うのかを明記します。
ダメな例:関係部署と連携する、予算は別途検討
良い例:企画:1名(20h)/制作:外注10万円/広告費:月30万円。意思決定者はマーケ部長
たとえば「若年層向けスキンケア商品」の企画なら、ターゲットは「20代女性、SNSで情報収集する層」、売る計画は「Instagram広告+店舗POP+初回購入特典」。
このように、曖昧な言葉を避け、具体的に書き込むことで、企画書は一気に「実行できる資料」に変わります。
今日から動ける~企画を思いつきで終わらせない3アクション~
企画は「売る90%」を前提に設計することが重要です。今日からできる行動は3つ。
- 毎日5分、発想練習をする(街で見た課題を改善するアイデアを考える)
- ターゲットを1行で定義する(誰に届けるかを明確にする)
- 初週の指標を決める(到達数、反応率、購入数など)
この3つを始めるだけで、あなたの企画は「思いつき」から「実現」へと進みます。
とはいえ、実際に書き始めると、「これで本当に売れるのか」「数字が妥当なのかわからない」と手が止まることもあるでしょう。そんなときは、一人で悩み続けるより、第三者の視点で企画を見直すことが、結果的に一番早く前に進めます。企画は、「考える」よりも、「どこまで具体に落とせるか」というプロセスで差がつく仕事なのです。
企画力研修~企画立案から企画書作成までの流れを学ぶ
良い「企画」を立案し、それを実現するためには、(1)アイデアを形にするために効果的な情報の収集と分析(2)アピールポイントが明確な「企画書」の作成(3)企画を実現させるための「プレゼンテーション」という3つの過程が存在します。
本研修では、実際に企画書を作成・発表していただくことで、これらの企画立案~企画実現までの流れを体感いただきます。
本研修のゴール
- 「自身のアイデア」と「現状調査・分析結果」を結びつけ、企画書に説得力を持たせることができる
- 数値・グラフ・フローチャートなどを用いて、企画書に具体性を持たせることができる
- 企画実現における費用対効果と想定リスクを洗い出し、実現の可能性を高めることができる
- 関係者への企画説明にて意見・情報を再度収集し、企画内容の改善を行うことができる
よくあるお悩み・ニーズ
- アイデア出しや、アイデアを形にすることが苦手
- 新規事業の立案をはじめて担当することになったため、企画立案の基本の流れを学びたい
- 企画書の差し戻しを受けることが多いため、作成方法を一から勉強したい
- 企画実現のためのプレゼンテーションスキルを身につけたい
セットでおすすめのサービス
構想力強化研修~アイデアを実現するまでのプロセスを学ぶ
本研修では、これからのビジネスパーソンに求められる能力として挙げられる「構想力」を5つの要素に分解し、そのポイントを解説します。
(1)大局観~今起きていることを大きな視点で捉え判断を導き出す
(2)想像力~相手目線に立って三手先までイメージする
(3)編集力~集めた情報の中から本質をつかみとり、再構成する
(4)主観力~夢や問題意識、使命感を起点に自分事として考える
(5)実行力~まわりを巻き込み、継続させる方法を企てる
また、実際に優れた構想の中でどのようにそれが生かされているのかを確認し、研修の後半では事例をもとに実際に構想案を立てます。
<道場シリーズ:マーケティング>企業における新規事業、新商品開発の発想の技法と進め方
新商品開発、新規事業を組織の中で進めるのは大変です。まず、午前の部で、社内にアイデアがない状況から どうやってアイデアを出し、事業として社内に認められていくか?をレクチャーさせていただきます。午前の講義を踏まえて、午後からは、新商品開発、新規事業のアイデアを出す演習を受講者全体で実施していきます。




